---33--- 拠点 そして宴の準備
今エラルは今日の修行を終え、夕飯を何にしようかと考えながら自室内で着替えをしている。
食事の支度時に貰った服を汚さないように、普段着に着替え終えた次の瞬間眼前ギリギリに物体が現れて驚きのあまり、毛が逆立ちフサフサのモコモコになっり変な悲鳴をあげる。
だが、すぐさまその正体がシアキ達であると匂いを嗅ぎつけ、状況を把握し冷静を取り戻し元の毛並に戻る。
「うにゃ~・・・あ!うぅぅ、またルルお姉さん!。
・・・あ!シアキお兄さん。
もぉ~毎回そうやって急に眼の前に現れて驚かすのやめて下さい。
・・・いや、まずお帰りなさいが先ですね。
シアキお兄さん、お帰りなさい。
ルルお姉さん、お帰りなさい。
・・そしてえっと~今度は男性の新しい方ですね?。
初めまして私は、この全種族間交流国家、マムラ王国、国民の獣人の「エラル・ガオラス」と申します」
綺麗なお辞儀をし、握手しようと右手を差し出す。
その差し出された手を一度見て室内を見渡すダン。
室内を見渡しているダンを軽くルルが蹴りを入れ、握手するように促す。
「こら挨拶しなさい。私達の仲間が挨拶しているのだから」
「痛い!蹴るでない。分かった、分かったからその目はやめよ。
儂はこの国の加護者になった、「ラ」の一族の神族で「ラ・リリルルフェ・ダン」だ。
よろしくな、獣人の娘よ。
そして儂は挨拶で握手をせん以後覚えておいてくれ。
しかし何だ、獣人の娘、お前も儂の名前を聞いても、ひれ伏しもしないうえに、驚く素振りも見せんのか・・・」
「あっいえ、シアキお兄さん達が連れてこられた方ですので、一々驚いていては身が持ちませんし、それにシアキお兄さんは、そういう事を嫌ってますので、やると私が怒られちゃいますからしてないだけです。
ちゃんとお名前を聞き驚いていますのでご安心ください。
もし、ひれ伏して挨拶した方が良いなら致しますが?」
「そうだな、ひれ伏してたら、怒って俺ダンさんを無言で殴ってたなきっと。
ダンさん!俺達の国ではそんな事はしないから慣れてくれ、あとそう言う発言は今後しないでくれ。
ふ~、エラルちゃん数時間ぶりだけど、ただいま。
ここの村を国にする登録が終わったし、俺達の冒険者パーティー名も色々決まったし色々伝えに来たぞ。
ってか!なんだか国名は、もう知ってるみたいだよな?
・・あ~そっか、さっきルルがココに来た時に教えてもらったんだな。
まぁ~いいや、えっとじゃ~エラルちゃん、ヒュヒュクさん達に国の登録終わった事を伝えて国名を国民全員に伝えるよう言ってきてくれるか?。
俺は、その間に少し用事を片付けるからさ、それと、ジュダラくんは、まだ何か会議中とかか?。
俺の用事が終わったら二人一緒に、俺達のもう一個の拠点に行くぞ、そこでラフェル達が皆の夕飯の準備して待ってるから、向うで一緒に宴だ宴、肉沢山用意してあるから向うでささやかだが皆で夕食を食うぞ」
弟の所在を聞かれたが、恐らく一緒には食事に行く事は出来ないだろう事を伝えなければならない。
なぜなら、盗賊の奴隷主従契約が完了した辺りから弟は何故か張り切り、木材を誰よりも運び、極度の人見知りなのに、自分の奴隷に指示を出し、ついさっきまで作業を休みなくこなし、作業終了後、軽く干し肉を数枚食べ、しばらくは家に戻らず、広場前の会議場で寝泊まりし作業をするとだけ言い残し、その会議場内で爆睡してしまったと自分の父親から聞いたのだ。
「あ~ジュダラなんですが、奴隷の主従契約を済ませた後、何故か張り切りだしたそうで、あの子、木材を人一倍運んで、各奴隷達に指示まで出し作業を率先してやってたそうなんですよ。
そしてしばらく作業の為、中央会議場で寝泊りすると言い、軽く食事をして爆睡したと父が言っていましたので、恐らく朝まで何をしても起きないと思いますが、でも一応起こしてみますが、一度弟は寝てしまうと、なかなか起きませんので、その連れて行くのは無理かもしれません」
「なんだそれ!あの人見知りのジュダラくんが、張り切ったのか!。
それは凄いな、見て見たかったな~。
それじゃ~相当疲れただろうから、起こすのは悪いし寝かしておいてやってくれ。
よし連れて行くのは、エラルちゃんだけにするとして、それで今日の夕飯時とか何か予定とかあるか?。
