ギルドに登録するです。
「旦那様方~お恵みを~」
「アポ・ロン?そんな所に座って何してんの?」
「物乞い。……食べ物買う金もないんで」
「…………」
イケメンが困った顔をしてます。
「イケメンさん~お恵みを~」
「アポ・ロン?僕の名前言ってなかったっけ?」
「……イケメン?」
「シェラトン・ナバルヤル。シェラトンでいいよ」
「シェラトンさん~お恵みを~」
「何してんだ?シェラ?」
「女みたいだからその呼び方は止めて下さいって言ってるでしょう?隊長?……さっきのあの子です」
「ハゲ隊長様~お恵みを~」
「何してんだ?詰め所の横で?」
行く当てもないんで、見知った人がいる所を探したらここしかなかった。
「文無しで、物乞い?」
「……そうか。なら、恵んでやろう」
「ありがとうございます~。少しでも生えるように祈っておきます~」
「ほらよ」
石ころが与えられました。
「わ~い!石ころ貰ってこれで文無しから脱出って、コラー!石ころ貰っても文無しは文無しじゃねぇか!」
「おまえみたいな奴にやるのはそんな物しかねえ!」
「この薄らハゲ!むしってやる!」
飛びかかろうとする俺を
「確保!」
どこから現れたのか、何人もの兵士に取り押さえられた。
「牢屋にでも入れとけ。そして、パンとスープでも食わしとけ」
「はっ!わかりました」
え?メシ食えんの?
「隊長さんありがとうございます」
「とりあえず、クサい飯でも食っとけ」
そして、俺は牢屋で一晩過ごす事になった。
一晩たって、檻の中で目を覚まし、慈悲深い監視人に貰ったパンをかじっていると、
「アポ・ロン、ギルドに行って身分証を作ろうか」
牢の前に現れたシェラトンの声に、
「パンだけじゃ、味気ないからジャムか何か無い?」
そう答える。
「ジャムなんて高級品牢屋に入ってる奴にやれるか!」
「隊長さん、いたの?」
シェラトンの背後に現れたパゲを見る。いつもよりテカってるな。
「サングラスほしいな」
「頭か?頭見て言ったのかコノヤロウ!」
「……まぶしくて、頭が見えない」
「うそつけ!」
隊長がわめき散らす。髪も散らす。ナンマンダブ。
「隊長。ギルドに連れて行って、簡単な依頼をさせて宿に泊まれるようにしてきますね」
「……まあ、お前は休みだから好きにしていいが、こんな奴に付き合うなんてバカじゃないか?」
「バカと言った奴がハゲです」
俺はボソリとつぶやいた。
「朝日がまぶしい。星も散ってるけど」
「隊長の拳骨受けてそれだけだから大変な石頭だね」
失礼な!
「少し、拳骨を貰うことが人より多いだけだ」
「……誉められた事じゃないよね」
俺はシェラトンに連れられて詰め所から、町の大通りに向かい歩いていた。
そして、チラリとシェラトンの隣を見る。
「なんで隊長がいるの?」
「お前がシェラ相手に間違いを犯さないか見張ってんだ」
「私とシェラトンのデートを邪魔する気!この泥棒猫!」(裏声)
「あたしのシェラはアンタなんかに渡さないわ!」(裏声)
クネクネしながら隊長と俺がぶつかり合っていると、ヒソヒソと話をするおばさん達がこっちを見ている。
「よし!『イケメンハーレムルート』を回避したぜ!」
「アポ・ロン!よくやった」
「いやいや、隊長のキモイオネエがあったからこそできたんだ!」
俺は隊長とガッシリと握手を交わした。
「……どう見ても隊長とアポ・ロンに対する評価がだだ下がりしただけに見えるんですが」
「ウソだろ!?」
「そうだ!隊長にはすでに下がるべき評価さえ無いんだぞ!」
残ってるのは抜けるべき髪の毛だけだ!
「アポ・ロン、お前とはいっぺんじっくりと話し合った方が良さそうだな」
握手した手に力が込められる。痛い。痛い!マジ潰れるから!
