---73--- やはり絵心が無い!
「よし成功したな。思い付きでも、かなりうまくいったな。あとは応用するだけだな。
どうだ?レレ、逆転移擬きを体感した感想は?」
眼前に本物のシアキが立っている。
ココが何処であるか、何かしらの罠や術、幻術等が施されていないかを、すぐさま確認する。
室内を見渡すと、劣等種達が数人こちらを見ている。最奥に一脚の王座があり、中央の長机の上一面に何故か片眼鏡が敷き詰められている。
ステンドグラス等が嵌められた窓や観音扉の扉等が目に入って来るが、左程術の類が一切施されていない変哲もないただの空間だと認識し終える。 この部屋の構造を把握したので一切の興味を無くす。
「・・・・お、お義兄様?」
自身の肩の上に手を置いているシアキ擬きは、手を握られ捕縛状態である。相変わらずニコニコ笑顔を見せながら無言で立っている。
瞬時に後ろの存在が何なのか思考し、食事時に見せられた魔素で作った模擬体であると理解する。
だが、今朝のは確実にそこに何かがあると言う気配を感じる事が出来た。
今は触っている感触と目視で確認は出来ているが、全く気配を感知する事が出来ない。勿論生体反応も全く感知する事が出来ない。
今朝初めて作った魔法であるはずなのに、こんな数時間程度と僅かな時の間で、魔法に改良を加え、気配と生体反応を完璧な程に消す所まで精度を上げ、且、簡単な動作と、高位な術とされる転移術を一つ覚えさせ使用するのを見せられて恐怖を覚える。
もう眼前のシアキと言う存在は、自分の常識等が全くもって通用しない人物で、敵に回すと、超が何個も付く程に、危険で厄介な存在であると再認識する。
一層の事この場で屠り始末してしまった方が今後の為ではないかとさえ思える。
だが、自身が姉に誓いを立てた以上、どんな約束内容でも途中で自らの都合で破る行為は自分を侮辱し貶める行為に等し、何より屠った際の姉が怒り狂いそうで怖い。
また、返り討ちに遇い、勝てなかった際の屈辱感を味わう危険性も有るのでココはグッと堪える。
少し血の気が引いているせいか顔に冷たさを感じながら、額から汗が滲み出てくる。
そして恐怖を感じ、目を見開き、口をあんぐり開け、素で驚いた表情で呆然としている。
そのあまりにも驚いている表情を見せられシアキは笑いそうになるが、本人の前で笑うと怒りそうなので我慢し、ココは大人な対応として術酔いでもして体調を崩したのではないかと心配し尋ね、現実に引き戻す事にする。
「おいおい、レレ凄い汗だぞ。どうした大丈夫か?。
もしかして、今の転移で、術に酔ったとかで気分が悪くなってないか?吐きそうか?大丈夫か?」
しばらく状況を分析の為、思考が混乱状態でどうしていいか分からない状態に陥っている。どう、言葉を返したら良いかを考えていると更に数秒の沈黙が生まれてしまった。
このままではいけないと慌てて言葉を返すがいつもより声色が高く焦った口調になってしまった。
「・・・驚きましたわ、もう何が何やら分からなくなる所で、すべてを破壊してしまおうかと思いましたわ。
魔法実験をされるなら一言知らせてくださいまし、危うくお義兄様を屠ろうかと思いましたわ。
しかしコレは凄いですわね。それは今朝の応用ですわよ・・・」
話の途中で、他の平を見せらてちょっと待ったっと言う仕草を見せられる。
前のめりになり、言葉を止めどうしたのかと言う表情を向ける。
『シアキ大丈夫?』
「すまん早速、ルルからの念話だ、少し集中したいからそこで待っててくれ!」
実に無礼な対応だ。本来なら神族である自分と対峙し話しているのならそれを優先すべきなのだが、姉のルルとの念話を邪魔しては悪いと言う、生まれて初めてレレに謙虚な気持ちと言う物が生まれる。
「もう何ですの・・・お姉様なら仕方ありませんわね、いいですわ待ってますわ」
実につまらなそうに口を尖らせ、臀部の後ろに手を組みながら、興味のない室内を、実に興味無さげに観察しながら暇をつぶしている。
『大丈夫だぞ、実験は成功だ!。
で!どうだった?、魔聖素で作った模擬体を利用した逆転移、使えそうか?』
『う~ん、気配は全くしなかったし便利だろうけど、結構目立ってたよ~、まぁ~小さくすれば結構使えると思うよ~。
ポケットサイズのシアキを持ち歩くとか可愛いかも~ふふふ。
それより~それより~、どう?、レレちゃんは、ビックリしてた?』
『あ~打合せ通りだ、これでもかと口をあんぐり開けて驚いた素の表情をしてた。
