---56--- 拠点 お風呂造り 2
表に出てきたルルを確認しフジイデ王国の加護者を務める、ルル大好き腹黒レズっ子の「セ」の一族の「セ・セガミル・ララド」は、自らに課せられた仕事を成し遂げた事に、誉めてっと言わんばかりに満面の笑みを向けながら手を振っている。
「リリルルフェ様、どうですか~これ位の岩で良いですか?」
「う~んちょっと小さいんじゃない?」
玄関前に浮かせ置かれている巨岩を見ながら、もう少し大きい物を期待していたルルは、小首を傾げ右手を頬に当てて悩んでいる。
このままでは、きっとこの空間を埋め尽くすような、もっと巨大な物をこの場に持って来られると悟ったラフェルは十分な大きさである事を伝える。
「ルルちゃん、コレ十分大きいですって、でもどうするんですか?コレを?」
「ん~・・・。
シアキは巨岩を刳り貫いてお風呂造るって言ってたから~適当位置に横にして置いて~階段でも造って~上部を幾つか刳り貫いて~お湯を溜めれれば良いんじゃないかな~。
私はいつも術で体は綺麗にするから・・・お風呂の構造とかあまり知らないけど、シアキの造ったお風呂場みたいに、周りから見えないようにして、水が溜められれば良いと思うんだけど~違ったかな?。
丁度この岩を横にすれば~周りからは見えないだろうしね~後は適当に屋根とか付ければいいんじゃない?」
腕組みをし小首を傾げながら凄い事をさらっと言っている。
巨岩を刳り貫いた巨大なお風呂を造ると言っている事に仲間全員少し驚きを隠せないでいる。
「ははは、ルル殿それは豪快じゃの~。
毎日お風呂に入るのがシアキ殿の一つの目的とは聞いておったが、このような巨岩を刳り貫いいて作るとは想像しておらんかったのじゃ。
これが完成すれば、この世界一高い個所にある風呂・・いや天空風呂となるじゃろうな。
益々シアキ殿とルル殿の豪快さに惚れ直すの~。
じゃが、こう大きいとなると問題は水を湯にする方法じゃな」
この世界に来てお風呂に入るのが目的の一つだと知り思わずビデアは笑ってしまう。
「あははは、マムラさんはお風呂に入るのが目的の一つなんですすね。
でしたら、先程マムラさんが、やろうとしていたのと同じ方法で水をお湯にすると言うのを私がしますね。
私の場合は魔聖素で熱線を作る事に成りますが、恐らく問題はないと思います」
もう先程までの凹んでいた仲間達の姿は無く、全員目を輝かせ、やる気を見せている。
「じゃ~取敢えず~周りのゴツゴツしたのを取っちゃうね~。
あと造る前に皆の要望とか教えてよ~。
そして造り終わったら、シアキが寝ている間に全員で入っちゃおうね~」
少し巨岩に触れた瞬間、変な過重の掛かる術が掛けられていたが気にせず一瞬で解除し、ノリノリでルルは巨岩を空中高く投げ飛ばし浮かせ周りのゴツゴツした部分を綺麗に削ぎ落し消滅させる。
そしてビデアは一緒に入るという事は、この透明で骨格が丸見えの体を、この者達の前に晒さなければならないとの事になるのだと思うと湯鬱になる。
また自分自身で見るだけでも、こんなに嫌悪感が生まれ凄い不快な気分になり無表情になって強張ってしまうのだから、この者達に、その不快な思いをさえ心に傷をつける事は仲間を傷つける事に繋がると勝手な解釈をし、一緒に入る事は、いけない事だと自己完結させる。
「あの~すみません、私はお湯を沸かすのを専門でさせて頂きます。
別に腐敗臭がするとか何か汁が出るとかは無いのですが、皆さんと一緒の浴槽に入るとこの醜い体を見せる事になり、不快な気分にさせてしまいますので、ご一緒に入るお風呂は辞退させて頂きます」
申し訳なさそうに俯きながら、身体的特徴を理由に自己が醜い存在で有ると決めつけて一緒に入らないと言っているその姿が、どうにも仲間として許せない。
「何言ってるんですか!ビデアちゃんはもう私達の大切な仲間なんですよ。
そんな容姿の事なんか気にしないで良いんです。
寧ろ今後そんな後ろ向きな考えはしないでください。少し私怒りますよ。
シアキさんなら、お風呂に入るなら同性で一緒に入れるようにしなきゃ駄目と怒るのは目に見えてますし、ビデアちゃんが体を私達に見られるのが嫌だって言うなら、専用の浴槽を刳り貫いちゃえば問題無いですよ。
それにですね~死霊族で、朽ちて体が腐ってても、骨格が見えていても、私達は仲間になった方を醜くいだなんて思う人は誰一人いませんよ。
お湯に浸かっても、体に何ら影響がないなら一緒に楽しく入りましょうよ、ね、ビデアちゃん」
最後優しく手を指し伸ばし一緒に入ろうと誘う。
その姿を見てフェンラも続いて入ろうと手を指し伸ばしながら誘う。
