---34--- 拠点 宴 独学での魔法作成
拠点家屋の外では、ダンの近衛の神族達が苦肉の策で薪用に森から貰ってあった、まだ薪に成形されていない丸太を、最適な長さに切断し支柱として使い、その上に長い板を置いただけの、簡易的な机や椅子が設営されていた。
少し離れた個所に、少し歪だが石で組みあげられて作られたと思われる三つの簡易的な釜戸もあり、その上に大きな鉄板がそれぞれ置かれている。
そして辺りを見渡しても、簡易的に作られたテーブルの上を見ても、食器類が少し室内から持ち出されている程度で、食材と呼べる物は一切運び出されていない状態だ。
これでは何も出来ないので、食材を取りに室内に戻るのもありなのだが、フェンラが自分抜きで、皆と何か話すと言い先に追い出されたので戻るに戻れないのだ。
仕方なく簡易的に作られた椅子にシアキは腰を下ろす。
すぐさま、シャボちゃんが駆け寄って来る。
「お帰り、シアキ、シャボちゃん色々手伝ったぞ」
「ただいま、シャボちゃん、そっか色々設営の準備手伝ってくれたのか偉いぞ。
なんか少し疲れてそうだな?疲れてるなら休んでいいんだから無理するなよ」
よしよしと頭部分を撫でられ全身の棘がフニャフニャになっているが、何処となく元気がなさそうだ。
「うん、シアキが来るまで耐えてた。 シャボちゃん、疲れた、だからここで寝る」
「そっか、ゆっくり休めよ。 これからは、体を最優先で無理するな、休みたくなったら、俺を待たずに、きちんと休むんだぞ。 ってもう寝たか!相当疲れてたんだな」
座っている横の土の上でシャボちゃんはサボテン化し寝たようだ。
これでは一人サボテンを眺めている変な男になってしまうので、ダンの近衛の神族九名も丁度暇そうにしていたので近くに呼び寄せる。
「近衛の皆さんも、もうする事ないんだろ~皆こっち来て座って俺と少し話でもしないか?」
実際もう設営が終わりする事が無かった、ダンの近衛の神族九名は無言で頷き、シアキが座る椅子の後ろに綺麗な立ち姿勢で立って待機をする。
「いやいや、なんで後ろで立ってるんだ?座って話をしようじゃないか?」
「駄目だ我々が、ラ・リリルルフェ・ダン様やラ・リリルルフェ・ルル様より先に腰を下ろす事は出来ない。
それに我々は、無駄に私語を楽しむのは、失礼であるので慎まなければならないので、話をする気も無い」
一緒に椅子に座るように言ったのだが、ダンやルルがが来るまでは、腰を下ろす事はしない、そして雑談等もしないと言ったきり全員無言で立っている。
せめて、雑談でもして時間を潰したかったのに、無言劇は正直嫌なので、話題をこちらから振ってみる。
「な~俺の仲間の竜人のフェンラって奴が何か企んでるんだが。
何か聞いてないのか?」
「・・・・・・・・・」
「はぁ~せめて答えられない内容なら相槌だけでもしてくれよ、そうやって黙られると悲しいからさ、な?」
「・・・・・・・・・」
「って、・・・壁に独り言を言う奴みたいじゃないか!。
あ~もういいや!、この沈黙は、かえって考え事するのに丁度良いよな。
シャボちゃんも、そこでサボテン化して寝てるしな。
よし、しばらく考え事をするから、邪魔しないでくれ、って言っても黙ってるよな」
一切相槌も返答も返ってく事は無い無言だ。
神族がこんなに堅物だとは思わなかったと痛感しつつ、早くこの沈黙劇場を終わらす救世主である自分の仲間達が、あの扉を開けて食材を持って出て来るのを切に願うのであった。
だが、逆に考え事をするには良いかも知れないとポジティブに思い考えにふける。
―― う~ん、しっかし神族は堅物ばかりなのかな~、ルルがあ~言う性格だから少しは話せると思ったは間違えだったか・・。
さてどうしよう、この先の予定とか考えるべきか。
そうだな~まず最初に適当な理由を付けてエラルには、食事前にサジュラに冒険者だけ登録を済ませてもらわないとだな。
それが終わったら、適当な理由を言い個人情報クリスタルを出させ、「加入承認」と言って一気にパーティー加入させて驚かせよう。
それとサジュラさんを呼び捨てにする為の何か俺が勝ようなゲームを考えないとだよな~何がいいかな~・・・あ!良い事を思いついたぞ。
サジュラさんと、飲み物の早飲み勝負をして勝つとかどうだろう。
これは幼稚だな。
う~ん手っ取り早く、冒険者になって、パーティー加入とかしてくれたら呼び捨てにもしやすいんでがな~。
そうだ!専属受付嬢兼冒険者ってのになってもらうって面白そうだな。
でも何だか罰ゲームっぽいな。
もっといいのを考えないと、こんなの、ふざけてますって真剣に怒られそうだしな。
・・・全然思いつかないぞ~、まぁ~これは後回しだ、何か食事中にその場のノリでやってしまえば良いよな。
次だ次、あとは、ラフェルの国のジルベル魔人国に、どの面子で行くかだよな~。
いやその前に俺が魔法とかを少しは覚えて少しでも強く成っておかないとだな、仲間が死んだら洒落にならんし、絶対俺より強い奴は魔族領に一杯居るだろうしな、何せ魔族って言うんだし強いよなきっと。