今は話しを途中で遮られて口を尖らせながら、つまらなそうに部屋を見てるぞ』
『そっか~大人しくしてるんだ~やっぱり変わったな~レレちゃん。
本来なら騙された~とか言って暴れてるかと思ったのにな~。
ふふふ。あ!そうそう、シアキ、サジュラっちからの伝言だよ~。
昨日夜食べたトカゲの料理を今晩作るから~トカゲのお肉を一杯買って来てって~だって~』
『お~あの料理がまた食えるのか!よし、それなら、早く片眼鏡選んで、報酬の金とか貰って、買い物しないとだな。
それにフェンラの新しい魔素とかを見る邪眼の能力も少し詳しく知りたいし、ちゃちゃっと用事済ませたら帰るわ。
あと、すまんが、皆少し疲れてるだろうから、各々回復させてやってくれ』
『分かった~、じゃ~念話終了するね~ -念話終了-』
「よし、レレ、もう少し待っててくれ。少し用事済ませるから」
右手人差し指と親指で顎を触りながら、長机に並べられた受付嬢専用の片眼鏡をどれにするか選ぶ。
奇抜な物から素朴な物まで色々有り、この世界の美的感覚が無いので、どれを選べば良いのか正直分からない。
極力戦闘時に邪魔にならない物で、且、サジュラが欲しいとされるデザインをこの中から選ぶのは至難の業だ。
元々こう言う美的感覚をシアキは持ち合わせていない。
植物系モンスターであるシャボちゃんに名を付けただけで、あれ程センスがどうのと言われたのだ。
自分の欲しい物を選んだら確実に趣味の悪い物を選ぶ自信だけはある。
下手に選び趣味で無い物を使用させ、不快な気分で冒険を続けられるのは、申し訳ないので、ココは素朴なレンズだけの物を選び、後で希望のフレームを魔法の物質生成で造ってあげる方が確実だとの思い至る。
「よし!このレンズだけのを貰うよ、ラミン国王」
実に素朴なレンズに落下防止用に服の何処かに止める為の鎖が申し訳程度付いた物で鼻に掛けるパーツ等、装飾物が一切付いていない物を選んだ。
これはこの中でも最も高価な白金貨一枚もするクリスタルを惜しげもなく圧縮し高密度にした状態の物を削り、レンズに仕上げ作らせた物だ。
制作者が製作途中で、各種装飾やフレーム代に回す予算が無くなり、中途半端な粗悪品として店頭に並んでいた、高価な粗悪品の烙印を押され誰も買わなかった代物だ。
昨晩中に国中の片眼鏡を、取敢えず出来の良し悪し関係なくこの部屋に掻き集めるよう王命があり、ついさっき並べ終ったのだ。
そして今から、昼前迄に出来損ないの中途半端な粗悪品とされる物を選別しようとした矢先に、突然部屋にマムラ国王が現れ報酬を受け取りに来たと言われ今に至るのだ。
選別する時間が無く、ただ無造作に粗悪品も一緒に並べられた物の中から、選りにも選ってそれを選ばれるとは思ってはいなかった。
この場に偶然居合わせた、フジイデ王国の国王の執事とメイド達数人、担当貴族一名がゴクリと生唾を飲み込む。
どう見てもそれは粗悪品で片眼鏡として掛けるには不向きとされる出来のモノだ。使用する際手に持って使用する為のパーツ等が一切ついていないし、目の窪みに嵌め込むにも少々大きいのだ。
震える声でラミン国王は本当にそれで良いのかを尋ねる。
「そ!それで、本当によろしいのですか?そんなレンズだけでは・・」
話の途中でまたしても言葉を遮られる。
「あ~これで良いんだ。無駄な物が一切付いてないからな。
コレなら丁度加工もしやすいし、もしかして何か使用するのに問題があるのかコレ?。
接続出来ないとかそうなら別のを選ぶが?違うならこれが良い」
「いえ、この部屋に集めた物は、全て使用可能な物ばかりですので、ご安心ください」
「じゃ~決まり!これを報酬として貰う事にする。
あと報酬の金だが、そこの俺の義妹に渡しておいてくれ。
レレ、コイツ等から報酬の金の袋を受け取って拠点に戻ってくれ。
ついでに、このレンズの片眼鏡は壊さないように慎重に取扱って俺の部屋のベッド脇にある机の上に置いておいてくれ。
金の入った袋は、そうだな~、ルルにでも渡しておいてくれるか。
俺は今から買い物して来るから、くれぐれもコイツ等を誰一人殺すなよ・・・」
言い残すと、返答を聞かず転移でそそくさと何処かに消えていった。
この国に逆転移させられてから周囲の気配感知をしているので、外のゴミゴミした個所にシアキが転移していった事を知る。
そして室内にシアキが居なくなったことで、この生者が息づく苦痛な空間に自身が身を置いている事に気付き嫌悪感が一気に体に襲ってくる。
この部屋事無に還したいと思える程、生者達の息遣いが耳に障り不快感が募り苛立ちを覚える。