「ラフェル殿の言う通りなのじゃぞ!。
我の容姿の方が、よっぽど皆を不快にさせそうではないかの~。
ほれ、眼は三つもあるし、鱗に角に尻尾まで有り、おまけに爪もこんなに鋭いのじゃぞ。
ビデア殿、あまり気にせず、一緒に入れるなら入ろうではないか」
二人の誘いの手を取るべきなのかまだ迷っているのを見かねてエラルが畳み掛けるように話す。
「そうですよ、私なんて見てください、見た目が獣ですよ。
あ!ルルお姉さんすみません、獣人用のお風呂を別で造ってもらえますか?。
私は見ての通り全身毛むくじゃらですので、水に入ると毛が抜けてしまい、皆さんの体に私の毛が付着し不快にさせてしまいますので、お願い出来ますか?」
「ふふふ、じゃ~今後仲間が増えるだろうし幾つか工夫を凝らした浴槽を刳り貫いちゃえばいいんだね~分かったよ~。
それにビデアっち、そんなに悩まなくていいんだよ。
一緒に入ろよ~、ね~皆」
その同意を求める言葉に対しビデアと神降ろし中のリム以外の仲間全員「そうだよ、入ろう」っと言いながら頷いて見せる。
そしてシャボちゃんは湿気が多い所が苦手なので、入らない事をラフェルに告げる為、行動を起こす。
「ラフェル、ラフェル」
目線を合わせる為屈み、頭をよしよしと撫でならがどうしたのかと尋ねる。
撫でられている部分だけ棘がフニャフニャになっている。
「ん?、どうしたの~」
「シャボちゃんは湿気多い個所苦手、だからお風呂入りたくない」
そう湿気が多すぎるとこのモンスターは駄目なのである。
「そっか~、じゃ~シャボちゃんは入らないで、今後はお風呂の時はリビングの自分の居場所で待機しててね」
「うん、そうする。
流石ラフェル、シャボちゃん、ラフェル大好き」
すっかりシャボちゃんは、ラフェルを信頼している様だ。
でも、大好きと言うわりには、まだシアキが撫る時の様な全身の棘がフニャフニャになる事は無いのかとラフェルは思うのであった。
「ははは、シャボちゃんは、すっかりシアキとラフェルちゃんに懐いてるね~。
う~ん、さてと、コレどこに置こうかな~・・・」
巨岩を右手人差し指で指差しなら、プカプカと宙に浮かせている。
神降ろし中のリムが、皆の前に出てエッヘンポーズをし、この場に居る女性陣の大半に有効な破壊力のある提案を告げてくる。
「神族の娘、それの設置場所は、わっちが指示してやるだえ。
この個人露天風呂の後ろにするだえ、上からお主達のリーダーの入浴姿が覗き放題だえよ。
お主達はあの男に惚れておるのだえ、ふふふどうだえ、創造主である神様である、わっちのこの粋な提案は、破壊力があるだえ。
さぁ~崇めて良いだえよ~さぁ~崇めるだえ、凄く良い提案をしてくださりありがとうございますと崇めると良いだえよ~」
そう言いながら神降ろし中のリムが更にエッヘンっと腰に手をやり威張った様な恰好をしてみせる。
この神は何という破壊力満載の提案をするのだと思い、ラフェルとフェンラは赤面しハハ~っとひれ伏しそうになる。
「ははは、それ私も考えたけど~・・・まぁ~いいや置いちゃうね~。
ふふふ、シアキの入浴姿を上から覗き放題って思うだけで、俄然やる気出てきたよ~。
どうせこれが出来たら個人露天風呂の方は使わなくなると思うだけどね~あははは」
少し悪びれた様子を見せ個人露天風呂の後ろに長さ六十メートル高さ三十メートル程度の巨岩をそのまま家屋横に設置する。
岩の重みで地面に数メートル埋まっていったので相当重いものだと分かった。
そしてルルの最後の言葉を聞き、ラフェルとフェンラは肩を落とし、少しガッカリした様子を見せる。
「じゃ~ララちゃんは、ここまでね~。絶対何もしないでよ~力加減とか出来ないんだから~、じっと待ってなさいね~。
じゃないと、一緒にお風呂には入いらないからね~。
フェンラちゃん武装形態引き上げて個人露天風呂辺から階段を造ってくれるかな~。
ラフェルちゃんは皆に指示出して階段に続く屋根とかお願いね~。
あとシャボちゃんは、リビングに戻って、シアキが起きて来たら、外に出ないでって伝えてくれるかな~。
私は幾つか浴槽になる物を刳り貫いてくるからね~、皆作業が終わったら上に来てね待ってるから~。
あ~何だろ~他種族で一つの物を造るのって結構楽しかも~。
さぁ~皆~シアキをたっぷり驚かせようね~ふふふ」
他種族で一つの物を造る事の楽しさに目覚めた子供の様に目を輝かせ、全員で掛け声を出し各々作業に移る。
少し不満そうな顔をしているララドは、これが終わればルルと裸のお付き合いが出来ると思うだけで、顔が緩むのであった。
