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二日目 自分らしくいつも通り!?

 二月六日

 朝、俺が目を覚ますとちび助がその傍らで吐息を立てて眠っていた。

「ぶっ!?」

 ショッキングな映像に俺はいきなり吹いたが、ちび助はそんな事気にする様子も無くぐっすりと眠りこけている。

 新しく買ってもらったおもちゃを寝るときも放さない子供のように、ちび助の手にはしっかりと預言書を握りしめている。

 ふにふにとほっぺたを突いてみるが、効果なし。うん、完全に爆睡してるな。しょうがないからこのまま放置しておこう。

 ちび助を放置し、リビングへと降りた俺は朝のニュースを眺める。また、今朝未明に交通事故で運転手が亡くなったらしい。こういったニュースを眺めると、俺はこの人は、悔いなく過ごす事が出来たのだろうかと、ずっと考えるようになっている。

「あら、頼斗ー起きたの?」

 エプロン姿の母親が俺の顔を覗き見る。この姿を見るのも、残り数回かと思うとやはり気分が優れない。

「あぁ、起きたよ」

「珍しいこともあるものねー」

 母親はそう笑うと朝食の準備を再開した。

 ニュースでは依然事故の状況などを詳しく報道している。少し気分が悪くなってきて、チャンネルを変える

 自分の死ぬ瞬間が近づいてきていることを知っている俺は、そのニュースが人事のように思えなかった。

 亡くなったのは五十代半ばの男性。深夜、車に跳ねられたそうだ。もし、この人が自分の未来を知っていたらどんな行動をしていただろうか? 家族に別れの言葉の一つでも言っただろうか。

 部屋着のジャージに突っ込んだ預言書のコピーを握りしめる。

 よし、決めた。


「おふぁよーごふぁいます…如月さん」

 早々に朝食を済ませ、部屋に戻るとまだ眠いと言いたげなちび助が目を擦りながら起き上がる。

 色々とツッコミたい事はあったんだがそれを飲み込み、俺はちび助に拳を突き出す。

「な、なんですか? その手は」

 突き出された俺の手に戸惑うちび助。恐る恐るその下に両手を差し出してくる。

「返す」

 ちび助の小さい手のひらに俺のこの先の事が書かれた預言書のコピーを手渡す。

 突然渡されたコピー用紙を見て、ちび助は何度も俺と紙を見比べる。

 何も言わず、俺は鞄を持って学校へと向かう。十分早い時間だが、いつもより違う行動して良いだろう。もう俺は預言書には縛られないのだから。

『如月さぁーん、待ってくださいー』

 情けない声を出して、ちび助が例の安っぽいステルスシステムを使って俺を追ってくる。

「何だよ、通学中はあんまり話せないぞ? 他の人に見られたらおかしい奴だって思われちまう」

 ちび助が俺に聞きたい事があるのは解っていた。そしてその内容までも。

『一体どうしたって言うんですか、如月さん? 急に預言書のコピーを私に返すなんて。そんな事しても、死ぬって言うことは変わらないんですよ?』

 それは解ってる。もう運命は変わらない。だからこそ……だ。

「今日も一人交通事故で亡くなったってよ」

『そ、そうなんですか……』

 いまいち俺の言わんとする意味が理解できないちび助は本日何度目かの不思議そうな顔をする。

「やっぱさ、俺だけこの先何が起こるかってわかってるの、ずるいじゃん? 他の人は突然なのにさ。そりゃぁ、今更これを渡しても俺は後六日後に死ぬって事は判明している訳だから、フェアじゃないのは解ってるけど、同じぐらいのラインに立ってやるべきだと思うんだ」

『それは運の違いですよ……如月さんはたまたまこの預言書の写しを手に入れた。ただそれだけなんですから』

 確かに俺は何億分の一以下の確立でちび助と会い、預言書を手にした。だが、果たしてそれが本当に良い方向に行っているかはわからなった。

 このまま、預言書のとおりに動いて死んでゆく。そんな人生の終わりはつまらない。最後の最後まで、いつもどおりに過ごしたほうが良いと俺は思った。

『そんな事しても結局、如月さんが考え抜いて行動しても預言書のとおりにしか動かないことになりますよ!?』

「ゲーム。ゲームだってそうさ! 攻略本を読んでゲームを進めても、自力で考えて進めても結果は、エンディングは変わらない! でもよ、攻略本に頼らずクリアしたほうが達成感あるじゃんかよ。そりゃぁ宝箱とかレアアイテム取り逃がすことはあるけどよ」

 そう、結果は変わらないにしろ自分で動くことに意味がある。残り六日間、精一杯生きてやる!