「あ~劣等種の耳障りな息遣い苦痛ですわね。
さぁ~早く出しなさい。こんなお義兄様が居ない空間には長居はしたくないのですわ。
高貴なる冥神族である、私が、劣等種の命を刈り取らずこうして待って差し上げてますのよ。
さっさとしてくださいまし、お義兄様の命が無ければ、その行動の遅さは万死に値しますわよ・・」
眼前の少女が、魔族の国にしか加護を与えず、死を弄ぶ事で人族の間では有名な「ア」の一族の神族であると知り慌ててラミン国王は執事の者に持ってこさせるように命ずる。
「報奨金を持ってまいれ」
無言のまま執事が一礼をし、王座横にある部屋へ行き、高さ五十センチ、幅三十センチ、程の袋を、二つ台車に載せ戻って来る。
その台車に載った物をレレの前に差し出す。
「こちらが今回、助けて頂いた事に対する報奨金で御座います。どうぞお受け取り下さい。
あと土地に関してですが、王国所有の土地であれば何処でも好きにお使いくださいと、マムラ国王にお伝えください」
用意された袋の中身は、一つの袋に金貨のみが数千枚以上、数え切れない程ぎっしりと入っている。
もう一つの袋には銀貨が同じく、数千枚以上、数えきれない程ぎっしり入っている。
この二つの袋で、中規模国家予算の半月分は賄える程の金銭が入っている。小規模国家なら丸々三年以上は何もせず暮らせるだろう。
重量も相当重い。恐らく大人五人掛かりで、金貨のみ入った袋を持てるかどうかと言う感じの重さだ。
金銭等に興味が無いので眼前に置かれた袋の量の金銭が多いのか、少ないのか、見当がつかないレレは、恐らく袋の小ささからして、少ないと思われると判断し指摘をする。
「はぁ・・・何ですの。このちっぽけな量は?まぁ~どうでも良いですわ。
コレを持って行けば良いのですわね」
口を開き中身を確認する様な事は無く、軽々と片手で二つの袋の口を握り、片手で持ち上げ上下に軽く振る。
ジャラジャラと貴金属がお互い当たる音が鳴っているので、中身は入っていると確認出来たので、レレは最後に一言発する。
「実に軽いし、これだとちっぽけな金額なのでしょうね。 お義兄様も安く見られた者ですわね」
決して軽い物ではないし、寧ろ大金で相当な敬意を込めて支払われている金額だと全員言葉にして反論したかったが、言い返す勇気などありはしない。
そして、魔族の国にしか加護を与えず、死を弄ぶ事で人族の間では有名な「ア」の一族の神族の姿が部屋から掻き消してしまった。
この現象は何度も見て慣れたのだが、新たにマムラ王国の事実(戦力となる人物)を目の当たりにし、早急に今後の同盟維持に対する会議を開き方針検討する必要があると全員思うが、誰一人として今は行動に移せない程身が硬直しているのだった。
拠点家屋内のシアキの部屋にレレは転移してきた。
預かった片眼鏡を壊さぬよう、指定されたベッド脇に置かれている机の上にそっと置く。
金貨と銀貨が入った袋を持ったまま、姉の気配を探り部屋の外のリビングに居る事を確認し、部屋を出る。
廊下を少し不機嫌そうに歩きながらリビングに到着する。
リビングでは、ビデアが寝ている個所の近くに、ルル、フェンラ、サジュラの三名が座り、ルルの横にリムが立ち、シャボちゃんは食事場所兼寝床に立っている。
他のラフェル、エラル、アイは、ラフェルの部屋に居る。
戻ってきたレレの姿を確認しリビングにいる者達はお帰りの挨拶を済ませる。
「レレちゃん?ところでそれは何?」
袋を顔の高さ迄上げ、袋に目をやり、これが何なのかを姉に伝える。
「コレは報酬の金だそうですわ、お義兄様がお姉様に渡しておけと・・」
二袋をルルの前の床に置く。早速ルルは結ばれている紐を解き中身を確認する。
その中身を他のリビングに居る仲間達は覗き込む。中身を見たサジュラ、フェンラ、リムは驚愕する。
その中身は大金どころの話しで済むような金額ではない。
確実に小国の国家予算を遥かに超える量がその袋の中にあるのだ。
「・・・何じゃこの大金は!我は夢でも見ておるのか!」
袋の中身にフェンラは手を差し込み掻き分けるが、中身は避けても避けても金貨、金貨、金貨、もう一つの袋を掻き分けても銀貨、銀貨、銀貨だ。
いくら国を滅亡の危機から救ったとしても、これ程の金額を出す事は通常有り得ない。 報酬として出しても最高金額で恐らく金貨五百枚程度だと推測していたが、それを遥かに超えた金額が眼の前にある。
「・・コレ凄い大金ですよ・・通常こんなに報酬として払うなんて有り得ませんよ・・・」