もし誰かと食事するとか先約があるなら、そっち優先して断ってくれていいし、俺達との食事なんかいつでもできるしな。
どうだ何か予定とかあるか?」
あの人見知りのジュダラが率先して、指示を出したり張り切って作業をしているのを想像するが全然想像がつかなかったとシアキは思いつつエラルに予定を確認する。
連れて行くのは、自分だけだと聞き嬉しそうにエラルはブンブンと尻尾を回している。
「私は今日の型の修行が終わりましたし、今、夕食何にしようかと考えてただけで予定は全くありません。
それに、シアキお兄さん達との、お食事会より重要な用事など他には有りませんよ。
もし有ったとしても、何よりそっちの方が優先事項ですよ。
あ~ラフェルお姉さんの料理ですか~凄い楽しみです」
「そっか、もう今日の修行は終わったのか。
よしじゃ~俺の用事が終わったら向うに行こうな。
そうだ!エラルちゃん、その夕飯の時で良いから、少し俺にも、その型とか見せてよ。
一子相伝とか部族限定の技とかで見せたら駄目ならいいんだけど、もし可能なら見てみたいんだけど。
あと出来れば俺にも簡単な型とか教えてもらえるとありがたいんだが、お願い出来たりするかな?」
型を他人に教えれるか不安だが、思いを寄せているている男から頼まれた事が凄く嬉しく、今ここで型を手取り足取り教えたいと思うのを我慢し、夕食時、皆の前で手取り足取り教えている姿を想像し嬉しくなるのであった。
そしてもう一つ国名の件は、もう全員知っていると言う事を伝えなければならない。
「シアキお兄さんに私が型を見せて尚且つ簡単な型を教えるれるなんて凄く光栄です。
では、まだつたない型ですが、夕食時に精一杯、お教えしますね。
それと国名の件なのですが、既に国民全員知っていますよ。
国名登録がされた時点で、私達の情報クリスタルが強制展開しましたので、そこで全員見て知る事が出来ましたので。
それにしてもあの、いきなり全員の情報クリスタルが強制展開した時は驚きましたが、其れより何よりも、自分達の村が一気に国になった事に皆凄く驚いていましたよ。
シアキお兄さんが見たかったであろう皆が驚く光景は、私がちゃんと見ておきました。
ふふふ、皆モフモフってなってました、私もですが。
あ~でも私、本当にマムラ王国の国民なんですよね。
本当になんだかこの響きはグッときますね」
嬉しそうに先程から尻尾をブンブン回しているので、相当喜んでくれているのだろう。
国名発表で全員の驚く顔を見れなかったのは、本当に残念だが、まだ、冒険者パーティー名がある。
「そっか、そんな事になってたのか、皆を驚かしてやろうと思ったんだが、一つ楽しみが減ったな。
でも、まだあるぞ。俺達の冒険者パーティー名を発表するぞ。
結構良いネーミングだぞ、エラルちゃん驚くぞ~自分がパーティーに入るかもしれない名だからよーく聞いてくれよ。コホン・・」
一つシアキが咳ばらいをし、発表しようとしたのを見計らってエラルが割って口を挟んでくる。
「「漆黒の刃風」ですよね。
それルルお姉さんから、事前に聞いちゃいました・・・。
ふふふ、やった~、やった~逆にシアキお兄さんを驚かせれました」
その突然の発表に眼を見開き口をあんぐり開け驚愕する。
いつも驚かす側だったので、今回はしてやられたと思うが、まだ夕食時にサプライズを考えている。
そのサプライズ内容はこうだ。
夕食時皆の前でエラルをパーティー加入させて驚かせてやろうかと思っている。
表向きの理由として一応国になったので、外から外交出来る連中が変な要求して来た際、エラルがただの一国民で相手に発言してもただの戯言扱いされ効力が無いと言われ外交しに来た奴に馬鹿にされかねない。
この国の国王である俺のパーティーの仲間であれば箔が付いて発言力に重みが生まれ交渉もスムーズに出来ると考えている。
本当はただ単に加入させれるのかを早く試したいと言うのが本音ではあるが敢えてそこは隠しておく。
「あははは、シアキ~何その驚いてる顔~。あははは、で!どう、どう、逆に~驚かされた感想は~」
「ははは、全く予想してなかったから驚いたぜ、まさか先に言われるとは思っていなかったからな。
しっかし、俺の楽しみが減ったぞ、ルル~。
