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日雇い魔王の災難  作者: 西谷東
三章
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シンクロ

「あれ……」



俺は、何をしようとしていた。



確か人間のガキを食おうとして大口を開けた。



しかし、目の前にいるのも俺。



俺は一体何を……



目の前の黄色い竜を見ながらクエレブレは、エンリルの目の恐ろしさに侵食されて行く。



エンリルの目でクエレブレを写したことにより、石化耐性ができたクオンの両足の石化が解除。



「……」



「ユストさん、ユストさん!」



メリアが呼びかけても、ユストの表情は虚ろのまま。



「これ以上の同調(シンクロ)はやめなさい」



互いの精神を壊すことになる、とユストの影から出て来たメルが警告。



左目の眼帯を付け直し、能力を抑え込む。



エンリル目に同調されたクエレブレは砂浜に落下。






✳︎✳︎✳︎





「あ、頭痛ぇ……」



魔王城三階の客室で目を覚ましたクエレブレは、人の姿になっていた。




(俺は、負けたのか……人間に)



襲ったのも自分、襲われたのも自分。



その感覚を思い出し……クエレブレが体を震わせる。



「お、俺が……人間ごときに」



トントン、と部屋の扉が叩かれる。



「失礼しますよぉ」



お腹減ったでしょう、とメリアが梅干のお粥をクエレブレに渡す。



「俺に?」



「はい、あのまま目を覚まさないんで……シルシュさんも気にしてましたよぉ」



梅干だけのシンプルなお粥を口に運び



「うまい……」



クエレブレは、頬を赤くすると


「……惚れてもいいか?」


竜は嫉妬深いが、惚れやすい生き物でもある。

ただし、個人差による。


「え、やめてください。私そんな気分じゃありません……ほら、もうすぐ月末ですし。お給料もらえるんですよ」



ちょっとでも田舎で農業をしている母にの助けをしたい、とメリアは続けた。



「クエレブレさんも、ちゃんと親孝行してくださいねぇ」



「お、おう」






✳︎✳︎✳︎









「だから、小生を肌身離さずお持ちするように……」



あれほどいったのに、とベッドで横になっているユストに泣きつくレーヴァテイン。



「悪かったよ……頭痛いから、騒ぐな」



「嘘をつけ。さっきまで昨日の徹夜の疲れが、とか言って寝ていたろう」



シルシュに言われ



「はて、何のことやら」



レーヴァテインはすっとぼける。



「ユスト様、気分の方はどうですか?」


メルに聞かれ


「だいぶ良く……」



腹違いの兄というのを思い出し、ユストは気まずい。



「ちょっと、寝る。おやすみ」


ユストは布団を被って、引きこもる。



「こらこら、露骨に避けないでください」


ため息をついたメルに



「それより、メルクリウスよ。何か用か?」


シルシュが聞いた。



「そろそろ、仕事が必要になるとおもいましてね」















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