ダンさんみたいな魔族が一杯居る所に喧嘩しに行くのかもしれないし、リムとサジュラは、ここでお留守番させておかないと即死しそうだな。
でもルルが居るから滅多な事じゃない限り何とかなるか、いやダンさんも場合によっては連れて行くとかしたいな~。
そうなると、お留守番組と遠隔で意思疎通出来る魔法やアイテムとか欲しいよな~。
むしろ携帯電話とか固定電話とか無いのかな~この世界、時計が貴重って言ってるくらいだからそう言った物品も貴重なのかな~。
後で皆に聞いてみるか。
よし当分はジルベル魔人国の位置を探りながら、俺は皆にバレないように修行しつつ目指すって感じにするかな。
う~ん、やっぱり少し考えるだけで知らない事が多すぎるな。
もうちょっと周辺にどんな国があるかとか、魔法の知識とか、世界の常識とか知らないといけないな。
今までは何とかなったけど、このまま無知だといかんな、まず出来る事からやらないとだ。
自国周辺の他国情報が聞きたいとか最もらしい何か理由を付けて、サジュラさんに食事時に雑談程度で確認して聞いておこうかな~。
それと強力な魔法が買える国とかも、知っておかないとだしな。
あとは~早急に二つ程アイテムか魔法を探さないとだ。
一つ目の魔法で遠隔地に居る相手と話せたり意思疎通が出来る魔法か電話の様なアイテムが欲しいな。
今後冒険するのにこれは無いと不便すぎるし・・いや待てよ、俺って魔法を作れるんだよな~、作ってしまったら買う事なく、タダじゃないか!。
頭良いな俺、あ!でも、そもそも魔法ってどうやって作るんだ?・・声を相手の耳元に届ける・・声は空気の振動が鼓膜を振動させるんだったよな・。
相手の耳元の魔素を空気振動させれば声を伝えられそうだな・・でも遠隔地で相手が見えないのに耳元に魔素を集めるって事をどうするかだな。
う~ん、これは転移みたいに、相手の耳元で喋るイメージをしたら出来るのか?いやそもそもこれ成功してもこっちから一方的に内容を伝えれるだろうけど、相手側が同じ魔法が使えないと意味ないよな・あ~駄目だ、もう行き詰ったこれは後回しだ。実験しないと全然わからん。
あ~仲間全員魔導士か聖術士だもんな~・・聖術士は聖素をベースに使うとか言ってたし、ルルに聞いても無駄だろうしな~。
はぁ~魔術士の仲間が居れば手っ取り早く作り方とかのコツを教えてもらうのにな~、今後魔術士の仲間も加入させないとだな。
あと、二つ目は時を知る魔法が欲しいよな~。
なにか出来ないか、火の燃え加減で知る時計とかあったな確か・・いや駄目だな、火を付け忘れたら狂うしこれだと今から何分って大体の時が知れるだけだな。
これは諦めよう、今の所、腹時計が一番信用出来そうだ。
そうだ、さっき言った纏わり付く炎とか出来ないか考えてみるか。
まず離れている相手や対象物の周りの魔素を一定箇所に集め留め、それを燃やし続ける事が出来れば良いんだと思うんだよな~。
・・その魔素を集めるってイメージをすればいいのか?。
それとも何か言霊とか呪文が必要なのか?。
う~ん、考えても魔法を発動させるのは、イメージって事しか、今それしか俺は分かってないしな~。
・・・よし考えても仕方ない、丁度今暇だし、まずは独学だ、間違っていたら魔法を買う際や食事時皆に見てもらって何が違うのかを教えてもらえばいいよな。
・・何か燃やせそうな物、燃やせそうな物っと。
・丁度いいなあの丸太余ってるんだろうな、あれ燃やそう。
黙って座って考え事をしていたシアキが徐にキョロキョロしながら立ち上がり、釜戸の横に置いてあった、テーブルやイスを作った際に余った丸太を持ち、前方何もない個所にそれを持って行き設置をする。
設置後、先程迄座っていた椅子に座り直し、何故か置いてきた、丸太を真剣に眺めてはじめた。
その意味が分からない行動をとるシアキの不思議な行動と行為を、後ろに綺麗に立っている、ダンの近衛の神族九名が馬鹿にするような目線を送っている。
だが数秒後、信じられない光景を目の当たりにし驚愕する。
炎系の魔法や聖術は、基本炎が手元から一度離れると、炎の形や、炎の火力調整操作をする事が不可能なのだ。
例外として魔素や聖素を圧縮し結晶化させ、それを核とし着火後、相手や対象に目掛け打ち出せば、手から離れてもその結晶が燃え続ける限り炎は維持出来が、それでも数秒の間程度だ。
基本この世界における炎系魔法や聖術を使う際、発動中手に必ず触れている必要があるのだ。
なのに、眼前遠方絶対手が届かない触れる事の無い位置に置かれた、丸太が一気に火柱を上げ高火力で燃え上がったのだ。
いや設置する際に、一度触れてはいるので、種火を付けて燃やしたと推測は立つが、あの丸太に瞬間的に高火力で燃え上がるような油を事前に仕込まない限り、種火程度で、たった数秒で火柱を上げる程の火力で燃やすのは不可能だ。