その大金を見てリムは、これ程の大金があれば自分より優秀な奴隷を何人もすぐにでも買えると知り、主人に嫌われ処分されたらどうしようと想像しながら黙り込み大金に目を向けている。
「・・・・」
三名の様子を見る限り、これは大金であることは一目瞭然。
金銭感覚については、ルルは興味が無かったので、シアキとラフェルと三人暮らして居た際、少しだけラフェルに教えてもらい学習はしている。
だが、実際大金を眼前にしてもイマイチこの袋に入っている物に対し大金であると実感が持てないでいる。
「ん~?まぁ~国家の存亡の危機を助けた訳だし~これ位は払わないと~って相手が思って払ったんだと思うよ。 あとどうせ国の体裁考えて他国に権力と牽制の目的も含まれてるから相当色は付けてるんじゃないかな~。
まぁ~シアキがそれだけ凄いって事だから、皆も、こんな事で驚くと品位が下がるから今後はビックリせず気楽に構えたらいいんじゃない?」
確かに今回は他国に攻入られていたのを助けた形にはなっている。
この意図するものが、ルルの指摘通りであると容易に想像はつく。
それ程マムラ国王が価値のある尊大であると内外にアピールし、自国がその傘下で、経済的に潤い平和で、且、それだけに見合う対価を払って戦闘力を保有している国であると、周辺国に知らすのが今回のこの報酬金の本当の狙いだろう。
そんな人が設立したパーティーに所属している自分達も、そう言う目で他者からは見られてしまうのだと気付き、相応しい行動を今後取ろうと思うのであった。
そんな決意を各々していると、いきなり誰もいないはずの台所から、鍋類を豪快に床に落とした物音がしてくる。
不意を突かれたので、フェンラとサジュラはビクンと体躯を跳ね上げ驚く。
「あっちゃ~・・・」
台所から主人の声が微かだが聞き取れたので、誰よりも早く真っ先に台所に向かい、主人の失敗を自分のせいにして主人は何も悪くないと皆に知らせなければと急いで台所に駆け足で入っていく。
その様子を見てこれはリムに任せておく方が良いと全員思いリビングで待機して待つ。
案の定台所では、自分の主人が顔が隠れるくらいの大量の荷物を抱え、鍋類を床一面に落下させている惨状が広がっていた。
「ご主人様、お帰りなさいませ。すみません私の積み方が悪いせいで、ご主人様に不快な気分にさせてしました。 申し訳ありませんでした。今すぐ片づけます」
声を掛けられ、少し体を回転させ顔を向ける。
「ただいま~、リム。俺が前を見ず転移して、物を落としたんだ、リムは悪くないだろ、こんな事で謝るのはおかしいぞ!。 片づけは後で俺がするから、取敢えず、この食材は何処に置けばいいかな?」
袋の中身は不明だが、食材であれば台の上に置けばよいはずだ。
その食材置き場となる台の上にはもう既にお昼用の食材達が大量に置かれているので、置き場所が無い。
勝手に食材を置ける個所を作る為に、物を動かす事は奴隷としてはやってはいけない事である。
台所を管理しているラフェルの指示や、もしくは自分以外の者の指示が無いと、これは判断のしようがない。
困り沈黙状態で狼狽えながらキョロキョロ台所を見渡し置ける個所を必死に探す。
これは、自分が指示を出した方が早いかも知れないとシアキは判断する。
「よし、リムこの台の邪魔な鍋類は取敢えず、落ちた鍋と一緒に床にでも置いて隅に退けてくれるか?。 後でラフェルに鍋は邪魔になったから床に置いて纏めといたからって言っておくから、やってくれ」
「はい、ご主人様」
指示を受けるとテキパキと行動し台の上に置かれていた鍋を台所の隅の床の一箇所に纏めて置き、台の上に物が無くなる。
その上に買ってきた食材を置く。置き終え、台所から出てリビングに向かう。
「シアキ~おかえり~」
「お帰りなさいまし、お義兄様」
「シアキ殿、お帰りなのじゃ」
「マムラ様、お帰りなさい」
「シアキ、おかえり」
リビングを見渡す、床に布団を敷いてその上でビデアが寝ている。
その横での床に置かれた二つの袋を囲むようにして、ルル、レレ、フェンラ、サジュラ、が立っており、シャボちゃんは自分の食事場所兼寝床に立っている。
このリビングに居ない残りの仲間達は、ラフェル、エラル、アイだ。恐らく自室で休息をとっていると思われる。
何故かフェンラとサジュラの両名の顔が少し引き攣っているように見受けられるが敢えて触れないでおこうと決め挨拶を返す。
「ただいま~皆、ところで、ラフェルとエラルとアイの三人は自室か?」