まぁ~これは、これで、凄いサプライズ感があって驚いたけど、食事の時は覚悟しておけよ~ルル。
よしじゃ~ここで俺は森にお願いするだけのようだな。
ところで、ルルその領域とかって森に分かるのか?」
「うん、境目とかは分かるはずだよ~、一応知性は低いけど知性ある生命体だしね。
じゃ~外行こう~」
全員エラルの家から出る。ダンは辺りを見渡し驚愕する。
こんな見る限り、ただの森の中、ごくごく普通で、どこにでもありそうなただの村である事に。
「儂はこんな個所を加護するのか・・・「ラ」族の儂がこんな・・なんとも情けない。
小僧、儂が此処に立派な城と街を作ってやる、それにこんな家と呼べぬものじゃなく、ちゃんとした家も整備してやる。
こんな所を儂が加護しているなどと他の連中に知れたら馬鹿にされるではないか。
こんなのは、こんなのは、儂のプライドが絶対許せんぞ、儂がこの国をふさわしい姿に改造してやる、良いか小僧」
なんだか凄いやる気な表情で国を改造すると申し出て、顔を近づけてくる。
申出は、すごい事なのだろうが、そんな事をされても返す資金元はないし、正直このままでもいいと思っている。
「ん?正直このままでもいいんだがな~。
それにそんな事されて、城や色々な建物を建ててくれても、その建設費用を請求されても俺は払えないぞ?」
「誰が請求などするか、儂を誰だと思っておるのだ。「ラ」族のラ・リリルルフェ・ダンだぞ。
儂の術で城でも家でも生成してやると言っているのだ。
生成物には、防護の加護を掛けてやるから多少の事では壊れないような物を生成してやるから心配は要らんぞ。
こんなみすぼらしい国として機能すらしていない、ただの村みたいな個所を加護するのが、儂は我慢ならんのだ。
それに周辺国の加護者に儂が笑われてしまうわ。
儂は、小僧の国の加護してやる以上、加護対象は、それなりの立派で豪華な城と街でなければならんだろう。
だが、生成するにしても、国一つ丸々だし、少し遊び心がある仕掛けとか作りたいしな四~五日は掛かるだろうが、無償で立派な国を作ってやると言っているのだ」
「そっかタダならそれはいいな。
でもあまり派手な建物とかは要らないし機能性が無い建物は生成されても容赦なくルルに頼んで壊すからな。
う~ん一つ注文だけしとく。変なのにされてたら困るしな。
城は内装や小物とかは、結構豪華でもいいが、外観は凄くシンプルに頼むぞ。
金色でピカピカ輝いてたら嫌だし、どうせなら純白とかにしてくれるとありがたい。
それとその遊び心がある仕掛けとか凄い男心を擽る言葉だから一杯仕掛けとか作ってくれていいぞ。
例えば城内仕掛けを解除しないと永遠と同じ所を回り続けるとか。
あ!でも他人が迷うのとか良いが、自分が迷うのは嫌だし、秘密の通路を通れば各部屋に行けるとか、あとシンプルだが落とし穴があり外に排出とかも有ると面白いかもな。
ははは、隠し扉も欲しいな、あと隠し部屋とかあ~考えるとワクワクしてきた。
まぁ~そんな遊び心満載な城にしてくれ。
完成時にちょっと自分でも遊びたいし、その仕掛けとかは秘密にしてくれよ。
でも、これだけは守ってくれ仕掛けで怪我するのとか命を落とす物は無しだからな」
「なんだ小僧、もしかして儂と城の趣味が合うのではないか?。
儂の城もかなり遊び心があるのだぞ、壁がドアになるとか、床のある位置を突くと天井から階段が出てくるとか結構作り込んでいるんだぞ。今度小僧儂の城に来い絶対気に入るぞ。
よし何かやる気が出て来たぞ、完成するまで小僧は、国に入るなよ。
小僧の驚く顔が見たいからな・・・って儂はなんでこんな楽し気に人族と話しておるんだ、娘とやり取りしている様な感覚がしたぞ、全く不思議な男だなお前は」
「そりゃ~そうよ。私がシアキをこの世界に転生させる時に、私と波長がぴったり一致したから気まぐれで転生させたんだけど、これが思いのほか、私と話が合うのよね~楽しいのは当然だよ~。
しかし、男の遊び心とか~仕掛けとか~私はあまり興味ないから~、そこで休憩してるね~。 話し終わったら呼んでよ~」
手を振りながらエラルの家の玄関の階段に座り本当に興味なさそうにこちらを見ている。
いつもならこう言う話は面白そ~とか言って食いついてくる思っていたので、何処かまだ具合が悪いのではないかと心配になる。