 二月七日日。

「はよーっす」

 いつもどおりの何気ない挨拶。いつもどおりの友人らとのふれあい。そしてつまらない授業。

 何一つ特別なことなんて無いけど、すべてが今の俺にとっては大切なものに思える。

「如月、今日バイトだっけ?」

「あぁ、そうだなー」

 いつも通りに一日は進んでいく。

 授業中不意打ちで教師から問題を当てられたりしたが、それ以外は変わることなど全くない。

 だが、その日はある大きな事を俺はやった。

「店長、急ですけど…俺バイト辞めます」

「えぇ、困るよ! 何かあったの?」

 当然だが店長や他の人は驚く。

「ちょーっと留年しそうでやばいんで、そろそろ真面目に勉強しなければいけないって言われたんで……」

 嘘をつくのは心苦しいが、やれる事はやれるときにやっておこう。

 もちろんそんなのは駄目だと、俺の辞職ははねっ返されると思っていたんだけど、案外すんなりと受け入れられた。

「学業第一だからね、学生は。でも、夏休みとか長い休みのときとかには手伝いに来てくれるとうれしいなぁ」

「あ、はいッ!」

 店長達の優しさに俺は泣きそうになった。


 二月八日。

 いつもと変わらない学校を終え家に帰り着く。

「明日は休みだし、思いっきり遊び倒すかな」

『ちょっと、何へ依然と遊んでいるんですか! 如月さん、後五日ですよ、後四日! もっと他にすることがあるんじゃないんですか!? そんなやっても何の意味も無いテレビゲームなんかしようとしないで!』

 そんなことを言われても、いざ何かをやるって思ったら、中々思い浮かばないも何だよな、これが。

 無理に何かをするより、いつもやってることをやればいい。

『聞いてるんですか、如月さーん!?』

「あぁ、聞いてるとも。ところでちび助、お前も手伝え。隠しアイテムがなかなか取れない」

 ゲームのコントローラーをちび助に渡す。

「このボタンがジャンプで、このボタンが其処のゲージが溜まってるときに押したら出る必殺技で…」

『いや、話を……』

 上下に分割された画面で少し見辛くなったが、今は先の事より、このゲームを楽しもう。

「ほら、ちび助敵に攻撃されてるぞ。お前が死んでもゲームオーバーなんだから」

 文句を言っていたちび助もゲームを始めて十五分もすれば、画面に合わせて痛いとか呟きながらゲームを楽しんでいた。

 流石、日本のゲーム。世界でもトップクラスのクオリティを持つだけの事はあるな。

 そうして夜は更けていった。


 二月九日

 いつもより三時間も早く起きてしまった。

 土曜日曜は昼前まで寝ているのが基本なんだが、学校がある平日で考えてもギリギリ遅刻しない時間だ。

 快晴の空。太陽がサンサンと輝ききっと外はいつもよりも暖かいだろう。

 窓を開けて外の冷えた空気を部屋の中にわざわざ入れる必要も無いのでそう思うだけにする。

 ちび助は俺の監視をするために強制的に俺の家…押入れに転がり込んで来た。

 一時期は俺の傍らで寝ると言う誘っているとしか思えない行動を取ったちび助だが、俺の激しい抗議により押入れで寝ると言うことで落ち着いた。

 俺の傍で寝ようとしていたのにも関わらず、寝顔をどうも見られたくないらしく、寝るときはいつも押入れの扉を内側から器用に閉めて寝ている。

 全く訳の解らん。

「ちび助、起きてるか?」

 押入れに向け喋り掛ける。

 今この瞬間を何も知らない奴が見たらきっとドン引きするだろう。

『今起きました……』

 問いかけて数分後押入れの中から声が聞こえる。

 本当に今起きましたと言う声のトーンが普通より一つ低い声で返事が返ってきた。

「腹減ってるか? 減ってるならパン持って来るけど?」

『おねがしますぅー飲み物はオレンジジュースで』

 なんという奴だ。使えるものはトコトン使う奴だな!?