シアキが油を持って行っている素振りは無かった、ましてや、時限式で一気に高火力着火をさせる様な魔法は、この世界には存在しないし誰も考案していない。
もしそのような魔法が考案され世に出回っていたら、戦いの際、たった数十人程度で国や街を瞬時に火の海に出来るだろう。
唯一可能性があるとすれば、見えない程炎を細く伸ばしたと言う可能性だ、だがこんな近距離しかも後ろに居る自分達の目を誤魔化せるだろうか?と全員思うのであった。
いくらなんでも丸太の置かれている位置迄、炎を伸ばせば遠すぎるので、炎独特のモヤ等が細くしても目に見えて気づくはずだ。
一体どういう仕組みで、あの離れた位置に置かれた丸太を燃やしたのかを眼前の椅子に座っている男に近衛のリーダー格は好奇心を満たしたくなり訪ねる。
「ん~一応離れてても対処物って燃えるのか~?・・・これじゃ~誰でも使えるよな~きっと。
俺が出来るんだし、こんなのラフェル達でも簡単に出来るだろうな。
纏わり付かせるって、何だろう?・・・やっぱり難しいのかもな」
「今のは何だ?事前に燃やしたのか?設置時隠れて油などを塗ったのか?。
いや種火をあんなに一気に燃え上げさせられる油をどうやって生成したのだ?。
それとも我々に炎を見えない位に細く小さく伸ばし着火させたのか?」
後ろの近衛のリーダー格が質問して来たので振り向くと、なんだか全員驚愕した顔をしている。
もしかして人族が使えないような高度な魔法なのかも知れないと思い質問を質問で返す。
「ん?種火?油の生成?ん?細く伸ばす?何の事だ?そんな事は、一切してないんだが?
・・・う~ん分からんが、無意識にしたのかもしれないけど、俺の感覚では、ただイメージしただけなんだが?。
でも、もしかして、丸太があんな風に燃え上がるのは、人族の俺だと使用すら出来ず無理な火の魔法だったりするのか?もしそれなら実験したかいがあるってもんだ。
戦闘時に人族の俺が、炎魔法で火力が出せるとか他の種族が見たら驚いて警戒とかしてくれそうだしな。お~なんかうれしいな~」
無邪気な笑みを浮かべ、この魔法を使えば驚かせる事が出来ると喜んでいる姿を見てさらに驚愕する。
ただイメージしただけだと嘘まで言い、この魔法の方法を隠そうとしているに違いないと近衛九名全員思うのであった。
「はぁ?何を言っているんだ。
そもそも遠隔地で手も触れていない個所に置いた丸太を、あの様に一気に火柱を上げさせ燃えさせているんだぞ。
種火も油も炎を細く伸ばした訳でもないだと、何冗談を言っているんだ?。
その言い方だと遠隔地に置いた丸太を。まるで自然発火させたと言っているように聞こえるんだが?
そもそもお前火魔法や聖術を使う時の基本とか知っているだろう?。
炎系の魔法や聖術は基本着発動中炎は手に必ず触れる必要があるし、もし手から離して炎を飛ばすとかなら魔素や聖素を結晶させそれを媒介として燃やしている間に相手に当てるものだろうが。
一度手から離れると、火力の調整制御は出来ないだろうが!。
あんな離れた個所に置いた丸太を一気に高火力で燃やした、その仕掛けを聞いているんだ。
嘘はつかないで教えてくれ誰にも言わないから、ただの知識欲を満たしたいだけなんだ、どうやったのか仕掛けの説明を聞きたいのだ、頼む教えてくれ」
少し興奮して顔を近づけ今の魔法は何なんだと聞いてくるが、そもそも基本とか説明されてもピンとこないし、いざ今やった事を説明しろと言われても説明出来ない。
ただ周りの魔素を集めるイメージをして、それが一気に燃え上がるとイメージしただけだ。
「ん~?俺は魔法の基本の「き」の字も知らんからな~。
そもそも魔法の発動条件とか仕組み自体が分かんないからな~。
そうやって顔近づけて、必死に教えてくれって言われても分からないから教えられないんだよな~。
でも、そうだな~今やったのって、あの丸太をあそこに置いて、此処からあの丸太の周りに魔素を集めているイメージをして、その魔素に燃えろ~ってイメージをしたら燃えただけなんだよな。
う~ん、そうだな~、魔素をバ~っと集めて、それを一気にブワ~って燃やして、また燃えてる所に魔素を供給するように、バ~っと集めるって感じかな」
その返答を聞き全員驚愕しさらに質問しようとした矢先、家の玄関ドアが開かれ中に居た者達が次々と出てきた。
それに気づいたシアキは、この説明しろと迫って来る神族から逃れれる救世主の登場っと思い、皆の方に向かい笑顔で手を振る。
「皆遅かったな~、あまりにも退屈だったから、少し魔法の練習みたいな事をやって丸太を燃やしたんだが、こいつらが訳の分からん事を言うんだ?。遠隔が何とかって」
シアキの前方に少し離れた位置に置かれた丸太が勢いよく火柱をあげ燃えている。
ダンの近衛の九名の神族が驚愕の表情をしているので、恐らくあの距離まで火炎を伸ばして燃やすのを見せたのだろうと、ラフェルとフェンラとルルの三人は思うのであった。
「もぉ~何やってるんですか?。
