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モノグラムは男らしくありたい。

ーーゴリゴリゴリ……。

 モノグラム君が薬草を磨り潰している。その中にスライム草の葉っぱを入れ、さらに磨り潰す。

 粘液状になったそれに棚から取り出した液体を混ぜ、一時間ほど混ぜ続ける。

「これで、完成です」

 小さな蓋付きの木製の容器に入れるとドヤ顔でこっちを見る。

「これが傷薬ねー」

 モノグラム君が作っていたのは、いわゆる回復薬(飲み物)を傷口に直接塗るタイプに改良したものだ。

 おもに一般家庭に置くらしい。

「回復薬よりも材料を少なくして水で薄めてたんだけども、思うように傷の治りが良くなかったんだ」

 回復薬の値段はけっこう高く、冒険者が万が一の時用に持っている位しかない。

 そのため、町に住む人には手に入れにくい。

 モノグラム君は、そこで安値で軽い切り傷とかに効きやすい傷薬作成して、その過程でスライム草を使うことを思い付いたそうだ。

「で? 後、話って何?」



 分厚いカーテンから室内に漏れる光。

それを背に調合に必要な機材の置かれた机の前で、

「アポ・ロン君。私にはやりたい事があるのだよ」

と呟いた声に俺は、

「飯奢るって言うから付いて来たけど、食い物は?」

 そう答えた。

 ここはモノグラムの家。町の外れにあり、家の周りには『入るな危険!』と書かれた看板がある。一体何したんだ?

 その中に入った訳だが、客に茶菓子も出さずに傷薬を作成して、相談事とか……俺は食い物を探して棚をあせくっている。

 変な色した薬品ばっかで何もねえや。

「話聞いて!」

「こんな所にめんつゆがある」

 ぐいっと一杯。

「飲むもんじゃないからね!」

「濃度3倍だから水で薄めなきゃな」

「だから、飲んじゃダメ!」

 手足をバタバタさせて騒ぐな!子供か!

「で?何の話だっけ?」

 モノグラム君が俺の行動に呆れながら用意したかったいパンをかじり、話を聞く姿勢に入る。

「僕は男らしくなりたいんだ!」

 …………無理だろう。

「男の娘ってまだ需要はあるよね?」

「誰に言ってんの?」

「いや、なんとなく」

 冗談はそこまでにして、モノグラム君を男らしくするにはどうすればいいのだろうか?

「やっぱり男らしいと言えば、フンドシだよね?」

「えっ? 何それ」

「えーとね、確か……」





「で、この変態の引き取りはお前がするんだな?」

 何故か正座させられた俺は体長に睨まれてます。

 モノグラム君がフンドシ一丁で外に出たので取っ捕まり、俺の名を出したらしい。その本人は目の前で頭から布を被せられている。

「まったく、変な事を広めるな」

 体長の拳骨を貰った俺はモノグラム君を引き取った。




「言い訳を聞こうか?」

 家に連れて帰り、正座させたモノグラム君に聞く。

「男らしくなったから、舞い上がっちゃって……」

「……そのまま外に走り出したと」

 すんな! そんな事していいのは海の男だけだ! そう、角刈りで海辺に立ち波しぶきを浴びながら仁王立ち。……モノグラムでイメージしてみよう。角刈りにして波打ち際で、女の子座り……サイレンが鳴りま~す。モーホーモーホーモーホー!

「だらっしゃぁ!」

「ゲフッ!」

 殴りました! 殴りましたとも! 至らん妄想させやがって~! 最後の方は背景がピンクピンクしてたぞ!

「フンドシはダメだ。他のを考えよう」

「……はい」



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