龍との出会い
「モウイチド、トウ
オマエ、ハ、ナンダ」
「お、俺は、人間だ
此処が貴方のテリトリーと知らず、勝手に入ってしまった事はすまない
すぐに出て行くので許しては貰えないだろうか」
逃げ出したくなる気持ちを抑え、慎重に言葉を選びながら話す
足が震え、手は汗でびっしょりだ
「此処ハ、我ノ土地デハナイ
ダガ、オマエカラハ、懐カシイ気配ヲ感ジル
興味深イ」
そう言って龍は男の目の前まで顔を移動させた
目前に迫る龍の顔に、不思議と恐怖を感じられなかった
突然、龍が驚いた様に顔を上げた
「オマエ、知ッテイルゾ
迷イ人、ト、同ジ匂イガスル
コノ世界トハ異ナル、輪廻ノ輪カラ弾カレタ存在
アイツ、ト、同ジ」
「アイツと、同じ?
それって、どういう…
それに、迷い人とか、輪廻の輪とか、弾かれたとか、一体…」
「ソレハ…ウッ!?」
龍が語ろうとした瞬間、いきなり龍の顔が苦悶に満ち、息が詰まったかの様な苦しげな声を漏らした
「グッ…
ソレニツイテハ、今ハ、語レヌ」
「そうか…
色々気になることはあるが、あの状態を見てそれを聞くほど俺は非人道的ではない
自力で調べるさ」
「アァ、ソウシテクレ…」
龍は少し疲れたような表情を見せた後、また顔を目の前まで移動させてきた
「オマエ、名ハ、ナントイウ?」
「俺は、自分の名前を覚えていないんだ」
「ソウカ、丁度ヨカッタ
我ハ、大地ヲ守護スル者、古代龍ヴァルギアス
我ガ名ヲソナタニ分ケ与エヨウ」
その言葉と同時に俺の周囲が緑に光った
そして幾重にも重なる巨大な魔法陣が現れた
そして魔法陣が収縮し、跡形もなく消え去った




