あれから……
短いです。
あれから1ヶ月経ちました。
ここの生活にも慣れ、近場のクエストを受けに行く毎日です。
クリスに時折、危険なクエストを間違って渡されそうになるが……。クリス。疲れてんのかな?
「オラオラ!そんなヘッピリ腰じゃ、犬も殺せんぞ!」
振り下ろされる剣を転がって避け、横殴りの棒を隊長の足に叩きつけたのに、ビクともしません!
今、俺は詰め所の奥にある練習場で隊長にしごかれてます。
あれから、俺に戦う術がないと分かり、
「兵士の訓練に付き合え!」
と、隊長の一声でクエストを休んだ日にボロボロになるまで鍛えられてます。
少しは成長したのか、たまにシェラトンやら、相手してくれる兵士からは一本位取れるようになってきた。
……手加減してくれてるからな。
ちなみに俺の武器は棒な。この間から持ってた奴。しかし、棒にも植物鑑定効くのな。
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カラシナの木:加工もし易くある程度の固さのある木。
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こうなっていた。
だが、更に俺を驚かせる変化が1ヶ月のクエストや戦闘訓練を得た棒に現れていた。
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アポ・ロンの棒:カラシナの木の棒が、アポ・ロンの奇っ怪人としての魔力を受け変化した。棒だが棒でなくなった。
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……どこをどうツッコメばいいんでしょう?棒は棒だろ!
そんなこんなで、少し実力を確かめたくなった。
「安西先生。ウルフ狩りがしたいです」
「……何言ってんの?」
カウンターにいるクリスに冷たい目で見られてます。
通じない!さすが異世界。
「ウルフ狩りの依頼があったよね?それ受けたいんだけど……」
「……ちょっと待ってね」
後ろにある書類を確かめに行った。真面目に仕事してる!傘いるやろか?
「はい、コールドウルフとマグーマウルフ。どっちにする?」
……ただの嫌がらせでした。どちらもA級クエストですよね?
「E級の俺にどないせいっちゅうねん!」
ちなみに、依頼は危険度に合わせて、A>B>C>D>Eとなっている。スライム狩りとヒルー草ばかり集めている俺は当然、E級な。
「……逝ってこい」
「ジト目で何言ってんの!?それに字が違うよね!」
この、瓶底メガネは~っ!
脳天に一発くれてやろうと思っていると、横合いから白い手が伸びて、2枚の依頼書を取り上げる。
「クリスちゃん。これはあんまりじゃない?」
白い手の主は、冒険者ランキングでNo.1受付嬢のミランダさん。細い金髪を肩まで垂らし、青い瞳が印象的な美人さんです。ハイ。
既に既婚者だが、その人気は不動!瓶底メガネは逆立ちしても太刀打ち出来ない。
「頑張れ!ワースト」 2人を見比べて小声で呟く。
「ア~~ン?」
どこぞの瓶底メガネヤンキーが睨んでます。 何でこんなにガラが悪いのが受付してんの?
「はい、これがウルフ狩りの依頼書。頑張ってね」
蛇に睨まれた蛙状態の俺にミランダさんから依頼書が差し出される。
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D級クエスト
ダルダルの森に現れるウルフを10匹討伐。
証明部位:尾
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「これが出来たら、D級に昇格でいいのかな?」
「D級までなら、近くの依頼ばかりでそこまで危険がないから曖昧何だけど、C級からは他の町への護衛とかさらに危険なモンスターを狩りに行く事になるから、一応試験があるわ」
「……そうですか。まだまだ先は長そうだな」
「実績を積めばこちらから試験の案内をするわ」
「ミランダさんわかりました。……それにしても、あのパゲの奥さんとは思えないほどいい人ですね」
信じられないが、隊長の奥さんダス。
「パゲって言っていたのは伝えておくわね」
「すいません、言わないで下さい」
土下座しながら言った。これ以上しごかれたら、死にます!
「それでも、あの人の訓練について行けるから体したものよ。あなたを除けばシェラトン位ね」
「そっ、そうだったんですか……」
それで、他の兵士達からの憐れみと苦笑いが付いてくるのな。
……まあ、そのおかげで力が付いてきてるから感謝しとこう。
「隊長さん。ありがとう」
「太陽に感謝してどうすんの?」
「ミランダさん。行ってきます」
「無視すんな!」
わめいているクリスは、ほっといて詰め所に顔出してクエスト行くのを伝えとこう。