「そだよ~ラフェルちゃんとエラルちゃん達二人は、修行が無駄になるかも知れないからって、自力回復するので少し横になるって言って~今休んでるよ~。
まぁ~回復術掛けてもそんな事は無いと思うんだけど~、本人達の気分もあるだろうからね~。
一応、アイっちを監視に付けて、何かあったら呼ぶように~って言って、そのままにしておいたよ~」
大金の入った袋を覗き込み興味なさそうな表情をしながら、袋の中に手を差し入れ掬いジャラジャラジャラと袋に流し戻し中の物を確認する。
恐らく大金である事は間違いないはずなのだが、全くもって実感が無い。
転生後この世界の共通通貨で有るという事は理解している。 だが左程金銭欲と言う物が湧いてこない、寧ろ何処か玩具感がしているくらいだ。
「そっか!じゃ~これが昨日の報酬ってやつか!、まぁ~多少多い気もするが、こんなもん何だろうな!。
それより、レレありがとな!こんな雑用を、ちゃんとやってくれて、ホント助かったよ。
これで夜は上手い料理が食えるから、楽しみしておいてくれ。
あと眼鏡はちゃんと所定の場所に置いてくれてるか?」
感謝の言葉を言われ、先程まで感じていた苛立ちが一気に解消され、むず痒いような心地のよい、心がザワザワする感覚を味わう。
「ふふ、何でしょうこのザワザワ、ムズムズするような感覚は・・・ふふふ新鮮ですわ!。
さっきまでの劣等種の群れに居た時の苛立ちが嘘のように晴れていきますわ~。
眼鏡?あ~アレならちゃんと置いてきましたわ」
大金を前にしても、驚かず、こんなものかと一蹴するだけである事に、フェンラはこの場できちんと金銭欲を示せない眼前のシアキと神族の二人に教えておかなければという使命感が生まれる。
「シアキ殿!ルル殿!レレ殿、お主達は金銭感覚、いや欲が無さ過ぎじゃ。
これは大金なのじゃぞ、恐らくこれだけあれば、小国数国程の国家予算を軽く賄える程じゃぞ!。
この世界の共通通貨で有るのじゃし、少しは大金を前にしたら驚くくらいの、金銭感覚を持た方が良いのじゃぞ」
両腰に手を当てて胸を張り、訴えてくる。
だがそう言われてもっと言う感情しか芽生えて来ない。
「う~ん、そう言われてもな~この世界の通貨価値はイマイチ理解が出来ないしな~。
当面金銭的に困らないってならそれでいいんじゃないか?まぁ~もし困ったらその時に考えればいい訳だし・・・」
「金銭感覚ね~・・一応ラフェルちゃんに通貨価値に関しては教えてもらったよ~。
でも私、興味ないからどうでも良いかな~、当面は、ラフェルちゃんの美味しいご飯と、シアキ達と楽しく冒険さえ出来れば、それだけで良いし~」
「私は、劣等種の金銭とかにか全く興味ありませんわ。
私は、お義兄様とお姉様にしか興味はありませんわ」
三人とも金銭に興味が無いと言い、素っ気無い対応をしている。
眼前の神族の二名はそれでも良いが、シアキだけはもう少し金銭に関してしっかりしてもらわねば今後の為にならないと思い至る。
「ルル殿とレレ殿の二人はまぁ~良いとしてもじゃ、シアキ殿は国王で国運営の責任を担うのじゃぞ。
自国の民が金が無く食料や物資を買えなくなり、国民が餓えてしもうては困るじゃろ?」
「まぁ~言いたい事は分かるぞ。それに俺は元の世界ではその辺は得意分野だったんだ。
今はこの世界の通貨価値に興味が無いだけだが、国運営の金融面と物流や食料事情等は、ちゃんと考えてるから心配するな。
こんな通信や流通手段があまり発展して無い不便この上ない世界を冒険し尽す前に、文明を押し上げ革命を起こしたら冒険しにくく成るしな、そんな勿体ない事はしないのだよフェンラ隊長殿、あはははは。
それより、サジュラ!報酬で貰って来たお前の片眼鏡何だがな。
加工し易い、レンズだけの物を貰って来たんだ。
どんなフレームデザインが良いか修行期間中に絵を描いて俺に教えてくれ。
その絵を元にして、俺が魔法でフレームを生成するからさ!」
また話を別の話題に替えられた。
だが確かに金や権力等に興味のあったと元の世界の事を聞いてはいるので、これ以上は踏み込まない方が良いのかもしれないと思い至るのだった。
受付嬢の片眼鏡をオーダーメイドで作れると知り興奮するサジュラ。
「フレームを自分で決めれるんですか!・・・はい!描きま・・・あ!どうしましょう、マムラ様・・私、絵心が全く無いんです」
絵心が無い事を思い出し、ガックリ肩を落とし残念だという表情をしながら目線を合わせられる。