「ルル、もしかして何処か調子が悪かったりすのか?。
さっき俺が瀕死になったのを直してくれた際、力使いすぎて体調でも崩したんじゃないだろうな?。
もし体調悪くて転移するのが疲れてて調子悪いなら言ってくれよ、俺も転移出来るんだからな」
「ん~調子悪くないよ?。
その男の遊び心とか言われても作るのシアキじゃないし興味ないだけだよ~。
一からシアキが作るなら興味あるけど作らないないんでしょ~だから興味ないだけ~。
正直シアキがしないんなら興味ないから話し終わるまで、ここで休憩してるよ~。
それより早く終わらせて、ご飯にしよ~、ラフェルちゃんの美味しい料理が冷めちゃうよ~」
本当にラフェルに胃袋を掴まれていると感じながら、そしてあの美味しい料理を想像しシアキも腹が減ってくるのであった。
「ははは、食い気だなルル、まぁ~仕方ないよな、ラフェルの料理だもんな。
あ~想像したら腹減ってきた~。
よし、じゃ~少しそこで休憩しててくれ、ちゃっちゃと済ませるから」
二人のやり取りを見て本当に自分の娘の興味はこの人族の男だけなのだと痛感する。
「ははは、流石儂の娘だ。しかし小僧が転生者だったとはな、道理で常識が通用しなかった訳だな。これで納得したぞ。
では小僧、娘は興味なさそうだしこれ以上待たせると怒りそうだしな。
国建設に必要な広大な土地を用意したいのだ、領域全部とは言わんが、その森の木々を半分以上は退けたいのだが、良いか。
この狭さでは、街も城も作れんからな」
「ははは、俺の事は「小僧」って呼ぶのは決定みたいだな。
作る際に条件があるんだ、この森の木々も街の街路樹や城の庭の木として使ってくれないか?。
あと定期的に移動出来るように木の道も作ってくれ。
それと国境結界があっても森の木々は自由に動けるようにしてくれよ。
一応作業中、森にはダンさんの指示に一時的に従うようにお願いするから、俺が木々を予め退けたら空間把握して何が建つのか予想ついたらそれだけで面白くないからな。
木々に命令出して退けるのはダンさんがやってくれ、その方が思うような物が作れるだろ。
俺も出来上がったのを新鮮な気持ちで見て驚けるだろ。
どうだろう森の木々の件は頼めたり出来るか?」
「ははは、面白い事を言うな小僧は、全て丸投げして、しかも木々を各所に使いその木の道も作れか・・それは、それで面白そうだな、よし約束してやる。
それに国境結界があろうとも森の木々は自由に動けるぞ。
一本も動けぬようにはするのは流石に儂でも出来んからな。
よし小僧をたっぷり驚かせてやるからな、楽しみにしておけ。
出来上がったら儂直々に呼びに行ってやる」
「よし頼んだぞ。後は俺が森にお願いするだけだな。
よし森~お願いがある。
ここで俺がお願いした事、全てを一旦、破棄する。出来るか?」
眼前の木一本が、肯定の三回揺らされる。
その光景を見ていたダンが感心するように頷き全てを理解し納得した様だ。
「ほうほうだから街の各所に木々が必要で、その木は命令一つで動くから通り道が必要なのか、実に面白い。
でもその木自体は話す事は出来ないのだな、そうやって揺らすのを利用して木と意思疎通をしているのだな」
「そうだ。だから各所に木々が必要なんだ。くれぐれもよろしく頼むぞ。
森~今から国境結界なる領域を展開してもらうから、その境目が分かったら肯定の合図をくれ。分からなかったら否定の合図をくれ。出来るか?」
眼前の木一本が、肯定の三回揺らされる。
「よし、ダンさんお願い出来るか?それと展開する時、モンスターとか領域外に追い出しながらとか出来るか?。
あとモンスター以外の人とかの小さな村や町があったらそれを避けれるか?」
「そんなの造作も無い事だ、円形に広げ、弾き出しながら展開出来るからな。
あとその小さな村や町を避けるのは面倒だな・よし少し探ってやるか。
・・・・う~んそんなのは無いようだ、一つ加護されてる国が近くにあるが、それ以外だと、あの一軒家位だ。 あとは森には多数のモンスターが居るだけだ。
では展開するぞ・・・・」
沈黙が流れた後、ダンの体が輝き出しそこから展開するように光が地面を駆け出し展開していった。
数秒後輝きが消える。どうやら展開が終了したようだ。