巨岩に仲間全員、各々出来る範囲で協力し合い風呂造りを楽しんでいる。
浴槽造りはルルが担当している。
岩の一部を打撃で階段状にした階段造りをするのをフェンラが担当している。
階段に屋根や脱衣場所となる小さな小屋を造る事をラフェルが担当している。
森から分けてもらった枝と板状に、魔聖素で加工するのをビデアが担当している。
加工された木材を運ぶのをアイが担当している。
皆の連絡係兼雑務は、聴力を生かしエラルが担当している。
残りの神降ろし中のリムと、ルル大好き腹黒神族ララドの話し相手をサジュラが担当している。
そしてシャボちゃんは家屋内のシアキの部屋に近い床を刳り貫かれた自分の居場所で待機している。
まずルルは最初に一メートルを淵として残し、内部を三十センチ程刳り貫くき、浴槽に入れば目張りに成る様にする。
これでもちゃんとルルは考えながら造っている様だ。
そして今、ルルは鼻歌を歌いながらノリノリでものの数秒程度で天空露天風呂となる六つの浴場を造りあげた。
一つ目の浴槽は、深さ一メートルで内部を階段状に刳り貫き縦四メートル横六メートル程の浴槽を造りあげた。
二つ目の浴槽は、深さ一メートルで幅三メートル擂り鉢状に徐々に水深が深くなる浴槽を造りあげた。
三つ目の浴槽は、外周を囲うように深さ二メートル、幅三メートルの円形状に刳り貫き外周をぐるっと回れる浴槽を造りあげた。
四つ目の浴槽は、中央に巨大な、深さ三メートル、幅五メートル擂り鉢状に徐々に水深が深くなる浴槽を造りあげた。
五つ目の浴槽は、最深部の深さ七メートルで内部を階段状に刳り貫き縦三メートル横四メートル程の浴槽を造りあげた。
六つ目の浴槽は、深さ一メートルで縦五メートル横三メートル程の平坦な浴槽を造りあげた。
思いのほか直ぐに終わり、何故か物足りなさを感じる。
折角の巨岩なので内部にも浴場空間を造ろうと片隅に地下への続く螺旋階段を掘り進める。
ある程度進み、どの辺りに居るかを感知し丁度いい感じの所まで来た事を確認にし内部側に手を当て一呼吸吐くと一気に岩が掻き消された。
何もない空間を見てルルは一つお湯を出す方法を思い付く。
それは、地脈を弄り、お湯を噴き上げさせることを思い付いたのだ。
早速湯の通り道を造る為、岩に手を当て先に作った天空露天風呂にも湯を上げる為湯の道を内部に造っていく。
一旦上に行き新たに一つ湯が吹き上がって来る個所に溜め湯場を造り、それらと連結させるように水路を刳り貫いていく。
「よし屋上はこれで良しっと」
内部に戻り、再度岩に手を当て崩落しないように強化術を内部に施す。
内部は少し斜度を持たせた構造的で作る。
最上部には湯が沸き出す湯を溜めておく溜め湯場を造り、各浴槽は一つ一つに湯を流し入れれる様に水路を造り、それぞれ深さの違う擂り鉢状の浴槽を十個程造りあげた。
明り取り用に横切れ込みを数か所入れ明かりを取り入れている。
「うん、うん、何かいい感じの洞窟にある段違いのお風呂って感じだ~深さも色々用意したし、これで皆入れるでしょうね。
さて、温かい水脈を此処に繋いで、常にお湯を噴き上げさせてあげれば完璧ね!」
そう独り言を言い、瞳を閉じ手を翳し、辺りの水脈を探り温かい温泉源を探しあてる。
「み~つけた!。
よ~し、最後に排水用に流れ出たのを、地下に戻す穴を空けってっと~・・あとは吹き出る個所に合わせて~・・よしココ」
硬い岩のはずなのに、スポンジか何かのように穴をスポンっと気持ちい音を立てて刳り貫いていく。
そしてその穴は地下深くまで届いている。
地下から湯が上がって来る音が響き渡って来る。
そして湯が見事溜め場の穴から少し泥が交じった状態で温泉が勢いよく噴き上がる。
最初勢い良く泥水が吹き上がったが、すぐに綺麗な透き通ったお湯になり水路を通り全浴槽にみるみる湯が満たされていく。
このままの勢いで湯が吹き上がり続ければ、排水が追い付かず内部は水の中と成ってしまうので、ルルは手を翳し、水脈の水量を調整し丁度好い加減にあふれ出てくる様にする。
お湯は、各浴槽を満たし終える溢れる予定の湯が斜度がある最後下のまで行き排水用の穴に見事お湯が流れ込んでいく。
上の天空露天風呂にも排水用の穴を付けなければと思い慌てて内部の岩に触れ排水用の穴を水路に空け湯の量を調整する。
「ふ~危うくお湯が駄々漏れに成るとこだった~。
しかし調子に乗って作ったら凄く良い感じになったわ~ふふふこれで多分シアキ凄く喜ぶだろうな~。
あとは拠点から入れるように横に穴を開けちゃおっと。
足場が岩だと味気ないから、ラフェルちゃんに木で足場を拠点と繋いで貰えば、これって完璧じゃない、ふふふ私お風呂造りの天才だねきっと。