「って俺を見るなって俺も絵は下手なんだ。困ったな~この中で誰か居ないか?絵が上手い奴は・・」
人に見せれるような画力では無い事を自覚しているので、出来そうな者が居ないかとシアキは仲間達に目線を合わせていく。
目線を合わせられたレレは、首を横に振るだけで何も答えない。
もし絵が上手くても描く気はないっと言った感じだ。次にルルに目線を合わせる。
「私は無理だよ~神族は元々繊細作業が苦手だし~そもそも私絵なんて描けないよ~」
神族二名とも駄目、自分もサジュラも駄目となったので、全員の目線がフェンラに注がれる。
「む、無理じゃぞ、そもそも我は不器用なのじゃ、そんな絵心がある様に見えと思えるかの~・・・」
両手を広げられ見てくれと言わんばかりに胸を張っている。
その仕草は意味が無いのではと思いながら、本人が不器用と言っている以上そうなのだとしておく。
「う~ん頑張れば、軌跡的に上手い絵が描けるかもだぞ」
期待を込め軌跡を信じているという目線がフェンラに注がれる。
恐らくこの三名は自分が描くのが面倒だから押し付けようとしているに違いないとフェンラは思ってしまう。
このままでは、下手でも任せたと言われ逃げられかねないと思い、描かない意志を全力で伝える。
「そんな期待の眼差しで見ても駄目じゃ。我は周辺地図を線で描くくらいしかやった事が無いのじゃ、それが下手なので絵などは決してうまくないと自覚しておるで、こればかりは諦めるのじゃ」
やっぱり駄目だったかと言う残念そうな表情を見せ最後の人物に目線を向ける。
「仕方ないな~フェンラがそこまで描かないと言うなら諦めるか!。
残るはリムだけが頼りだ。もし絵が描けるなら、サジュラの要望聞いて、下手でも構わないんだ。
描いてあげて欲しいんだ?どうだろう?絵とか描けないか?。
俺が本当は描いてやれれば良いんだが、本当に絵心が無いんだ・・もし頼めるなら頼みたい、どうだろう、リム?」
優しい表情で微笑みながら主人が尋ねてくる。そして全員の目線が向けられる。
描いた事はある、奴隷時代、空腹を紛らわせる為、壁にこっそり炭でリアルな食べ物の絵を描いてそれを食べている気になり空腹を誤魔化した事はある。
だが、その様な物と今回描く物とは訳が違う。要望を聞きそれを絵にするなどした事が無いし、出来るか自信が無い。
でも、ココで絵が描けないと言えば、主人が困り悲しい表情と感情を持たれるのは必至、それだけは避けなければならないとの思い至る。
「絵は・・描けます」
その言葉を聞き主人の嬉しそうな表情をみせ、温かい嬉しい感情が身に流れ込んでくる。
その感情に身をゆだねているだけで幸せな気分になる。
同時に精神力が一気に跳ね上がり習熟していく。
体を共有している神の領域にこの幸せな気分が広がって行き神の精神も回復し目を覚ます。
視界に神(リムの姿)が姿を現す。
『う~ん心地よいだえ・・・お主、少し精神力が上がっているだえな。
よしこれなら、わっちの回復と領域をもう少し確保出来そうだえ・・・』
「じゃ~リム頼んでいいか!、サジュラの要望聞きながら下手でもいいから絵にしてやってくれ。
絶対俺より下手な奴はこの世に居ないと思うから、頼むな」
数十枚の無地の紙と鉛筆数本をシアキは魔素で掌に生成し持つ。
その一枚の無地の紙と鉛筆をリムに渡し自分も鉛筆をもつ。
「じゃ~ちょっとリム、シャボちゃんを雑でいいから描いてみてくれ、俺も描いてみるから見せ合いっこしよう・・・」
渡された無地の紙にスラスラとシャボちゃんを見ながら絵を完成させる。
両者は描かれた物を全員に見せる。
一つは、幼稚な、奇抜な、何処をどう見たら、シャボちゃんに見えるのか?いくら何でも似せる気が無いのかとツッコミたくなる様な変な絵だ。
もう一つの絵は、完璧に模写された絵だ。誰がどう見ても、これは紛れもなくシャボちゃんだと言う、そう言える絵だ。
完璧な方は勿論リムの絵だ、奇抜過ぎる絵は言うまでも無いシアキの絵だ。
そのシアキの絵を見て全員自分でも、もう少し似せれると思い、そして同時にリムの様には描けないと思うのであった。
その絵を見ていたフェンラが真っ先に吹きだしてしまう。
「ぷふぁははは、何じゃ何じゃそのシアキ殿の絵は!凄い独創的じゃな。
笑うつもりはないのじゃが・・・・ぷふぁはははもうダメじゃ腹がよじれるのじゃ・あははは」
並べている自分の絵とリムの絵を見比べてシアキは苦笑いを浮かべる。
「う~ん、やっぱり絵心無いな・・・。
しかし、リムは凄いな~お前絵師になれるんじゃないか!。これだけ絵が上手なら、この才能は伸ばすべきだぞ」