その光が消えると同時に、眼前の木一本が、肯定の三回揺らされている。
「よし終わったぞ、小僧どうじゃ・・木が揺れておるなどっちだ?」
「森その境界の境目に副って木々を隙間なく誰も入れないように一旦密集させてくれ。
終わったら肯定の合図をくれ」
眼前の木一本が、肯定の三回揺らされる。
「早いな、次俺が指で指示した方向に一本道を作ってくれ。終わったら肯定の合図をくれ。」
元の村の出入り口があった方角を指差す。
眼前の木一本が、肯定の三回揺らされる。
「よし、次だ、ここに居る獣人のエラル・ガオラスの指示する内容は、俺からのお願いだと思って全て聞いて実行してくれ。これは出来るか?」
眼前の木一本が、否定の一回揺らされる。
「う~ん、それは出来ないか・・・。
よし分かった、指定した人物と合言葉を決めるから、その二つの条件を満たしたら、それは俺がお願いした事だと思って聞き入れて欲しい?出来るか?」
眼前の木一本が、肯定の三回揺らされる。
「よしこれは出来るんだな。偉いぞ森。
じゃ~ここに居るこの獣人のエラル・ガオラスと言う女の子が「漆黒の刃風のエラルが命ずる」って言った時は、指示さらた内容を俺からのお願いだと思って実行てくれ?。出来るか?」
眼前の木一本が、肯定の三回揺らされる。
その合言葉を聞きエラルは驚きながらシアキに訪ねる。
「シアキお兄さん、その合言葉は駄目ですよ。
私まだシアキお兄さんのパーティーの仲間にすらなってないのですし、嘘になっちゃいますよ」
「あ~どうせただの合言葉だから気にしない気にしない。
それにエラルちゃんは強く成ったら俺のパーティーに入る予定だし、合言葉が先行しただけって思えばいいんだよ。
よし森次ぎのお願いだ。
ここに居るこの神族の男が「マムラ王国の加護者のダンが命ずる」って言った時は、指示さらた内容を俺からのお願いだと思って実行てくれ?出来るか?」
眼前の木一本が、肯定の三回揺らされる。
「よしよし、いい子だな森は。
森~その領域内は、俺達の国だ。
その領域内に侵入してきたモンスター全てを、領域外に追い出してくれ。
そしてもう一つ、後で作る国への街道となる道の両側を人が入れないように木々を密集させてくれ、もしそれでも道以外に侵入している奴が居たら街道に追い出してくれ。出来るか?」
眼前の木一本が、肯定の三回揺らされる。
「よしこれで終わりだな・・・。
あ!奴隷の罪人達のは処分方法があったか・・これはエラルちゃんが森に命令すればいいだけだしな。
その辺は後で臨機応変に頼んだぞ。
じゃ~ダンさん俺は国が出来上がるまでは、一切此処に来ないからな、どんなの感じになるか楽しみにしてるぞ。
あと街道とかもちゃんといくつか作っておいてくれな。あとは宜しく頼むな」
「任せておけ、小僧が驚くような、男の遊び心を擽りまくりの仕掛けをたっぷり城に施してやる。
だが、その前に小僧達と食事だろ」
「そうだな。じゃ~ルル戻るぞ。
エラルちゃん合言葉納得してないみたいだね。
まぁ~早くそうなるように、一日でも早く強くなればいいじゃん。
気にしない、気にしない、さぁ~宴だ宴、何も持たずでいいからな」
階段に座っていたルルが戻るぞの合図を聞き「お肉~お肉~お肉~」言いながら、悪戯っ子がするような、ニターっとする微笑みを見せながらスキップし向かってくる。
これは、悪戯するつもりだ。
恐らくダンをここに置き去りにするつもりだろう。
転移が出来るので、これはあまり効果がない悪戯だと思うが必ずするだろう。
黙ってエラルの手を握り準備を整える。
「ははは、ルルらしいな、そうだよな早くラフェルの料理が食いたいよな~
ま~俺も腹減ったし、早く帰ろうぜ、皿とか配膳を手伝わないと食えないからな」
「え!あ・・・」
急に手を握られた事によりエラルは尻尾をピーンとさせ、緊張しているようだ。
「あははは、じゃ~いっくよ~」
そしてそのままシアキに触れ、悪戯っ子がするニターっとする微笑みをダンに向け、二人のみを連れて転移して消えてしまった。
一瞬何が起きたのか分からなかったが、自分の娘の悪戯で取り残されたと悟る。
向うには反射結界があるので、転移しても弾かれる可能性があるが後を追う。