・・・って神族なのに、こんな繊細作業が人差し指一本や手を翳すだけで出来る私ってやっぱり凄いわ~。
まぁ~これもシアキのお陰だな~ふふふ、何だろ~また習熟度上がったかも・・・」
この楽しさはシアキの人柄にどこか惹かれた者達でないと味わえないものだ。
階段を製作している他種族達が楽しそうに作業をしている姿を見ていても、何らララドは楽しさを覚えないし興味をも持てない。
だが、この後ルルと一緒に裸の付き合いが出来るかもという事だけが楽しさとなり待機中、妄想の世界で楽しんでいる。
各々作業をし、外から上がる階段も見事上まで刳り貫かれて、刳り貫かれた個所に合わせて、木が嵌められている。
階段の左右に間隔を空けて木の支柱が埋め込まれ、それを柱にログハウス風の屋根が上まで造られている。
こんな短時間なのに立派な物が出来上がっている。
階段と屋根等を造っていたフェンラとラフェルは、終点先の屋上に辿り着く。
既に完成している天空露天風呂を見て驚愕している。
そこにはもう浴槽に湯が貯まって湯気が出ているのだ。
「ははは、ルル殿、湯まで何処からか調達して来たのじゃな」
「そうみたいですね、あそこから湯が出ているので、恐らく水脈を弄って繋いだんじゃないかな~、流石ルルちゃんだね~。
う~んここにも椅子とか休憩出来る物が欲しいですね。
屋根は流石に要らないですねコレ」
天空露天風呂には浴槽が全部で六つと湯を溜めつ物が一つあり各浴槽を繋ぐ水路等が張り巡らされている。
内部は一段下げられているので休憩所と長椅子数点を、階段の造りと同様、木でラフェルはものの数分で完成させる。
「よし、完成、エラルちゃん、シャボちゃんは呼ばなくて良いから、残りの仲間全員上がって来るように伝えてくれるかな~」
この場に居ない獣人のエラルに向け皆を呼ぶように少し声を上げて伝える。
一見すればただの独り言だが、獣人の聴力をもってすれば、この距離位であれば少し声を張り上げる程度で十分伝わるのだ。
数分後、仲間全員が天空露天風呂がある個所に上がってきた。
一人ララドだけは、ルルの許可が無い限り此処からは動かないと言いその場に残ったと聞かされた。
「ところで、ルル殿は何処に行ったのじゃ?」
「そうですね~見当たりませんね~」
仲間全員で辺りを見渡し姿を探すが何処にも姿は無かった。
聴力の良いエラルは耳を澄ませる。
巨岩の内部から水が通る音に交じって、微かに音が聞こえてくる。
「内側から微かですが、水が通る音に交じって声がします」
「え!まさかルルちゃん・・・兎に角入口が無いか皆で探しましょう」
この広い屋上に内部に続く入口が無いか全員で探す。
片隅に地下へ続く螺旋階段が掘られているのをビデアが発見する。
「皆さんここに螺旋階段が有ります」
その階段を降りるとだんだん湯気が立ち込め湿気が増してくる、内部は凄い湿度が高く少し息苦しさを覚え空間になっていた。
明り取りの隙間はあるが、夜目の利かない者にとっては暗く全容を確認する事が出来ない。
最奥に光源球を浮かせたルルが満足そうに腰に手を当て立っていたが階段のある個所からは遠いのでここまで光源が届かない。
夜目が効くフェンラとアイとエラルは少しの光があれば暗闇でも昼間のような感覚で辺りを見渡せる。
夜目が左程効かない、ラフェル、ビデア、サジュラ、リムは必至に目を凝らしどうなっているのかを必死で探る。
「何じゃルル殿、内部も刳り貫いたのじゃな。しかし凄いのこの細工は・・圧巻じゃの~まるでどこかの洞窟じゃな」
「凄いですね~これはシアキお兄さんが見ればきっと吃驚されますね~」
「でも、シアキ様は夜目が効か無いのではありませんか?。
もう少し明り取りを大きくし明かりを取り入れた方が良いかと思いますが?」
階段側から話す声が聞こえて来たので、ルルが天井に大きな光源球を出現させる。
辺りが昼間のように明るく照らし出される。
「あははは、皆~来たんだね~。
もう階段の制作は終わったの~?。
いや~私何だか楽しくなっちゃったから~中にこんなの造っちゃったよ~。
ラフェルちゃん、拠点から直接入れるように横を今から刳り貫くから、足場の接続とかお願い出来るかな~。
それが終わったら皆でお風呂入っちゃお~一応お湯も地脈弄ってお湯を出してるしさ~。
ふふふ、これで上と下でお風呂が出来たし男女別々で同じ時間に入れるよ~。
そして頃合い見てシアキの方に雪崩れ込んで、混浴しちゃおうね~」
「もぉ~ルルちゃん絶対駄目ですからね~。
私はシアキさんにお姫様抱っこされただけで嬉しさのあまり気を失ったんですから、混浴の事実を教えるのは、もう少し待ってくださいよ」