 まぁ、こいつがステルスモードとやらでリビングに行き、パンを食べ飲み物を飲む姿をお袋が見たら、即刻寝込み、今夜の晩御飯はポッカポカ弁当になるだろうから、俺が部屋に食べ物を持ってくるという選択は間違いではないな。

 手すりに手を掛け、階段を降りリビングから適当なパンとジュースを持って部屋に戻る。

 作業の途中、お袋が笑いながら部屋に篭城でもするのと聞いてきた。

 確かに両手で抱えるパンと一リットルにもなる飲み物を抱えた姿はそのように見られてもしょうがないよな。

二人でもしゃもしゃとパンを平らげる。

「それにしても今日は天気がいいなぁ」

 窓から差し込む日光は眩しく、二度寝してしまいそうなほど天気が良い。

 こんな晴れた日には…そうだ外へ飛び出そう!

「ちび助、俺は飯食い終わったら外に出るけど、お前はどうするよ?」

 パンを食べ終え、オレンジジュースを飲んでいたちび助は、その手を止めて呆れたようにため息をつく。

「如月さぁん、解ってるんですか? あと三日ですよ、後三日! 明々後日には如月さんは死んじゃうんですよ! 何を呑気に構えてるんですか。普通あと三日の命だったらこう、家族に向けて手紙を書いたり、今まで生きてきた人生を振り返ったりとかするでしょう!」

 んな事言われたってなぁ……イマイチ実感湧かないんだよな。

 それに、俺は生きるとか死ぬとか今は考えないようにいつもどおりの毎日を過ごすって決めたんだ。

「手紙とか書けって言うけどよ、それで俺死んじまったらまるっきり自殺じゃねぇかよ。俺は後三日で死ぬなんて知らない知らない」

 クローゼットの中に突っ込んでいたダウンジャケットを着て外に出る準備を始める。

 そんな俺の姿を見て、ちび助はもう一度ため息をついて俺の後に付いてくる。

 別に何処かに行こうという目的があって外に出るわけじゃないので、気が向いた方向に足を向ける。

 土曜日の住宅街。昼間学校に行っているから平日の車通りがどうなのかは知らないが、今日はやけに車が少なく思える。

 バイト帰りに通る住宅街の車庫はがらんと空いており、何処の家族も買い物や遊びに行っている事が想像できる。

 親父達と一緒に出かけたのはいつが最後だったっけなぁ?

『如月さぁん、一体何処に行くんですか?』

 無言で俺の後ろをストーキングしていたちび助が目的地を聞いてくる。

 そんなの俺に聞くな、知らん。

「んーそうだな、中央公園なんて良いかな」

 目的地を聞かれてようやく目的地が決まった。

 中央公園。俺が小学生の頃は色々とそこで遊んだものだ。最近はわざわざその方面に向かう事も無かったので良い機会か。

 公園へと無事にたどり着く。

 着いたのはいいが、これから何をしよう?

 たどり着いて理解。何もすることが無い。

 遊具で遊ぶと言うのも一つの手だが、冷静に考えて痛い。

 ため息一つついて、ベンチに腰掛ける。

 公園の広場では近所にあるマンションに住んでいる小学生の子供達がブーメランを投げて遊んでいる。

「すげぇなぁ……」

 子供達が投げるブーメランではなく、子供達の服装を見て声をあげる。

 確かに比較的暖かい日ではあるが、やはり風などがモロに当たる指先や顔なんかは冷えて少し痛い。だが、公園でブーメランを投げて奇声をあげる子供達の殆どが半ズボン。酷い奴にいたっては上着を脱ぎ捨て、半そでで走り回っている。全くありえない。

『元気で良いですねー』

 ステルスモードで俺の横に腰掛けるちび助は、そんな微笑ましい子供達を見て顔を緩める。

 ちび助の表情に見とれるよりも、今ちび助が座っている場所に誰かが座ったらどうなるんだろうと全く関係の無いことが気になった。

『如月さんもああやって遊んだ事ありますか?』

「んーどうだろうな、あまり覚えてないが冬場に半ズボンで遊んではいたような気がするな」

 小さい頃の頭は今考えるとかなりお馬鹿な作りだった様で、俺も目の前で犬のように駆け回る子供達となんら変わらない服装だった気がする。

 彼らももう少し成長して、俺と同じようにこんな光景を眺めたらそう思うのかね?