拠点の室内にルル達が転移で戻り、その次に驚きの表情を浮かべたダンが転移してきた。
「こら悪戯娘が、此処はお前の独自に張っている最高位の反射結界があるんだぞ。
弾かれるかもしてないと思ってハラハラしたではないか、悪戯が過ぎるぞ」
「あはははは、何その慌てた顔~おかしい~あはははは」
「ははは、ダンさんもうあんたは俺の国の加護者なんだ、俺達の事を疑わない為にも良し刺激になったろ。
まぁ~ルルはこうやって悪戯して驚かせるのが趣味みたいなものだ親なら分かるだろ。
しかし、そんな表情になるんだな、ははは、俺も国が出来上がったら、そんな表情が出来る程に脅かしてくれよ」
そんなやり取りをしている中、エラルだけは、部屋内をキョロキョロし、鼻をピクピクさせながら匂いを嗅ぎ、耳をピクピク動かしながら辺りの物音を聴いている。
台所から三名の声がする一名はラフェルだ、そして知らない人物二名分の声と匂いがする。
室外から十名?いや十一名分の足音が聞こえる。でも何だかおかしな足音が一名分交じっていると感じる。
玄関ドアが開き誰か一名こちらに向かって来る足音と何かを引きずるような音が聞こえてくる。
匂いを嗅ぎ覚えがある。これは竜人のフェンラであると確信する。
そしてリビング内でシアキの声がする事に気づいた、ラフェルとサジュラが台所から顔だけを出し、遅れてリムが顔をだけを出し、各々お帰りと挨拶をしてくれる。
そして玄関からフェンラが物音を聞きつけて戻ってきた。
全員の顔を見るなりルルはゆるゆるな口調で帰宅時の挨拶を済ませお腹が空いたアピールをする。
「みんな~たっだいま~私お腹空いたよ~早く食事にしよ~」
「ふふふルルちゃん、お帰り~もう下ごしらえの準備も済んでフェンラちゃんがお皿とか少しずつ持って行ってくれたから、あとパンが焼けたら、全ての食材持って外に行くだけですので、すぐ食事にしますから待っててくださいね。
そしてシアキさん、ダンさんお帰りなさい。
あとエラルちゃん、ようこそ~私達の拠点へ。
あれ?ジュダラくんは居ないの?。
あ!こんな所から半身だけで、すみません、ちょっとパン窯の火加減を見てますので、こんな格好でごめんなさい」
「マムラ様、ルル様、ラ・リリルルフェ・ダン様、お帰りなさい。
えっとそちらの獣人の方は初めましてですね。
私はマムラ様の冒険者パーティーの専属受付嬢のサジュラ・ルレイと申します。
私の事はサジュラとお呼びください。
後でまた改めてきちんと自己紹介させて頂きます。
あと私もこのような半身だけ出している状態で申し訳ありません」
台所から半身だけだしながら、一礼している。
「ご主人様、この様な態勢で失礼します。
無事にご帰還され、リムはとても嬉しいです。
ルル様、お帰りなさいませ。
ダン様、お帰りなさいませ。
えっと・・獣さん、初めまして私はシアキ様の専属奴隷のリムと申します。
あ!私はパン窯を見てまいります。
何かあればお呼びしますので、ラフェル様、サジュラ様は、ご主人様とお話しをしていてください」
そう言い残しリムは台所に引っ込んでいった。
その言葉に甘え、二人は何かあれば台所直ぐ戻れるよう入口付近に出る。
「お!戻ってきたのじゃな、シアキ殿、ルル殿、そしてダン殿、お帰りなのじゃ。
ん?エラル殿だけのようじゃな?もう一人はどうしたのじゃ?」
四名のお帰りの挨拶を終え、シアキは先程からの疑問であった何故専属受付嬢のサジュラが台所から出てきたのかを質問する。
「ただいま~皆、ジュダラくんは爆睡してたから連れてこれなかったんだ。
それより、サジュラさん、どうして台所に?別に料理の手伝迄しなくてもいいですよ。
ただでさえ色々と俺達の面倒な手続きを代わってしてくれるのに、それに加えて料理迄してもらうと気が引けますのでゆっくりしてていいですよ。
あと、このおっさんの事はダンて呼んで良いから!。 もう仲間みたいなものだし、仲間をフルネームで呼ぶのはおかしいだろ」
「なんじゃ小僧、・・まぁ~良いわ。
人族の娘よ儂の事は「ダン様」で良いぞ。
特別だ小僧の仲間からの無礼な対応は、今後すべて許すと決めたからな。 今後はそう呼ばせてやるぞ」
やはり何処か自分はシアキにお客様扱いを受けていると感じ、ゆっくりして良いと言う提案を全て否定し、出来れば自分も呼び捨てにしてもらい、仲間として取り扱ってほしいと思っている事を伝える。