恥ずかしそうに、でもシアキが居ないので女子トーク出来る様に迄ラフェルはこの短い期間で成長したのだ。
「我もその・・・鱗がある状態の肌は、まだシアキ殿には見られとうないのじゃ。
シアキ殿と混浴するなら武装形態の第一形態に成れたら考えるのじゃ。
それよりも、まずはお風呂の作法を全て覚えるのが先決じゃぞ、ルル殿」
「そんなのはラフェルちゃんかサジュラっちに聞けばいいんだよ~。
取敢えずこのままだと湯気で息苦しいから、横を刳り貫いちゃいたいんだけど~どの辺を出入り口にしたら良いかな~。
・・・あ~もう熱気ムンムンだ~熱いもう先に換気用を数ヶ所空けちゃお~!」
作業の為浮遊術で浮き上がり、天井付近の横面に空けた明り取り用の隙間を更に拡張し窓のように数ヶ所刳り貫く。
大きく開けたので湯気がそこから逃げて行き、同時に新鮮な風も入り中の室温と湿気が一気に丁度いい感じになる。
天井付近にプカプカ浮いているルルに向かいラフェルは声を掛ける。
「ルルちゃん、下着丸見えですよ~。
もぉ~シアキさんが居ないし、此処に居るのが同性だからって駄目ですよ。
あ!駄目です、アイは両性何ですよ!。 早く降りてください。
あと横を刳り貫くなら何処でもいいですよ。
ソコを起点に家を改造し足場を繋げちゃいますので」
「ホントラフェルちゃん、これは布だよ布、それに仲間には見られても良いんじゃないの?。
そこの所が私まだイマイチ理解出来ないのよね~。 アイっちは両性だから別に良いんじゃないの?」
ゆっくり仲間の上空迄近づき降りてくる。
「もぁ~ルルちゃん!女の子は恥じらいが大切って教えたでしょ~」
少し頬を膨らし怒ってるんだぞと言う感じで言われてる。
この行動が出た時は、素直に謝るのが得策だとこの生活上把握済みなので、一応謝って見せ、すぐに話題をすり替える。
「は~い、分かった~ゴメンね~次は気を付けるよ~。
じゃ~横を刳り貫いちゃうから、ラフェルちゃん足場接続お願いね~」
謝った後、感知をしながら移動しリビング横の壁辺りである事を確認し横に人が入れる大きさの穴を刳り貫く。
刳り貫くと言っても三メートル程の厚みがあるのだが、本当にスポンジのように刳り貫かれた、刳り貫いた部分を一瞬で塵にして消滅させている。
その刳り貫かれた先は丁度リビングがある辺りであるとラフェルは判断する。
さも偶然リビング横を刳り貫いたと思わせる為、少し驚いた口調で話す。
「おぉ~、丁度リビングの横辺りだよ。
ね~ラフェルちゃん、リビングに扉を造って此処と繋げれば、食事後お風呂に直行出来るし~、シアキ喜ぶと思わない?」
「それ良いですね。
では、ちゃちゃっと扉と足場を造りますので、フェンラちゃん余っている板を持ってきてください。
私は今から家を少し切って扉を造ってしましますので」
手から腐食の炎を出し、躊躇する事なく家屋を切って刳り貫いていく。
刳り貫かれた木材をそのまま扉に利用する為、そっと元の形になる様に並べて床に置き、室内に飛び移り鉄の部屋と言われている部屋にラフェルは入っていった。
その間にフェンラが外から余った板を全て運び入れる。
数分後、手に数本の大きな釘とそれに見合うような蝶番や取っ手にぴったりな可愛らしい物を持ち戻って来る。
器用に刳り貫いた壁を繋ぎ合わせ数ミリ削り焼き切り、蝶番と取っ手を付けて釘で家屋に扉を固定させている。
実に簡単にものの数分で見事な扉が完成した。
次にフェンラが運び入れてくれた板を刳り貫かれた三メートル程渡り廊下部分の岩場と家屋を繋ぐように段差が生まれない様に板を敷き詰め腐食の炎で一つ一つ板と岩に穴を開け木で釘を造り撃ち込み固定する。
余分な出っ張った部分を平らになるよう全て腐食の炎で焼き尽くし見事な渡り廊下が完成した。
「ふ~こんなもんですね、では汗を掻きましたし、皆でお風呂に入りましょう。
アイは性別が決まってないから後で入ってね。
あ!中にも脱衣する場所が必要ですね。
そうだこの厚みなら脱衣場所作れますよね、少し此処を刳り貫いてください、ルルちゃん」
そう言い渡り廊下の三メートル程ある厚み部分を指差しルルに指示を出す。
その指示に従い、高さ四メートル幅二メートル奥行三メートル程縦長に刳り貫く。
「これで良いかな?」
「はい、ありがとうございます。床材が足りませんね、少し作ってきますね」
楽しそうに渡り廊下から飛び降り、木材置き場に向かい直径で三十センチ長さ三メートル程の森から分けてもらった枝を数本渡り廊下近くまで運んでくる。
その場で板に成形し次々脱衣所空間に運び入れ床を造っていく。