暇だからってあんなに離れた位置に置いた丸太を凄い勢いで火でも伸ばして燃やして遊ぶなんて全く魔力の無駄遣いで気を失っても知りませんよ。
そういう事は私達が居る時にしてくださいね。
シアキさん魔法を、まだそんなに使えないんですから一人でやって魔力切れで気を失ったら大変ですよ。
そんな事より、シアキさん、まだお肉とか残りの食材が台所に沢山ありますので、フェンラちゃんとリムちゃんと一緒に取って来て持って来て下さい。
私とサジュラちゃん達は、その間に、そのこの簡易的な釜戸に薪をくべて火を熾して焼く準備をしますので。
リムちゃんは、シアキさんを案内して、どれを持ってくるか指示を出してあげてね」
「ん?・・何か同じ事を言われてるな~、やっぱり今の魔法何処か変なのかもな、まぁ~いいや。
ははは、そうだよな、魔力の無駄遣いだよな、魔法の基本すら知らんしな。
そうだな、練習で下手に使って気を失っても困るしな!いや一度限界まで使ってみたらどうなるか実験して体験しときたいけどな。
まぁ~いいやなそんな事はおいおいで。
皆、後でちょっと俺の今やった火の魔法を見てくれ、俺、そいつらが何で驚いているのかが、さっぱり分からんし、実際見て何処が変なのか教えてくれ」
「もぉ~そんなのは、お肉食べてからじっくり見てあげるから~。
それより、お腹減ったよ~、お肉、お肉~早くお肉~持ってきて~シアキ~」
「ははは、そうだな、じゃ~残りの食材と肉を取りに行ってくるな。
ラフェル、ルルが食わない野菜を先に食わせとけ、ほっとくと肉ばっかり食って、今そこにある俺の肉まで食いそうだしな」
その発言を聞き野菜を食べるのがよほど嫌なのだろう。少し何を言ってくれているんだと言う感じで嫌そうな表情をしている。
これは、いつもの事なので無視してリムとフェンラと共に室内に戻っていく。
「ふふふ、ルルちゃん。
今日はお肉の前に野菜を食べてもらいますからね~。
サジュラちゃん、その野菜を、こっちに持ってきてください。
先にルルちゃん用を焼いちゃいます。
本当に野菜を盛らないと全然食べてくれないから、ルルちゃん今日は先に食べてもらいますからね」
「え~ヤダ~ラフェルちゃん本気なの?。私お肉から食べたい~よ~、お肉、お肉~」
もうお肉お肉とお腹を空かせた雛鳥ルルが親鳥ラフェルに強請っている。
「あはは、駄目です。
シアキさんのお願いでもあるんですよ、ちゃんと聞きましょうね~。
ルルちゃんは、ほっとくと本当にお肉ばっかり食べそうですしね。
今日は先に野菜をこれだけは食べてもらいます。
そしたら、後はお肉を好きなだけ食べていいですよ。
もし守れないなら、今後ルルちゃんの料理のお肉を減らして野菜多めにしますからね」
お皿に各種野菜が一個づつ盛られた物を見せられ、それを食べないと今後の食事のお肉量を減らすと言われ口を尖らせ少し嫌そうに野菜を突きながら渋々食べると言ってながら、食べたら本当にお肉を食べていいか確認を取っている。
「うぅ~それヤダ、絶対これだけ食べたら、お肉食べていいの?ね~ね~食べていいんだよね~」
「ちゃんとこの量の野菜だけを食べたら、お肉はいくらでも好きなだけ食べて良いですよ。
本当はちゃんと、お肉、野菜、パン、時々スープってバランス良く食べてくれると嬉しいんですがね」
「わかった~食べるよ~。野菜美味しくないから嫌いなのにな~。
美味しいお肉の為だから~、その野菜食べるよ~」
そんなやり取りをしている中、サジュラは着々と釜戸に薪を並べ、火を熾している。
「あ!サジュラちゃんごめんね、火熾しありがと~。
ではまず野菜を焼いちゃいますね」
台所では、大量の食材達が用意されている。
肉は流石十六人前だ、サラダ用の大きな器三つ分用意されている。
野菜も焼く用とサラダ用と大きな器一つ分づつ用意されている。
スープが多いな寸胴で一つ用意されている。
パンはサラダ用の大きな器二つ分用意されている。
食器等も合わせると何往復もしないと全て持ち運び出せないだろうと言うような量だ。
そこでシアキは食材が置かれているテーブルその物を転移で一気に外へ運ぶ事にする。
転移をこんな事に使っていいのかと、仲間やダン達に言われるかもしれないが、そんな事はどうでもいい。
「結構な数だな。これを運び出すのは面倒だし転移で外に、このテーブルごと全て運び出すぞ。
リムちょっと外に先に行って目印になってくれるか。
そうだな~今ラフェルが料理してると思う鉄板が置いてる簡易的な釜戸の横に行って、ラフェルと釜戸を見ながら立っててくれ、そしたらリムの後ろにテーブルと一緒に転移するから。
フェンラは玄関でリムが所定の位置に着いたら、リムの後方に何も無い状態で、このテーブルが現れても大丈夫な程の空間があるか確かめて、俺に知らせてくれ。
行けそうなら転移するから直ぐ駆け足で皆の下へ戻ってくれ」
「畏まりました。ご主人様。
では、ご主人様の指示通りの指定していただいた場所でリムは目印になってまいります」