真剣にそうすべきだと言い寄られ、一歩後ずさり照れた表情を見せクネクネしだす。
感情を表に出し、照れているという仕草迄も付けているリムの姿を見るのは初めてだと思い、ルルは畳み掛けるように言葉責めをして褒め殺す。
「そうだね~そのリムちゃんの絵は完璧だよね~うんうんシアキの言う通りその才能は伸ばすべきだよ~。
やっぱりシアキが選んだリムちゃんは才能溢れる子なんだよ~。ね~シアキもそう思うでしょ~」
ニタ~っと悪戯っ子がする表情を見せているのでこれは褒めて揶揄おうと思っているのだろうと察しがついた。
実際ここまで感情を出し照れている仕草を、素で見せて欲しいと思っているので、この機会にルルの悪戯に便乗する。
「ん!そうだな~俺の自慢のリムだからな。
これ位は出来るんだよ、俺の出来ない事はリムが全部やってくれてるから助かるよ。
料理も洗濯も買い物も絵も上手だし、しかも神と共生生活もしてくれるし、戦闘中はちゃんと俺達の役にまでたってくれるからな、もうリム無しの生活は俺は考えられないだろうな」
顔を真っ赤っかにし、持っていた絵を胸元に押し当てて、より一層リムは照れた表情を見せクネクネする。
それを見ているだけで心が温かいホッコリした気分になるシアキ。その感情を感覚共有でリムに伝わり、より一層デレ~っとした表情を見せる。
もう主人の声など届いていない様子で、照れまくり耳まで真っ赤になりクネクネし続けている。
自身のデザインした受付嬢専用の片眼鏡が手に入る事が確定したサジュラは少し興奮した感じで、リムに向けて、任せる事を伝える。
「リムさん絵の方、宜しくお願いしますね。
あ~私は何て幸せな受付嬢何でしょう~自分の思い通りのふふふ」
今迄自分の世界に行っていたリムは、サジュラの声を聞き我に返り、慌てていつもの表情に戻り一礼をし返答を返す。
「あ!はい、微力ですが、お手伝いさせて頂きます」
その全員のやり取りを見て、職や種族の身分等関係なく仲間達がこうして和気藹々してくれている事に、シアキは更なる温かいホッコリした気持ちになる。
その温かい感情がリムにも伝わり、主人の幸福感がある一定値を超え、リムの奴隷としての習熟度が少し上がり、新たな能力が追加され、精神力も上昇する。
それに合わせ リムの視界の片隅に映るリムの姿をした神が跳ね上がり喜ぶような行動を見せる。
『お~何だえ、お主、また精神力が上がっておるだえな。
よし!分かったぞお主の精神力の上げ方が!・・ふふふ、これなら、共有領域を更に快適に出来るかも知れぬな。
よしよし、わっちの為に、お主は、もっともっと主人が喜ぶ事をするのだえ、そうすれば、お主の精神力は、どんどん上がるに違いないだえ』
『はい、神様、私もご主人様が喜ばれている時の感情は大好きですので、もっとご主人様には、喜んで頂けるよう頑張ります』
『では、しばらく、わっちは回復と精神領域確保の為、引っ込むだえよ。
余程の緊急事態でない限り、わっちを呼ぶでないだえよ』
『はい、神様』
視界に映っていた自分の姿をした神は、くるっと回転するとその姿を消し去った。
素に戻ったリムを見て、ルルはもう少し照れている所を見たかったっと思いながら、ふと忘れていたシアキの絵が視界に飛び込んでくる。
一旦笑うのを我慢していたが、再度その絵を見ていると、笑いが再沸し込み上げてくる
そして笑いを堪えきれず吹きだしてしまう。
「ぷふ・・その絵・・ぷふ・・もぉ~似せる気全然無いよね~。
ぷふぁはははも~可笑しすぎる~もうダメ~あはははは、もうシャボちゃんが・・ぷふぁははは」
姉の笑いにつられ、レレも笑うのを我慢していたが我慢の限界で吹きだしてしまう
「ぷふ、ふふふ、ふふふふ、すみません、お義兄様!流石に笑いを堪えきれませんわ。
それ全然似てませんもの・・ぷふ、ふふふ、ふふふふ、・・駄目ですわ。
見れば見る程笑いが込み上げてまいりますわ、その絵は破壊力抜群ですわ。
ですが、その絵も一応お義兄様の物ですし私が収集させて頂きますわ。ぷふ、ふふふ、ふふふふ」
笑いながら話すレレを見てルルは本当にこの子が笑ってるのを見れるとは思わなかったっと思いながら、一緒になってシアキの絵を見て笑っている。
自分を描いた絵を回収されると聞き、慌ててシャボちゃんは自分の居場所である食事場所兼寝床から抜け出て、トコトコトコとシアキの前に立ちレレの方を向き両手を広げてみせる。
「ダメ、コレは、シャボちゃんの!
