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『正史審問 青銅仮面―簒奪された史実(青銅器文明/三星堆遺跡)と失われた技術』  作者: 東曌


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プロローグ あなたが信じている歴史は、本当ですか

プロローグ あなたが信じている歴史は、本当ですか


 もし、あなたが信じてきた歴史が、勝者によって書かれたものだったとしたら。


 もし、ある王が別の王から王座を奪い、その王の名前を記録から消し、存在しなかったことにしたとしたら。


 私たちは、何を手がかりに、本当の歴史を知ることができるのでしょうか。



歴史は、勝者の物語なのかもしれません。


土地を奪う。

王座を奪う。

そして、ときには、過去を語る権利までも奪う。


それを簒奪と呼ぶなら、歴史そのものが、幾度もの簒奪の上に築かれてきたのではないでしょうか。


中国には、長い歴史があります。


司馬遷の『史記』には、王朝の興亡や英雄たちの物語が記されています。けれども、そこに、あの巨大な青銅仮面を造った人々の姿は見当たりません。


では、彼らは誰だったのでしょう。


なぜ、あれほど精巧な青銅器を造り、あのような大きな眼を持つ仮面を残し、そして歴史の表舞台から姿を消したのでしょうか。


記録がないから、彼らには歴史がなかったのでしょうか。


それとも、私たちがまだ、その歴史を見つけられていないだけなのでしょうか。


さあ、土の下から現れた青銅の眼を、のぞき込んでみましょう。


そこに映っているのは、失われた王国の姿でしょうか。


それとも、私たちが信じてきた歴史そのものの、もうひとつの顔なのでしょうか。

「あなたが信じている歴史は、本当に事実なのでしょうか?」

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