そう言い残し嬉しそうな表情を見せ一礼し玄関へ走って行った。
「転移で食材を運ぶとは、豪快過ぎじゃな、まぁ~そこがこのパーティーの良いとこじゃな。
でも魔力とかは大丈夫なのじゃろうな?転移後気絶してしもうては、食事せず寝る羽目になってしまうぞ?」
「ん?はははそうだろ豪快だろ。
魔力?あ~大丈夫だぞ、転移ってのは、俺一人だけだと精神力ってのが一減るだけだと思うからな。
それより、フェンラ、さっき言ってた、最後、俺に確認したい事ってもう聞いてもいいんじゃないのか?。
全員からもうどうするか聞いたんだろ?。
今二人になってるんだし、ここでその確認したい事を聞けばいいんじゃないのか?」
「駄目じゃ、これは食事前特にお肉を焼く前に皆の前で確認して聞く事に意味があるでの~食事まで待ってくれなのじゃ。
では、我は玄関先に行ってリム殿がは位置に着いたかどうか確認して来るでの、くれぐれも食材、特に我のお肉達を床や地面に落とすで無いぞ」
邪眼が肉一点を見つめて、眼を輝やかせながら、尻尾が妙に嬉しそうに振り、表情も何処となく悪だくみが成功した時のような奴がするような表情をしている。
このあからさまな態度と言動からして、何やら食事の肉を賭けて全員で勝負でもしていると察しが付く。
―― ははは、フェンラよ、その態度を見れば何を考えているのかバレバレだな。
恐らくフェンラが皆の前で俺に質問する内容への返答一つで、賭けに負けるか、勝つかって言った所か!。
う~ん、あの表情と尻尾の振り方を見る限り既に賭けに勝っているとみていいだろうな。
賭けに勝てばお肉を食べ放題って所かだな。
で!負ければ、肉を食べれず、野菜やパンやスープのみ食べ続けると言ったところか。
もしそうだとしても、この肉の量は全員で食わないと残って腐らすだけだろうな。
もし賭けの勝負が決まっても、肉は全員に食わせないとだな、それに特にルルは肉が食えないとなったら、凄く怒りそうだしな。
あ~ちょっと悪戯で皆が負ける答えを予想して答えたい気もするな~。
そんな事を考えていると、玄関側からリムが所定の位置に着いた事を知らせる声が掛けられる。
「シアキ殿、リム殿が所定の位置に着いたぞ、リム殿の後ろには何もないなじゃ、前には絶対転移しては駄目じゃぞ」
その知らせを受け、テーブルに触れ、リムの後方に一メートル程辺りに行きたいと念じ転移を開始する。
視界が一気に変わり、外で調理する為用意されて簡易釜戸の前で調理している、その横に立つリムの後方に一メートル程辺りに無事台所の食材が載せられたテーブルと共に転移成功した。
「リムありがとな、目印になってくれて」
「いえ、私はご主人様の奴隷であるのですから、指示された内容を実行するのは当り前の事をです」
「シアキさん、食材とテーブルと共に転移したんですか!。
豪快すぎますよ、そんな事して本当に魔力消費とか平気なんですか?」
話をしながらラフェルは焼いた野菜一種類づつを皿に盛りルルの前に差し出す。
「はい、ルルちゃんお野菜焼けましたので、これだけは、絶対食べてくださいね」
そして釜戸横に居るリムの後ろに転移で食材を豪快に持ってきたシアキを確認し、こんな事に転移魔法を使い魔力を豪快に消費していると思われるシアキの体を心配しながら、焼けた野菜が盛られた皿を横で嫌そうに眺めている、ルルに手渡している。実に器用だ。
その差し出された野菜が盛られた皿を渋々受け取り、その場で、嫌そうな表情をしながらハムスターのようにチビチビ食べている。
「ははは、ルルそんな嫌そうな顔するな。
ほら、見ろこのお肉の量、こんなに大量にあるんだ、たったその三種類の野菜だけを食えばあとは肉だぞ肉、肉祭りだぞ。
あとラフェル、転移って俺一人だけだと、その精神力が一減るだけだから、そんなに心配しなくて良いぞ。
それに魔力とか言われても、俺にはその概念が無いから、これから精神力って言ってくれ・・・いや!いいや、この世界だと魔法を使うと魔力が減るって言うんだなきっと。
俺が魔力イコール精神力って解釈すればいいだけだな」
玄関から駆け寄って来るフェンラに対し質問内容を早く話すよう促す。
「よしフェンラ、何か食事前に俺に確認したい事があるんだろ?。
早く聞いてくれ、俺も腹減ったから早く肉食いたいんだ。
その前に野菜食べないとルルが怒りそうだな、はははそんな顔するなルル」
「そうじゃな、これは重要な事なのでの、シアキ殿、ちゃんと答えて欲しいのじゃ。
同盟調印書の残りの内容を決める際に、すこし我らでは決めれない物があったのじゃ。
それでじゃ、同盟をする際にじゃ、同盟徴収金と言うのを、傘下の同盟国から貰うのじゃが、この金を「貰うのか?」「貰わないのか?」どうするかが聞きたいのじゃ」
「ん?同盟徴収金?なんだそれ?同盟したら金が何もせず入ってくるって事か?」
「そうなのじゃ、我らの国に毎年傘下の国が納めてくるのじゃよ。