シアキが、シャボちゃんを描いてくれたのだぞ。
それシャボちゃんのご褒美として貰う。
シアキそれ欲しい、シャボちゃんの宝物にする、だからシアキ頂戴、それ頂戴」
くるっと向き直り両手を突き出し頂戴頂戴とシアキの前で跳ねて見せる。
同じ対象物を収集すると言う、この劣等種であるモンスター如きに奪われてなるものかと張り合うようにシアキの前に立ち、レレも手を差し出し絵を欲しいと訴える。
「駄目ですわ。お義兄様の物は全て、私が収集するのですわ。
ですので、それも、私の物ですわ。お義兄様、それを、私に収集させてくださいませ」
両者譲る気はないと手を差し出した状態で睨み合っている。
ご褒美と言う単語が、シャボちゃんの口から出るとは思っていなかった。
確かに、この生活でシャボちゃんにはご褒美と呼べる物品をあげていない。
こんな物で良いのかとも思うが、本人は欲しがっているのであげるべきだと思うが、レレの態度を見る限り絶対譲る気は無さそうで、シャボちゃんに渡したら絶対に愚痴りそこら辺を破壊してでも手に入れようとするだろう。
正直こんな恥ずかしい絵を他者の眼に触れるのはどうかと思う。
だがココで収集出来ない苛立ちを持たれたままでは、後の行動時に突かれて、グチグチ文句を言われかねない。
そうならない為には、レレの似顔絵でも描いてそれを特別に収集さるのでこのシャボちゃんの絵は諦めるようにと納得させる他ない。
恐らくレレは収集した物は、あの乱雑な自室に放り投げるだけだと思われるので、渡しても他者の眼に触れる危険性は少ないと判断出来るので安全だ。
「そうだな、まだシャボちゃんには何もご褒美上げてないもんな、コレは、シャボちゃんにあげなきゃだな。
でも飾ったら駄目だぞ、恥ずかしいから後でシャボちゃん専用の宝物入れを作ってやるから、それに保管して見たい時はこっそり見るんだぞ。
そしてレレにはお前の似顔絵を描いてやるから、今回コレはシャボちゃんに譲ってやってくれ、頼む」
そんなご褒美があっていいのかとルルとフェンラは思う。
頭を撫でる行為を自分達のご褒美として密かに楽しんでいたのに、直接的に物を与えるご褒美は今後他にも応用が効くと瞬時に思い至り、下手な絵だが手に入れて今後の布石としようと両者は考え行動に移す。
「シアキ!それなら私にも描いてよ~そのご褒美私も欲しい~私も頑張ったからご褒美欲しい~部屋に飾るから~頂戴私にも~」
「そうじゃぞ、シアキ殿、そんなご褒美なら我等全員分、描かないと不公平じゃ、我も欲しいし部屋に飾って皆に自慢するのじゃ」
全員分の似顔絵をこんな絵心の無い自分が描いた絵を部屋に飾り、他者の眼に触れさせ笑われている光景を想像しただけで、寒気を感じブルっと身震いをしてしまう。
そんな羞恥地獄は絶対味わいたくないので、却下だ。
「何でそうなる!それは無しだ。そんなの褒美どころか、俺への罰でしかないだろ、それ!。
お前達、俺の絵心を見て分かるだろう。こんなの飾られた日にゃ、俺は「恥ずかし死」してしまうわ」
そうこうしているとレレの似顔絵を描き終える。
どこをどう見ても、本人には似てはいない。寧ろどのパーツが鼻で目で口なのかと言う似顔絵が出来た。
その奇妙な似顔絵をレレに渡す。
「・・コレは酷いですわね・・・全く似てませんし、本当にコレは、私の顔ですの?・・・まぁ~一つ収集出来たから良しとしますわ。
私は、この絵を飾るなんて事はしませんわ。
きちんと劣化させないように、時間凍結して時空に放り込んでおきますわ」
早速空間接続してその中に放り込む。これでその絵は誰の目にも触れさせないでくれよと願いながら話題を替える。
「よし絵の件は終わり終わり。
サジュラの片眼鏡の件はリムに任せたぞ!後でサジュラに付き合ってあげてくれな」
「はい、ご主人様」
絵を貰えないとルルとフェンラが文句を言っているが無視しながら少し騒がしくしていたので、ビデアが物音を聞き目を覚ます。
夢の中でも何かしらを食していたのだろう。 上体を勢いよく起こし、大声で叫んだ。
「ぷふぁ~それ私が育てたお肉で・・す・・・あ!、あれ?・・焼肉パーティーは?」
寝ぼけている様子で、辺りをキョロキョロし状況を把握しようと努めている。
全員その行動を見て少し笑ってしまう。
「あはは!起きたかビデア、夢の中の焼肉パーティーはもう終わったぞ。
今度ちゃんと現実の焼肉パーティーをしてやるからな楽しみにしてろ。
さて寝ぼけてる所、悪いんだが・・、シャボちゃん、魔導書をビデアに渡してくれ。
それが色を付ける魔法だ、動けそうなら・・・ってまだ無理そうだな!少しゆっくりそこで休んでろ。
ルル!すまんが、ラフェル達を回復させてやって、トカゲの肉の事をラフェルに伝えておいてくれ。
リムとサジュラは先にお昼の用意しててくれ、シャボちゃんも二人が困ってたら手伝ってやってくれ。
よしフェンラ少し早いが昼前迄時間あるし、邪眼の修行に行くぞ!。
レレは俺達の回復要員として今度は着いて来てくれ」
各々指示通り行動を開始する。
食事担当のリム、サジュラ、シャボちゃんは台所に向かい。ルルはラフェルの部屋に向かい。
修行しに行く為、お風呂へ向かう為の扉を空けリビングから出て渡り廊下から飛び降り玄関前にフェンラ、レレ、シアキは向かって行った。
--- 73話目のみの後書き----------------------------------------
73話目最後まで読んでくださりありがとうございます。
どうでしたか?楽しんで頂けたならうれしいですが。
---余談---
意外な絵の才能を秘めたリム。
その才能を発揮しキャラ達の似顔絵と全身を描いて、私に見せて欲しいと切に願います。
リムさんの絵拝見したいです、ハイ。っと思う作者です。
では、次74話目で、お会いしましょう。