『いえ、服装じゃなくって…あのゲームのあのキャラみたいなものを投げて遊んだのかって事ですよ』

「あぁ、なるほど。よく遊んだよ何せ一時期、仲間内で大ブームだったからな、ブーメラン」

 こんな会話でサラリとゲームのキャラのような〜と言う例えが出て来るあたり、ちび助もいい具合に毒されてきたのか?

 まぁ、そんな事は置いておいて。

 こういう遊び道具って一昔前流行ったのがまた流行りだすというケースが多い。

 俺たちの黄金時代で流行ったのが、S・ヨーヨーとか、ローラーブレードとか。

 音楽番組で八十年代の曲などで画面に写される映像の中にこれらが結構写り込んでいたもんだ。

 それが何年かの時を経てまた流行りだす。この繰り返しのような気がする。まぁ、時代が変わるごとに少しずつ新機能がついているのだが。

 俺が大人になった頃は一体どんな遊び道具が世に出回ってるんだろうな。

「ッ!」

 そういえば俺は大人になんかなれねーや。

「駄菓子屋で結構安く売ってたんだぜ、ブーメラン。二百円とか三百円あれば結構上等で弧を描いて手元に帰ってきたりするもんだ。そんで、公園の外れにある木に引っかかっちゃうんだよな」

『あぁ、あの木ですか? でもあんなのに引っかかっちゃ取れなくないですか?』

 ちび助は疑問符を頭の上に浮かべ、公園の外れにある一際立派な木を指差す。

「そ、あの木。引っかかっちゃって皆でブーメラン取ろうと木の根元にたむろってさ、無い知恵絞ってどうにかして取ろうと頑張るんだ。結局それは近くで別の遊びしてた上級生の奴が難無く取ってくれたりとかするんだ。それが羨ましくて木登りの練習したなぁ」

 何年も前の事だけど、そういうシーンだけははっきりと思い出せる。

 必死に木にしがみ付いて何とかよじ登ろうとするんだけど、うまくいかなくて困り果ててるときに、ちょっと離れた場所でサッカーとかしてた背のでかいにーちゃんらが難無く木に登ってブーメランとか、持ち主のわからないゴムボールなんかを一気に下に落としてくれた光景は小さかった俺の記憶にしっかりと刻み込まれている。

 ちょっと昔に思いを馳せていると、ブーメランを投げ合っていた男の子の一人が力加減を誤り、木にブーメランを引っ掛けてしまう。

『あっ、如月さんブーメランが木に引っかかりましたよ?』

 ちび助もその光景に気が付いたらしく、あわてて木の根元に走る子供達を眺めていた。

「よくある、よくある」

 膝の上に手を置き、頬杖をついてその光景を眺める。

 子供達はバッカでーなどと言いながらも、何とかしてブーメランを落とそうと頑張っている。

『取ってやらないでいいんですか? ちょっと怪我しそうですよ!?』

 ちび助はその子供達の姉のように勇敢に木へと登ろうとする子供を見守っている。

「親は何ていうかわかんないけど、こういう時に怪我したほうが大きくなれるんだぜ?」

『逆に成長が遅れそうですけど……』

「ちげぇ、身体じゃなくって心がだ」

 子供ってのは馬鹿だから口でいっても完全に理解できない。

 いくら交差点が危ないって毎日小言を言っても、何で危ないのかってのを完全に理解できないもんだ。そして一度、車に轢かれそうになった時、だから危ないのかって理解する。そして小さい頃に負う傷なんかは一生もんの思い出と教訓になる。