で、これだけ、決められぬでの~スッキリせんかったのじゃ、じゃから、スッキリして食事がしたいでの~早よう答えてくれぬかの~。
どうじゃ、シアキ殿?、この事どう考えるかの~「貰うのか?」「貰わないのか?」どっちかの~」
そんなのは貰うに決まっているじゃないか、こんな美味しい話は無い。
そう言おうと思ったが、ふと思う、今回ラフェルの国とも同盟をする予定だ、仲間の国からしかも王位に就く仲間からそんな金を貰って冒険しても気分的に何だか嫌だ。
でもラフェルの国だけ貰わないとした際、他の国が何故自分の国は取られるのに、仲間だから取らないと言うのは不公平だから、私も仲間にしてお金を取らないでくれと言われ、金の為だけの不要な仲間が増えそうだ。
そんな金だけの為に不要な仲間を増やすのは嫌なので、ここは同盟の際どの国からもその同盟徴収金と言う物は貰わないとすれば解決だろう。
お金だけの不要な仲間取るか、信頼出来る仲間を厳選して集め冒険するかを天秤にかけた際、迷わず後者を選ぶ方が気持ちい。結論は貰わないだ。
「ふん、その同盟徴収金とか俺の国と同盟する国からは貰わないぞ。
それにラフェルの国とも同盟するんだし、仲間からそんなの貰える訳ないだろ。
もしラフェルの国だけ貰いませんとか言ったら他の国が仲間だから徴収しないのなら、私も仲間にして徴収しないでくれとか言われ、金だけの為の不用な仲間が増えちまうだろ。
フェンラお前少し俺の性格を理解・・・」
同盟徴収金は要らないし貰わないと言う発言とその理由を話しているシアキの姿を全員が見聞きし、賭けに負けたサジュラとダンの近衛九名の神族達が眼を見開き本当に信じられないと言う表情をしている。
見事賭けに勝ったラフェル、フェンラ、ルル、エラル、リム、ダンは、凄く嬉しそうな表情をしている。
「ははは、そっかコレが賭けの内容か・・はははは、そっか、そっか、何だ、お前ら全員俺が「貰わない」って言うの分ってただろう。
はは「貰う」に賭けたのは、サジュラさんと神族の・・ん?ダンさんの表情からすると俺が「貰わない」って言う方に賭けたのか!、流石だな、あんな短い間で俺の性格を理解してくれたんだな。
でも、そんな賭けはどうでもいい。
皆好きなだけ、肉やサラダあとパンとスープは美味いから絶対食えよ。
ラフェルは俺がこれを言うの見越して肉多め野菜少なめで用意してるっぽいからな。
ただし野菜は各自ちゃんと食えよ、この量は本当に流石に全員で、ちゃんと食わないと余らして腐らすだけだからな。
賭けに負けたダンさんの近衛の九名には、後で罰ゲーム決定な。
何か面白い事をして皆を笑わしてもらおうかな」
フェンラが不思議そうな顔をしている。何故今回賭け事をしたのが分かったのか、誰もこの事はシアキには話していないはずだ。
そうなると考えられるのは、心を読む魔法や術や特殊能力を保有している可能性だ。
今後戦闘する可能性があるので、その際、そのような事が出来るならのなら、早めに把握し知って理解しておかねばならないと考え尋ねる。
「シアキ殿何故じゃ?何故我等が賭けをしておるのが、分かったのじゃ?。
もしかして心が読める魔法や特殊能力があるのかお主には?」
「ははは、フェンラお前頭は回るし、洞察力はこのパーティー内じゃ~一つ頭出てるだろうけど。
賭け事をしてる時は、商品が肉であるって分かる程キラキラ輝く眼で見たり、無意識に「我の肉」とか言ってたら誰だってこれは賭け事してるって思うぞ。
でも、この立案者は、ラフェルか、サジュラさんだろう?。
ルルは俺と一緒に行動してたし、リムはこんな事は立案しなさそうだし、フェンラが立案者ならもっと巧妙に表情隠せるだろうしな。
う~ん、いや待てよ!、サジュラさんは、さっき凄く眼を見開きながら信じられないって表情で驚いていたから、立案者じゃなさそうだな。
って事はラフェルか!へ~ラフェルもこんな事をするんだな~新たな一面って奴だな」
各々の性格を推理し立案者を言い当てられ、サジュラとフェンラは驚き、ラフェルとリムは当り前だと言う表情をし、ルルは野菜を嫌そうな表情を浮かべ、ハムスターのようにチビチビ食べながら、うんうんと頷いている。
「あはは、立案者が私だってバレちゃいましたね。流石皆の事ちゃんと見てますね。
それに、賭けに勝っても負けても、シアキさんなら、好きな物を食べて良いと言うのも分かってましたので。
ちゃんとお肉を少し多めで野菜少なめで用意していたの迄もバレバレだったとは流石です。
ふふふ、どうです?シアキさん。
私だってたまには、こんな事もしちゃうんですよ、どうです驚きましたか?」
凄く嬉しそうにラフェルが驚いたかと聞いてくるが正直驚いてはいない。
「そうだな、ラフェルがこんな賭けをしようと持ち出すとは思わなかったな~。
でも、これは、これで面白いしありだな」
そしてこの賭けを利用して先程考えていた内容を実行する。
今なら罰としてサジュラを冒険者登録をさせてもおかしくないだろう。