「う~んこの大きさの扉は難しいですので、上は無しで良いですね」
寸法など正確に測っていないにも拘らず、上部二メートル下部十センチ程の空間が開いた状態の高さ二メートル幅一メートルの観音開きの扉を数分で一人で造り上げた。
「上から覗くと言う事はシアキさん紳士ですので、覗きはしないと信じ、これで完成です。 我ながら良い出来ですね」
腕組みをしながら少し扉から離れ、うんうんっと首を縦に振って満足そうに納得している。
何か手伝おうかと声を掛ける暇もなく見事な扉が自分達の前で造り上げられたことに仲間全員少し自分達が殆ど何も出来ない事に気づくのであった。
「ラフェルちゃんって職人だよね~感心するよ~凄いね~」
「本当じゃの~、ラフェル殿には頭が上がらぬの~。
階段の時も我はただ削りだす事しか出来ずゴツゴツしておったのに、あんな見事な階段と屋根を短時間で造ってしまうのじゃからの~。
おまけに料理でシアキ殿の胃袋を掴んでおるし、益々ラフェル殿にシアキ殿が惚れてしまわぬか心配になってしまうの~」
「流石第二婦人候補のラフェルお姉さんですね。 私は今回も全く役に立てませんでした・・・」
「もう皆さん不思議と、マムラ様のお嫁さん候補の話をされますよね?何故そう言う話になるんですか?」
仲間達の話しに着いて行けない受付嬢のサジュラと死霊族のビデアはもう訳が分からないと言う表情を見せる。
「ははは、サジュラっちもシアキの事は好きでしょ~。
ふふふ、ビデアっち~そんな混乱した顔しないの~。
此処に居る皆シアキに少なからず惚れてる子が多いのよ~。
私もシアキが好きな一人だよ~。
そして何と何と~シアキは全種族の子と結婚するのが目標の一つなんだよ~」
凄いゆるい態度でパーティーリーダーであるシアキが全種族と結婚を考えていると告げてくる。
その言葉に即座にラフェルは反応し訂正を入れてくる。
「もぉ~駄目ですよ、ルルちゃん。
そう言う誤解を招く言い方は、今後止めましょうよ。
あのね、サジュラちゃん、ビデアちゃん、シアキさんは個人的な目的と言うのがあるんですよ。
それが全魔法を使うと言う事なんですが、戦闘奴隷を抱えるには金銭的余裕が無いので無理だと分かり、他の案で現実的だったのが全種族との結婚っと言う話しが出ただけなんです。
今のシアキさんなら、全魔法使用はそんな方法をとる必要が無い気もするんで、別に結婚とかは・・・はぅ」
話しの途中で、この子は何を言っているんだと真顔になったルルに頭をペシリっと叩かれた後、ニターっと微笑んで見せられる。
「もぉ~シアキにはそれしか手が無いって教えておかないと私達に興味無くしちゃうでしょ~。 ラフェルちゃんは良いの?シアキと離れ離れになっても?」
そしてこれは悪戯の一環だっと察しフェンラもこれに乗る。
真顔で表情一つ変える事なくペシリとラフェルの頭を叩き、ニターっと微笑んで見せる。
「全くじゃ、ラフェル殿!我は離れ離れに成るのだけは嫌なのじゃぞ。
それに全魔法習得とかの為、結婚する必要が無くなったとしてもじゃ、シアキ殿は既に一国の王なのじゃぞ。 王妃を複数持つのは特に問題ないのじゃ。
我はマムラ王国に国を移して出来れば第三王妃辺りに成れれば良いと思っておるのじゃ」
そのやり取りを見ていた神降ろし中のリムがこれは面白い情報を聞いたと話題に乗って来る。
ついでにラフェルの頭をペシリと叩きニターっと微笑んで見せる。
「あ~お主達は他種族でなんて和気藹々としておのだえ。
あの男は本当に面白い素材だえ。わっちもその話乗っただえ。
面白そうだえ、よしよしわっちのお色気言葉であの男を篭絡してやりたくなっただえ。
奴隷と主人の結婚となれば、この世界の文明レベルを上げる何かキッカケに発展するかもしれぬだえな・・・はぅ」
神降ろし中のリムの頭をルルがペシリっと叩き、目を見開いてじっと見つめる。
「何言っての!そんな事したらリムちゃん本体の精神崩壊に繋がるでしょ。
絶対そんな事をリムちゃん本体の許可なくしたらシアキに頼んで存在消してもらうからね。
仮にリムちゃん本体の意思で結婚するなら、それは進歩って事で、私は歓迎だけど、絶対あなたが唆してとかは禁止だからね。
さぁ~脱衣場所も出来たし、皆でお風呂には入ろ~。お酒も持って入っちゃ~おぉ~」
その掛け声を待ってましたとフェンラは目を輝かせる。
「おぉ~ルル殿その案は素晴らしいの~我も酒をいつ飲むのかとウズウズしておった所じゃ。
よし摘みは、あのトカゲの丸焼きで決定じゃな。
何だか、お風呂とは楽しいものなんじゃな~」