「バカなこと止めて、着きましたよ」
隊長に離された手をフゥ~フゥ~して、目の前にある建物を見つめた。
扉の上に看板が出ている。『冒険者ギルド』そして剣と盾を並べた絵が書いてある。
中に入ると、朝っぱらから渋滞ラッシュが始まっていた。
「こっちの席で、待っていて」
シェラトンは職員らしい1人に話しかけると、紙を一枚持って戻ってきた。
「なになに?街頭アンケート。最近髪の毛が細くなっていませんか?隊長はイエスっと」
「そんなに犯罪者になりたいのか?」
「……ギルドの登録用紙にはそんな事は書いてないよ。それに名前と年齢と使用武器を書くようになってるから」
「武器持ってないよ?少し魔法が使えるくらいだけど?」
「なら、そこに魔法って書いとけ。しかし、何か武器を持ってないと辛いぞ?」
隊長が考え事をしている。
「兵士舎に少し古い武器が合ったはずだ。それでも仮してやれ」
「え?いいんですか!」
「後で詰め所に行って借りてこい」
「よかったね」
シェラトンがイケメンスマイルを向けてくる。
周りにいる女性が目をハートマークにしているので、とりあえず、その顔に雑巾でも投げつけたくなった。
「……アポ・ロンから殺気みたいなものを感じるんだが?」
「気にしないで。ただの男の嫉妬だから」
「いや、気になるよ!」
登録用紙に記入して待っていると、隊長が巡回に出て行った。
おちょくる相手がいなくなったのでシェラトンと話していると、カウンターが空いたので、登録用紙を持って行く。
「登録をお願いします」
カウンターには、青いロン毛?のお姉さんがいた。目に悪そうな分厚いメガネ越しに、こちらを見ると、
「チェンジで」
「喧嘩売っとんのか!」
大きく振りかぶった腕を叩きつけようとして止められる。
「シェラトン、止めないでくれ!その瓶底メガネを割らなきゃならないんだ!」
「ダメだよ!こんな所で暴れちゃ」
離してくれ!この女をぶん殴れん!
「シェラトンは言われた事は無いだろうけどさ!チェンジって言われたんだよ。チェンジって!こっちが言いたいわ!こんな瓶底メガネよりボン・キュッ・ボンのお姉さんにチェンジだ!」
泣きながらそう叫ぶと、瓶底メガネから殺気が放たれている。
「君もそんなに怒んないで、登録を頼むよ」
「……仕方ないですわ。登録しますので手をカウンターの上に置いて下さい」
さっさと終わらせたいのでカウンターに手を出すと、
《ダンッ!》
危険を察知し、手を引っ込めると、その場所にナイフが深々と刺さっていた。
「血を少し貰うだけなんで、逃げないで下さい」
「どう見ても、ちょっとじゃなくて掌に突き刺す気だったよな!」
「……ちっ……」
「舌打ちすんな!」
「僕のナイフ貸すから……」
シェラトンの持っていたナイフを受け取り、
「お前とは、生死をかけて戦わなければならないようだな」
「悪・即・斬!」
カウンターごしに俺達は対峙した。
そして、振るわれる一刀目は双方頭に落とされた拳骨によって止められた。
俺と瓶底メガネは正座させられ、説教をされています。
隊長さん何時の間に戻ってきたの?それに隣のジーサンは誰?
「お前は少し目を離すと何か起こすな。なんでギルドでナイフ振り回そうとしてんだ?」
「お前も少し仕事をさせてみたら、いきなり客に喧嘩売りよって!職員見習いも出来んのか!」
ステレオタイプの説教がまだ続きそうです。
「そこの新人。ちょうどよく鼻血出してるから、このカードに付けるんだ」
白いカードが渡される。しかし、鼻血でカード作るの前代未聞じゃね?……隊長の視線が怖いので黙って付けます。
血を付けるとカードの色が緑色に変わり、表示が現れた。
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名前:あほ。・ろん
冒険者見習い
ランク外
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……ちょっと待てや!何やねんこの名前は?ひらがな表示で更に間抜け感が突き抜けてんすけど!何で○が下に落ちてんの?あほ?あほちゃいます!フツーです!
「……無事にカードは出来たようだな。これで依頼を受ける事ができるぞ」
そこ!笑いながら言っても説得力ナッシング!……これって、修正きかない?
読んだ方にお願いです。自分で見ても(ケータイ)詰めすぎた感があるんですが、会話文と普通の部分とを空けた方がいいですか?良ければ意見を下さい。