そのついでに、自然な流れでエラルも冒険者登録をさせるように持って行き、サジュラをパーティー加入させた後、エラルには職が強制変更させていないかを確認すると言い個人情報クリスタルを出させ、そのタイミングでパーティーへの加入承認をし、いきなり加入させて驚かせてやろうとプラン立て行動に移す。
「はぁ~サジュラさん、俺達の専属受付嬢で、大切仲間なのに、俺の性格を理解してくれてなかったとは、悲しいのですよ全く。
そうだ、サジュラさん、先程言ってたゲームなんですが、それは無しです。替わりに罰ゲームです。
この賭けに負けたサジュラさんには、罰として俺達の漆黒の刃風に仲間の冒険者として加入し、俺達の性格をもっと理解してもらいます。
あ!その前に冒険者登録とか出来ますか?。
専属受付嬢って職でも、冒険者登録とか出来なかったら罰ゲーム成立しないんですが・・・。
もし出来なくても、そこの獣人の子のエラルちゃんって言うんですが、俺達の半分仲間なので、今の内に冒険者の登録だけ済ませてあげて欲しいんです。
それと明後日に、もう一人冒険者登録したい人物が居るので、そいつも登録もしてもらいますので、お願いしますね」
「え?私は冒険者組合の組合員の受付嬢と言う職でありながら、マムラ様のパーティー「漆黒の刃風」の専属受付嬢兼務で、私が冒険者になってパーティーにも加入するんですか?。
一応、私自身の冒険者登録は可能だと思いますが、私は凄く弱いですし、各種戦闘等はした経験がありませんよ。
ましてや冒険者パーティー内に専属受付嬢が冒険者として加入すれば、職業が代わって各種手続きとかが出来なくなりますよ」
「職は俺が何とか出来るから、心配する必要はないと思うから冒険者登録出来るんなら登録してくれるかな。
あと戦闘には参加しなくて良いし、弱いとかは織り込み済みだから、その点はルルに防護の加護とかリム同様にしてもらえば平気だからね」
「言っている意味が一つも理解出来ませんが、マムラ様達は、私の常識は一切通用しないんですよね。
分かりました。今すぐ自分の冒険者登録とそちらの獣人の方の登録を致しますね。
私は登録後、冒険者パーティー加入申請をしますので、加入承認の方よろしくお願いします」
このパーティー内では、自分の常識は一切通用しないのだ、そしてこのシアキが言うのだから冒険者となっても受付嬢として行動出来るはずだ。
提案内容はめちゃくちゃだが、何も知らない状況でこの言葉だけでは信用しろと言われても信用出来ないだろう。
だが、このパーティーメンバーと少しでも過ごしているとこんな言葉だけで十分信用に足るのだ。
これで本当の仲間になったと思え、言いようのない嬉しさがこみ上げてくる。
そしてサジュラは、飛び上がり大声でヤッターっと叫びたい気持ちを抑えながら淡々と自身の冒険者登録作業を開始する。
そしてまさかここで自身の名前が呼ばれ冒険者登録するように言われるとは思っていなかったエラルは尻尾をピーンとさせ驚いている。
「え!え!シアキお兄さん?、私も冒険者登録しちゃうんですか今?」
後でこれより凄いサプライズをする事を隠す為、もっともらしい理由を付け、いつもの口調でさも当然と言った感じでエラルに返答する。
「ははは、何だエラルちゃん凄い驚いているな?。そうだぞ、今から冒険者登録だけ済ませておくんだぞ。
ほら、俺達は各地を冒険しに出るから、いつこっちに戻って来るか分からないしな、出来る時に登録だけでも済ませておいた方がいいだろ?。
それとも修行してエラルちゃんが強くなった際に、改めて冒険者登録してもいいけど、その手続きの少しの時間も取れない程俺達忙しかったら困るだろ?。 それに今登録しておけば後が楽ちんだろ」
「そうですね。確かにシアキお兄さんは国王様でもあるし、冒険で凄く忙しくて時間取れないかもしれませんよね。 うんうんそうですね、今やっておけば、後が楽ですね」
「だろ、だから今の内に冒険者登録だけでも済ませておいた方が良いだろ。
じゃ~サジュラさん、エラルちゃんも登録お願いな。
俺はラフェルと一緒に肉焼いてるから、終わったら呼んでくれ、パーティーへの加入承認とかしちゃうから。
あとルル、サジュラさんにリムと同じ様に身体とその服に防護の加護してやってくれ、肉焼けるまでもう少し時間掛かるだろうし、もう野菜食べ終わってあとは肉食うだけだろ、焼けるまでにやってくれたら俺の肉も少しなら食っていいぞ」
嫌いな野菜を食べさせられた、ルルは腹いせに、悪戯を思いつく。
「う~ん、私今回すっごく頑張ったから~何かご褒美が無いとな今回は動かないぞ~。
嫌いな野菜もちゃんと食べたし~!、野菜もちゃんと食べたし~!野菜もちゃんと食べたし~!ご褒美に~直接シアキがア~ンして私にお肉食べさせてくれるなら加護やったげる~」
嫌いな野菜を食べた事を強調し、悪戯っ子がするニターっとする微笑みをみせ、食べさせてくれるなら加護をしていいと言ってくる。
正直その微笑みの表情は悪戯を考えている時の微笑みなのだが、これのどこが悪戯なの分からないが、野菜を食べさせられた報復なのだろう。
