1つ目の村
少し長いので切ります
ヴァルに言われた道を2時間程進むと遠目に建物の様なものを見つけた
「あれが村なのか?
なんか、緊張するな
よく考えたらこの世界に来て初めて人と話すんじゃないか?」
初の異世界での人との交流に緊張しつつもその表情は期待に満ちていた
暫く歩くと2メートル程の木の柵に囲まれた村が見えて来た
櫓の様なものがあり、その隣には木でできた門があった
「お、門のところに人がいる!
多分門番ってやつだな」
急ぎ足で門に向かう
門番もこちらに気づいたのか、少し驚いた様な顔をしながらこちらを見ている
そのまま真っ直ぐ門番のところへ向かう
門番は栗色の髪にオレンジの瞳をした童顔の青年だった
怪しまれない様に丁寧に話しかける
「すみません、門の中に入りたいのですが、どうすれば入れますか?」
「えっと、基本的には身分証と通行証の確認と荷物検査をさせてもらって、問題なければ入村可能です
因みにどういったご用件でしょうか?」
やはり身分証が必要な様だ
ここは正直に記憶がない事を話した方が後々楽だろうと思うので話す事にする
下手な嘘を付くと良くないからな
「俺の名前はルギアスと言います
手持ちの食料が尽きてしまったので、こちらで食べ物と泊まるところを確保できないかと思い来ました
それでですね、実は…」
それから門番に記憶がないことや身分証等がない事を話した
門番は最初は怪しんでいた様だが、俺の必死の説明でなんとか納得してくれた
「わかりました…
俄かに信じ難いですが、嘘をついている様には見えないので信じますよ
それでは身分証と通行証の発行手続きの説明をしますので奥の部屋までお願いします」
俺は門番の後について奥にある小部屋の様なところに入る
床も壁も天井全てか出て来ており、真ん中に木のテーブルと椅子が置いてあった
「奥側の椅子に座ってください
手続きの準備をしますのでこちらで暫くお待ちください」
そういうと門番は部屋を後にした
それから小一時間ほど待つと門番とガタイのいい男が入ってきた
「こちらはガジルさんです
この村のギルドを一括管理して頂いていて、身分証と通行証の発行手続きをしてもらいます
私は門の見張りに戻りますので」
そう言うと門番は部屋を出て行く
門番がガジルと紹介した男は職員というよりどう見ても歴戦の戦士の風貌だった
燃えるような赤い髪に闘志を宿したかのような真紅の瞳
スーツの様な服装だが、スポーツマンのスーツ姿の様で違和感があった
「お前がルギアスか、宜しくな
俺はオーランド村総ギルド長のガジル・オーランドだ
早速だが手続きの説明をさせて貰うぞ」
そういうとガジルは俺の向かいに座って数枚の紙を並べる
見ると誓約書やギルドへの入会届け、人の名前と生年月日の一覧などがあった
「お前は字の読み書きは出来るか?
出来ないなら俺が代筆するぞ」
「あ、はい、大丈夫です、出来ます」
「そうか、じゃあこれに目を通してもらってもいいか?」
差し出された紙には人の名前と生年月日が一覧になっている紙だった
よく見ると名前はルギアスとそれに似た名前が書いてある
生年月日は西暦ではなく、陽年と書かれており、月日は日本と同じ様だ
「これは各ギルドに所属している20代前後の男の一覧だ
名前を見て気づいてるかもしれないが、ルギアスとルギアスに似た名前で探した
この中の誰かに心当たりはあるか?」
この短時間で俺の事を調べていたみたいだ
「すみません、誰にも心当たりがないです…」
「…そうか
まぁ、一応念の為確認しただけだ
じゃあ、改めて手続きの説明をするぞ」