「マムラ様、私も料理が出来ますので、手続きが無い際は、差し支えなければ、作るのを手伝いたいと考えています。私が料理の準備に参加するのは気にしないでください。
あとその出来れば・・私も一人の仲間として扱ってください。
これは私の我儘なんですが、私は皆さんの専属受付嬢として一緒に行動する仲間なので、出来れば皆さんと一緒で、呼び捨てにしてください」
実は呼び捨てにしようと思った事もあるが、一応仲間だろうが、立ち位置が専属受付嬢なので「さん」を付けて今まで呼んでいたのだ。
そしてサジュラが仲間として取り扱えと言っているが、もう仲間だと思っているが、今更敬称を取るのは気恥ずかしい。
「ん?十分仲間だと思っているんだが?。
急に敬称を取っ払うのも何だか味気ないな~・・何かゲームで決めてもよさそうだな。
う~ん、どんなゲームが良いかな~・・・思いつかないが食事時までには考えとくからそれまで待ってくれ」
「ゲームですか・・分かりました。では食事まで待ってます。
あとそれとですね、同盟調印書でどうしても食事前に全員の前で確認をしなくてはいけない事が出来まして、お仲間はこれで全員でしょうか?」
「ん?そうだな~ちょうど全員揃ってるよな?。
あ!シャボちゃんとアイもって事か?。
・・・アイは何処にいるか分からんしな~、まぁ~転移で連れてこれなくもないか。
よし待っててくれ今アイも連れてくるから」
何か勘違いし転移しそうだったので慌ててフェンラが止めに入る。
「シアキ殿、その必要は無いのじゃ。
食事前に我が皆に確認をしたい事が出来たってだけじゃ。
さ~さ~サジュラ殿は料理の準備とかをせねばならぬであろう。
後は我に任せてくれれば良いからの~。
これは我が、この夕食事前に確認をとらないといけないのじゃ、これは頭脳である我の仕事なので最も重要な事なのじゃ。
大将であるシアキ殿には、最後に聞くつもりなのじゃ、ここは理由を聞かず先に室外に行って、外に用意してある椅子にでも、どしっと座っててくれぬか?。
あと聞くのは、ルル殿とエラル殿とダン殿のみなのじゃ。
この三名に先に確認し我の中で少し噛砕いて考えたいのじゃ、分ってくれぬか?」
凄く真剣な表情で言っているので、任せる事にする。
「ん?、フェンラ何か隠してるな?。
まぁ~いいや、その顔と眼を見てば分かる、何か面白い事なんだろ~、期待しているぞ。
じゃ~先に外に出てるから、その密談ちゃんとやれよ。
本当に楽しみにしてるからな。
エラルちゃん、皆への紹介とかは、食事時にしよう。
フェンラも何かやるならもっと表情隠す方が良いぞ。
それに、後ろのルルが相当腹減り減りで、限界って顔してるから、俺は先に外で待ってるぞ」
「え!・・はい、私の紹介は食事時にお願いします」
後ろに居るルルの顔を見ながら嬉しい時の尻尾の振りのブンブン回している。
「うんうん、エラルちゃんゴメンね~私のお腹がラフェルちゃんの美味しい料理を欲してるの~限界なの~。
フェンラちゃん、何?面白い事を考えてたのか、知らないけど~早くしようよ~。
・・・もぉ~シアキは早く外に出てって~始まらないでしょ~。
聞いたらすぐそっち行って美味しい美味しいお肉を食べるんだから~先に少し焼いてて~お肉~」
「そうだな。 じゃ~先に行ってるぞ。 向うに食材のお肉があれば、俺でも肉位は焼けるだろうしな焼いててやるよ」
片手をあげ振りながら玄関へ向かっていく。そして扉が閉められる音を確認し、小声でフェンラが先の全員でしている賭け事の話しを出す。
「よしシアキ殿は行ったようじゃな、では三名に確認したい事を聞くからの~。
コホン。我等は少し食事の一品を賭けて、賭けをしておるのじゃ。
内容はこうじゃ。
国間の同盟の際、相手国から同盟徴収金のお金を、シアキ殿がそれを貰うか、貰わないかじゃ。
ちなみに同盟はラフェル殿の国とも今後同盟する予定じゃ、その事も考慮して答えてくれなのじゃ。
賭けれる食材は、お肉、スープ、サラダ、生野菜、パンのどれか一品を賭けるのじゃ。
そして今サジュラ殿とダン殿の近衛の九名はお肉を賭けて「貰う」に賭けておるのじゃ。