でもあまりに簡単な事で報復になるのだろうかと思う。実際この大勢の前で、アーンして食べさすのは、男としては恥ずかしい気もする。
頭を撫でるのも恥ずかしかったし、やはりこれは、この世界において、男限定に効果のある罰を受ける精神攻撃だと勘違いするシアキであった。
頭を撫でるだけや、アーンして食べさすだけで、サジュラの防御の加護をしてくれるんだ。仲間が一撃で屠られては困るので、命と恥ずかしさを天秤に掛けたら安いものだ。
ただ、食べさせるのに制限を設けないと永遠食べさせ続けなけらばならないだろう。
いやこれは自分が食事を摂れない可能性もあると考え、これが本当の狙いではないかと思うのであった。
「ん!そんな事で良いなら、いくらでも食べさせてやるぞ。
でも二口迄だ、あとは自分で食え。永遠と食べさしてたら俺が全然食えないだろうしな。どうだ?これで良いか?」
「うんそれでいいよ~。じゃ~サジュラっちやっちゃうよ~」
そう言い瞬時にサジュラの後ろに移動し、凄い笑顔で、手を翳し防護の加護を与えている。
「は~い完了だよ~。
サジュラっち、これで多少殴られても、斬り付けられても、傷を負わなくなったよ~良かったね~
シアキ~約束だからね~ア~ンしてお肉二口食べさせてね~。
ふふふ。あ~楽しみ~早くお肉焼けないかな~、シアキにア~ンって食べさせてもらえるのか~私、ふふふ」
眼をトローンとさせながら妄想の中でお肉を頬張っているのだろ口をもぐもぐ動かしながらお肉が焼けるのを今か今かと待っている。
そのやり取りを見ていたラフェルとフェンラは、そんな羨ましい事を自分にもして欲しいと考え何か適当な理由を探し、シアキに懇願する。
「そんな~ルルちゃんだけ、ズルいですよ。
シアキさん、私も、私も、料理の準備頑張ったんですよ、私もご褒美にルルちゃんと同じく二口食べさせてください」
「何じゃ二人共、それなら我も色々案を出したのじゃぞ。
でも褒美をお貰うような事じゃないかこれは・・・。
う~ん、そうじゃ!、シアキ殿は先程、仲間全員に凄く心配させる行動を取り瀕死になって心配させおったからの~、罰として肉を食べる仲間全員にルル殿と同じように二口食べさせる義務があるぞ」
何故か二人が自分達も食べさせてほしいと言ってくる。
これがルルの狙いか!先程野菜を食べさせた恨がこれ程とは食の恨み恐るべしだ。
だがフェンラの言う通り相談せず独断行動を取り瀕死状態になって迷惑を掛けたので、罰として恥ずかしい罰を与えると言うのは理に適っている。
仲間全員にアーンして肉を食べさせると言う提案を承諾する事にする。
「ははは、そうだな、今回は独断で行動し瀕死になり一杯皆に迷惑と心配させたしな。
その詫びも込めて、頭よしよしと仲間全員にアーンして二口肉を食べさせてやる。
よし今後、俺達の冒険者パーティー内では、本気で仲間全員を心配させる事をした奴は、食事時、アーンして全員に物を二口食べさせるって事にしよう。
これは結構恥ずかしいから、精神に来るぞ絶対。俺今やる前から結構精神的に恥ずかしいからな」
その最後の言葉を聞き女性陣達六名は何か本気で心配させる様な事をしたいと一瞬思ってしまうが、その前にそんな事をしたら本気で怒られ嫌われるだろうと思い絶対そんな事はしたくないと誓った。
サジュラは自身の冒険者登録が終わったのでシアキに声を掛ける。
「マムラ様、私の冒険者登録終わりました。
獣人、エラル様の登録は少し待ってもらっていいですか?。
こんな事は前例がないので、パーティー加入中で本当に冒険者で各種手続きや登録作業が出来るのかも確かめたいので、まず加入していただいて良いでしょうか?。
あとルル様が私にしてくださった、その防護の加護とは一体どう言うものなんでしょうか?」
「お!終わったのか。じゃ~ダンさん、あと近衛の皆さん。
俺肉焼くの面倒くさくなってきたので、焼いて各自食べちゃってくださいよ。
ラフェル少し離れるから肉焼けたら、どんどんルルやフェンラに食べさせてやってくれ、あと自分も食べてろよ。
ちょっとサジュラさんの色々弄ってくるからな、じゃ~サジュラさん、エラルちゃん、一緒にあっちの椅子がある所まで行こうか。
一応仲間に成ったら、話さなきゃいけない事もあるし、あそこなら腰を落ち着けるしな。
ダンさん達は気にせずジャンジャン肉焼いて食ってくれな、ってもう気にせず食ってるな、ははは」
近衛達が肉を焼きならが、無言で頷き、ダンは次々焼かれる肉をさらに取り、美味しそうに頬張りならが手を振っている。
こういう所は、流石親子だ、ルルとそっくりだ。
--- 34話目のみの後書き----------------------------------------
34話目最後まで読んでくださりありがとうございます。
どうでしたか?楽しんで頂けたならうれしいですが。
では、次35話目で、お会いしましょう。