 木を蹴ったり、物を投げたりしてありったけの知恵を絞っていた子供達だが、全く取れる気配の無いブーメランを諦めようとしていた。

「やれやれ、もう諦めるのかよ。最近のガキは根性ねぇなぁ……」

 眺めているのをやめて、俺は子供達に近づく。

「さっきから何やってんの?」

 全部を知っているのだが、ワザと大事な用件を話さない。

「ブーメランがね、木に引っかかったんだよ。みんなでとろうとしてるんだけどさ、ぜーんぜんとれないんだ!」

 ブーメランの引っかかっている枝を見ると、ブーメランが綺麗枝の間にはさまっている。これではいくら枝を揺らしても、物をぶつけても取れる訳が無い。

「よいしょっと……」

 何度も登った木。久々に登るのであるが、コツをそう簡単に忘れるわけがない。一つ怖い点があるとすれば、今の俺の体重で折れる足場が無いかどうかだ。

 枝や木の幹に軽く足を乗せ、その場所の強度を確かめながら上に登る。

 ブーメランの引っかかっている枝の周囲にはゴムボールやヘリコプターのプロペラみたいなプラスチックのおもちゃなんかが引っかかっていた。

「よっと……」

 枝を掴んで大きく揺らすと、風の強い日に熟れた果実が木から落ちるように、面白いぐらい遊具が下に落ちてゆく。

 子供達の目的のブーメランが地面に落ちたのを確認して、適当な位置から下に飛び降りる。

 着地時に少し足が痺れた。

「さんきゅー!」

「すっげー、どうやってのぼったの!?」

 木から飛び降りた俺を子供達はまるでヒーローが登場したという様な瞳で俺を見つめる。

「長年の経験かな」

 そう答えると、俺は足元に落ちているブーメランを拾って二度持ち直す。

「なっつかしいなぁ……」

 脇の下までブーメランを持っていって、そのまま勢いをつけて空にブーメランを投げる。

 ブーメランから手を離す際に軽く手首のスナップを利かせて横回転ではなく、縦回転でブーメランを空に遊ばせる。

 俺の投げたブーメランは戦闘機のアクロバティック飛行のような宙返りをし、少し離れた地面に落下する。

「すっげーーー! いまたてにかいてんしたッ!」

 子供達は大いにはしゃいで、落ちたブーメランを取りに行く。

「なげかたおしえて!」

 ブーメランを拾ってきた子供は俺を取り囲む。

 先ほどまで座っていたベンチに目をやると、ちび助が羨ましそうにこっちを見ているのがわかる。

「あぁ、教えてやるからちょっと待ってな。上着置いてくる」

 急いでベンチに走り、動くのに邪魔な上着をベンチの上に置く。

「ちび助、見えないところでそのステルスシステム外して一緒に遊ぼうぜ?」

『えっ…でもどうやって?』

 困惑の表情を浮かべる。恐らく、どうやってステルスを外すかということより、どうやって輪に入るかがわかんないんだろう。

「簡単。俺に任せとけって」

 ちび助にそう言うと俺は子供達の元へと戻る。

 半信半疑といった様子のちび助はステルスシステムを外すため、一度公園を出る。数秒後、また公園内に戻ってくる。

 正直、ステルスが効いていても俺は見えるから、ぶっちゃけ今見えてるのか、見えてないのか解らない。

「よーし、よーく見てろよ……」

 ちび助の方に軽く縦回転でブーメランを投げる。

 予想通りちび助のすぐ近くにブーメランが落っこちる。それを確認して、俺は手を振りながら声をあげる。

「おーい、ちび助ー。ブーメラン取ってくれー!」

 俺の声が聞こえたちび助は戸惑いながらブーメランを投げる。

 ブーメランなど投げた事の無いであろうちび助の投げたブーメランは、ブーメラン初心者らしくヘロヘロで明後日の方向に飛んでいった。

 投げて渡すことを諦めたちび助はいそいそとブーメランを渡しに来た。

 皆が見ているまで恥をかいたちび助は少し赤い。

「下っ手ピだなぁ…ちび助は」

「しょうがないじゃないですか、投げた事無いんですから」

 言い訳じみた言い訳をするちび助。

「えー、ねーちゃんブーメランなげたことないの!? ホントにー?」

 子供達が次々にちび助に質問を始める。

 何て答えたらいいか解らないちび助は焦り始める。

「じゃぁ、皆でねーちゃんにブーメランの投げ方教えてやろっか?」

 そう宣言すると俺はちび助の肩を叩く。

 こうして、俺が子供に投げ方を教え、ちび助は子供達から投げ方を教えられ、日が暮れるまでその子供達と遊んでいたのだった。


なんか時間空いてしまいましたが……。

一日単位で書いていこうと思っていたんですが、あまりにも書くことがなさ過ぎてだいぶ書き方を変えちゃいました。

まだまだ、だなぁ……。

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