凄く嫌そうな引き攣った顔をし、ルルは後ずさりし、右手人差し指をフェンラに向け抗議する。
「ちょ!やめてよ~フェンラちゃんアレは駄目よ、お風呂にアレは持ち込み禁止~駄目絶対。 ほ、ほら!もっと適したものがあるはずだって~」
ニターっと微笑みながら、ずずーっとルルに詰め寄り、身長差があるので見上げながら話す。
「ふふふふ、ルル殿、一度だけ騙されたと思い目を瞑り食せば分かるのじゃよ。
きっとお酒が進む事、間違いなしじゃで、我が身を解して食べさせるで、食してみるとよいのじゃよ。
エラル殿も、あの丸焼きの見た目が平気じゃったし、アレの美味さは凄かったであろう?。
ルル殿に感想を聞かせてやって欲しいのじゃ!」
まるでこのやり取りが普通のように行われているが、この世界で神族に対しこのような無礼な態度を取る事は絶対にありえない光景なので、ビデアは全部の手を強く握り何時でも防御出来るようにと考えながら固唾を飲んで状況を見守る。
「そうですね~私はもっと素材そのままでお肉を食してますので、見た目への耐性があるので参考にはならないかもですよ。
でも、お肉を食べ飽きている私も、あのお肉は別品だと思います。
複雑な美味しさの波みたいなものが次々襲ってきて、凄く美味しくて、このままお肉の美味さの渦に飲まれんじゃないかと思いました。
きっと、ルルお姉さんも食べれば虜になると思いますよ。
それに、シアキお兄さんの好物を一緒に食べれないのは嫌われる原因になるかもしれませんよ」
ここで、シアキを引き合いに出され三対一で食べるように勧めらている事に気づく。
そしてシアキの好物を食べないのは何だかこの二人に負けた気分になる。
獣人のエラルは、こう言う話をする時は策略や相手を陥れようとする発言をする事なく、無垢で純粋に発言してくるので、たちが悪い。
発言が的確に重みのように、ズシリと心に圧し掛かり何故か納得してしまいそうになるのだ。
「うぅ~、分った~私もお酒好きだし、何よりシアキと同じ物を食べないのは何か悔しいし、我慢して一回、本当に一回だけだからね~食べるのは・・・。
但し、絶対、絶対、目は瞑るし~絶対ちょっとだけだからね、口に入れるのは!。
そこは必ず守ってよ~フェンラちゃん」
この三名の姿を観て、先程のエラルの言葉が心にどんどん浸透し、何だか食べないとシアキに嫌われるかもと言う不安が沸き上がって来る。
「じゃ、じゃ~私も食べます。
私もシアキさんに嫌われるのは嫌ですし、私も目を瞑りますので、口に放り込んでください」
このままでは、ずっと立ち話が続きそうだと察したルルはサジュラの肩に触れ念話をする。
『サジュラっち、さぁ~皆に早くお風呂の入り方とか指示出しちゃって~。皆どうして良いか分からないから話し続けちゃうから~』
その念話を受け此処は自分が仕切らないと駄目だと気づく。
ゴクリと生唾を一回飲み手を軽く叩き注目を自分に集める。
本来最弱の劣等種である人族が他種族に対しこのような態度を取れば睨まれ一瞬で屠られるのだが、手を叩き音を出した事で全員どうしたの的に黙り、優しい視線を合わせてくる。
「はい!皆様。
ここで話していると、マムラ様が目を覚まし起きて来られ、混浴に成ってしまいますよ。
起きて来られる前に、私達は早くお風呂に入りましょう。
此処からは、私が入浴の作法をお教え致しますので、皆様各々お酒なり必要だと思われる物を持参し脱衣場所に集合してください」
全員無言でうんうんと頷く。
いや一人ビデアだけは、百年間この世界生きてきて、元の世界の様な光景が広がっている事に少し感動している。
「あはは、サジュラっちの言う通りだね~じゃ私お酒と食事の残りを此処に持ってくるね~」
元気よく右手を上げこれでもかと背伸びしてみせる。
本来ならここでシアキが突っ込んでくれそうだが、女性陣だけに成ると何も起きないので少しルルは残念に思うのであった。
「では、私は洗面所から入浴に必要な石鹸やタオル、桶や事前に作っておいた椅子等を運んできますね。
ビデアちゃん手伝ってもらえますか?人数分運ぶので少し手数が多いと助かるのでお願いできますか?」
一応入浴経験のあるラフェルは少し考えこの中で最も適任である者を冷静に人選している。
「あ!はい私で良ければ・・・」
そして何故が難しい表情をし腕組みをしながら少し小首を傾げ、パーティー内の頭脳であるフェンラが考え事をしている。
何かに気づき慌てた表情で発言をする。
「おぉ~危うく忘れるとこじゃった!。
ララド殿はルル殿が呼ばぬと動かぬと言っておったでの呼んであげてくれなのじゃ、いつまでも外で待たせるとシアキ殿に怒られるでの~。