それ以外全員肉を賭けて「貰わぬ」に賭けておるのじゃが、お主ら三人はシアキ殿が、どちらを選ぶと思うかの~」
「ははは、何だその賭けは。
全く面白い連中だなお前達は、・・よし、その賭け乗ったぞ。
考慮するのは小僧の仲間のそこの娘の国と同盟するという事だな。
・・・ははは、あの小僧なら要らぬと言いそうだな。
よし儂は、肉を賭けて「貰わない」だ」
「ダン殿は鋭い勘の持ち主じゃな。お肉を賭けて「貰わない」じゃな。
ルル殿はどうじゃ?」
「あははは、何?何?それ~どうして面白い事やってるの~。
そんなの決まってるよ~「貰わない」だよ~。
私はお肉増し増しで賭けるから、正解したら一杯今日はお肉食べるからね~。
今日はお肉パーティーだ~やった~ラフェルちゃん野菜は用意しなくて良いよ~」
「駄目ですよ、ちゃんと野菜も食べないと、ルルちゃんのお肉は焼きませんからね」
野菜を食べなきゃ駄目と言われ、ガーンっと言うような表情を見せるルルであった。
「ははは、ルル殿何じゃその顔は!お主野菜は嫌いなのか?。
でも、サジュラ殿とダン殿の近衛の神族九名分のお肉は我等の物じゃし、お肉、お肉、お肉、お肉、野菜、お肉、お肉、お肉、お肉、で食せばよいではないか。
では、最後にエラル殿はどう思うかの~」
「私も「貰わない」だと思います。
シアキお兄さんなら、ラフェルお姉さんの国と同盟する前提で物事を考え行動すると思いますので、他の国に文句を言わせない為に、貰わないって言うと思います。
う~ん、賭けるのは、お肉は正直食べ飽きてますので、パンを賭けて「貰わない」に賭けます。
こんな美味しそうなパンの匂いは嗅いだ事がないので、是非私はパン祭りにしたいです」
全員が賭ける内容が決まった所で、リムが台所からパンが焼けそうだと伝えてくる。
「ラフェル様、サジュラ様、パンがもう少しで出来上がると思います。
すみませんが、私ではこのパンの焼き加減は分かりませんので、見て頂けませんか?」
台所からリムがパンが焼けてきていると言っているので、慌ててラフェルとサジュラは台所に戻って行った。
そしてパンが出来上がったとラフェルが台所からリビングに向かって伝えてくる。
「丁度パンも焼けましたよ~。
じゃ~食材とか持って全員で外へ行きましょう。
また、この机に食材とか持ってきますので、フェンラちゃん食材とか運ぶの手伝ってくださいね。
エラルちゃんも運べるならフェンラちゃんと一緒に手伝ってくれるかな?。
そしてルルちゃんは何もせず、先にシアキさんの所に行って座って待っててくださいね」
「あ、はい任せてください」
嬉しそうに尻尾を振っりながら台所へ向かおうとしたので、慌ててフェンラが制止する。
なぜ静止したのかだが、思った以上に台所内では尻尾は邪魔になるのだ。
先程フェンラは尻尾で物を引っ掛け包丁が床に落ちたり皿を落としたのだ。
「エラル殿!、台所には入らぬ方が良いぞ、我も先程入って尻尾で色々と引っ掛けて包丁を床に落としたり、皿を数枚割ってしもうたからの~。
ここの机まで、ラフェル殿とリム殿とサジュラ殿達が皿やらを持ってきてくれるので、それを持って配膳の手伝いをするのがこのパーティー内における、尻尾がある者の役目じゃ。
結構尻尾は知らぬ間に、何処かに当たってしまうからの危険なのじゃよ、特に台所は刃物が多いでの~。
しかし尻尾も無いルル殿は何故手伝わぬのじゃ?」
「あははは、ゴメンね~私がやるとお皿とか食材とかすぐ床に落としたり壊したりしちゃうからね~。
このパーティー内では私は食事時は何もしない事になってるんだよ~」
「ははは、ルル殿はそこが弱点じゃったか。
良い良い、我も料理は丸焼きだけで苦手じゃし、あのような台所では尻尾があるので動き回るのには不向きなのじゃしな。
配膳もこうやって少しリレー形式を取らぬといかんのじゃ、各々が出来る範囲でやればよいのじゃよ」
そして各々自身が出来る範囲の事をし、各種食材を持ち外へ向かうのであった。
--- 33話目のみの後書き----------------------------------------
33話目最後まで読んでくださりありがとうございます。
どうでしたか?楽しんで頂けたならうれしいですが。
では、次34話目で、お会いしましょう。。




