教会の支配
「まったく貴様は、本当に役に立たんな」
ユストを連れて帰れなかったため、神官長ルクセスからの説教フルコース。
(さすがに、耳が痛くなってきたな)
申し訳ありません、と顔を伏せながらエアは顔を顰める。
「おまけに、魔王ごっこを始めているようではないか……こうなれば、私が直々にエリート勇者を雇って」
エアは深い溜息を付くと
「……ディアマト様の信徒ともあろう男が情けない」
珍しく、真摯な表情。
「ちょ、ちょっとエアちゃん!」
慌てるハンナに
「そろそろ、頭を下げるのはウンザリだ。それに、聖剣を探すには教会の力がいる」
面倒だが、とエアは頭を掻いて言う。
「もう、短気ネ」
「随分と偉そうな物言いを……見習い神官風情が」
怒るルクセスの前に
「口を慎め、人間風情が」
エアは左手をかざす。
「これから、奇跡を見せよう」
✳︎✳︎✳︎
「こ、これが……ディアマト神の声」
ルクセスは呆然としながら、床に膝をついた。
「素晴らしい。この力さえ私にあれば……」
あのガキを連れ戻す必要もない、と狂気じみた笑みを浮かべる。
「だが、聞こえすぎるってのは人体に毒だ」
その力がお前の妹を殺し、ユストの身体を蝕んだ、とエアが警告。
「ふん、私はそんなヘマはしない」
溜息をついたエアの横で
「人間の欲って怖いわね」
ハンナが囁く。
「ところで、神官長。貴方の力で、エリート勇者を数人集めてもらいたい」
エアに言われ
「何に使われるつもりで?」
訝しげな表情のルクセス。
「リトラ海に沈んだ、聖剣探し」