我は一足先に、リビングに戻り、丸焼きの肉を解して来るでの、楽しみにしてるとよいのじゃ」
そう言い残し渡り廊下を移動し作ったばっかりのリビングに続く扉を開けリビングに戻っていった。
「もぉ~お肉は正直忘れてて欲しかったわ~。アレを本当に食べるのか~少し憂鬱だな~。
う~ん、ララちゃん何かほっとけばいいのよ、あの子面倒くさいし~」
少し口を尖らせ腰に手を当てふざけた態度でものを言っている。
その行為を見てエラルは、本当は気に掛けているのだと理屈抜きの直感で分かった。
「ははは、ルルお姉さんは、ララドお姉さんの事、ちゃんと気に掛けてらっしゃるんですね。ふふ。
憎まれ口を言わずもっと素直に接してあげればいいと思いますよ。
お友達は大切にされた方が良いとシアキお兄さんも言うと思いますよ」
本当にこの子は心を見通す目を持っているのではないかと思ってしまう。
全員の視線がこちらに向けられているので、何だか呼ばないといけない雰囲気になる。
「はぁ~シアキに怒られるのは、ヤダから呼ばなきゃだよね~。
分かったよ~ララちゃん、おいで~お風呂よ~但しゆっくり物を壊さず来なさい」
少し声を張り上げ呼んだだけなのに、外に居たララドが勢いよく下から渡り廊下に飛乗りやってきた。
「お待たせいたしました、リリルルフェ様。
あぁ~私の愛しのリリルルフェ様と裸のお付き合いが始まるのですね~」
「ララちゃん少し黙ってなさい」
もう正直仲間の前でこの子にこれ以上自分の評価を下げられたくないと思い軽く頭にチョップを入れ痛みを与えて黙らせる。
「はぅ・・あ~この痛み、私は何て幸せなのでしょう」
頭をスリスリしこの痛みを楽しんでいる。 相当なドM要員だと仲間全員ララドをそう評価する。 このままではいけないとルルは即座に察し仲間に指示を出す。
「じゃ~ララちゃんはこのまま脱衣場所で待機してなさい。
エラルちゃんとリムちゃん、ちょっとララちゃんが何か物を壊さないように脱衣場所で見張っててくれる」
「もぉ~またそんな憎まれ口をルルお姉さん。 駄目ですよ。 お友達は大切にしないと。 でも、私は何も役には立てそうにないですし、このまま脱衣場所で待機してます」
「わっちは端から脱衣場所で待つつもりだえ、サジュラ嬢は、またわっちの話し相手をスルだえ」
「はい、ではラフェル様とビデア様が物品を持って戻られる迄、神様との話し相手をさせて頂きます。
ですが、二人が戻られた際、設置のお手伝いをしたいと思いますので、それでも宜しいですか?」
「それで、良いだえ」
全員やる事が決まった。
残る問題はアイが一緒に入らないのかと言う事を確認するだけだ。
最後となった事を悟ったアイは自ら語り自分の行動を皆に伝える。
「それでは私は皆様とは別にという事でしたのでリビングにて待機させて頂きます。
シアキ様が起床された際に皆様が入浴中である事をお話しリビングで引き留める役をさせて頂きます」
そう言い残すと先にリビングに戻って行き、ドア横に位置取り寝ていた時と同じ態勢をとり玉に徹する。
その姿はまるで初めからそこにあった部屋のオブジェのようだ。
渡り廊下付近で話して残っていた女性陣は開いている扉からそれを見て笑いを耐える。
素直にその姿を観てルルだけは笑っていた。
その笑い声を聴いてアイは少し心の中で「よし一人の笑いを取った」っと喜んでいる。
もう既に自分のこの容姿は皆の笑いを取るに適していると判断しているので、今後は機会があればこのパーティー内で自分が笑いを与えようと心に誓っているのだ。
「ぷふぁははは、アイっちホントいいわ~それで光ったら最高に面白いかも~。
でも、やっぱり蔕を乗せたいわ~ふふふ。
もぉ~掴んでいるね~私達の笑いの心を~あはは、最高だよ~。
さ~和んだし、私もさっさと行動行動と~」
その笑い声を合図に各々行動を開始し散っていく。
本当に他種族でここまで蟠りや対立無く連携の取れる纏まったパーティーはこの世界では考えられないな~っとサジュラは思うのであった。
そして少しまだ緊張していた事は内緒である・・・。
--- 56話目のみの後書き----------------------------------------
56話目最後まで読んでくださりありがとうございます。
どうでしたか?楽しんで頂けたならうれしいですが。
---余談---
ついにお風呂が完成です。
少し大きい気もしますが、これが神族の豪快さです。
興味があれば何だってするのですよ、はい、私もご一緒したいですわ。
次回少しお風呂回です。
では、次57話目で、お会いしましょう。




