---35--- 拠点 宴 仲間の加入承認は意外と・・・!
誰も座っていない後方の簡易的に板と丸太等で作られた長椅子がある方へ三名は歩いて向かう。
何故わざわざ皆の輪から離れているのだろうとサジュラは思うが、前を先に歩かれているので、仕方なく着いて行っている。
この特殊能力で職を弄る事を知っているエラルは恐らくは、神族達に聞かれたくない相手が居るので、聞かれない場所まで移動しているのだと考え一切疑う事無く嬉しそうに尻尾を振りながら後を着いて行く。
少し全員から十分離れ盗み聞き出来ないと思われる後方に設置されている長椅子に腰を下ろす。
一応聴力は自分と同じだと考えはしているが、もしもの事を考え聞かれても良い最低限の内容で、且、向うに聞こえない小声で話す。
「えっとサジュラさん、ここからはダンさん達に聞こえないように小声で話そう。
一応、パーティー加入承認のやり方の再確認をしたいだが、パーティーリーダーである俺が、加入予定の者となる者とお互いの個人情報クリスタルを合わせあい「加入承認」っと言えば良いんだよな?」
「はい、その通りです。
パーティー加入のやり方は個人情報クリスタルを合わせ合い、パーティーリーダーのマムラ様が「加入承認」と仰れば加入は完了します。
では、私のパーティー加入承認の方、よろしくお願いします」
ちゃんと小声で話し、一礼をした後に、個人情報クリスタルを出し差し出される。
その行為を確認し慌てて自身の個人情報クリスタルを出し、合わせあい「加入承認」と小声で叫ぶ。
数秒間合わせ続けているが、何も起きない。不思議に思いサジュラの顔を見る。
何かを察したのだろう微笑み加入が完了した事を伝えてくる。
「はい、ではこれで私のパーティーへの加入は終わりましたので、次に私はエラル様の冒険者登録をやってみますね」
その返答を聞き耳を疑う。
加入完了で二人の体が発光したり、お互いのクリスタルが発光したりする事もせず、ましては加入と同時に勝手に内容が展開されれ、強制閲覧状態にもなる気配すらない。
今迄、直接誰かを仲間にする為に加入行為となる契約と言うのは、奴隷契約しかした事が無いが、契約の際、手続き開始や完了時に必ず何かしらの発光があった。
それにルルの回復術や知恵力を高める術の各種魔法等も何かしら体が発光したりしていたので、こんなに呆気なく終わって本当に加入できているのか不安になる。
「!え、ちょ、ちょっと待って、ちょっと待って、サジュラさん。
パーティー加入完了時に、このクリスタルが光ったり、何かこうパーって内容が強制展開したりとか、目に見えてこれが終わりですって分かる事は起きないの?」
「はい、その様な事は一切起きません。 呆気なかったですか?。
そもそも魔法や奴隷契約ではありませんので、ただの手続き系は、意外と地味でこんな感じなんです。
それに戦地で暗闇とかで冒険者同士で臨時にパーティーを組んだりする事もあるでしょうし、発光したりしたら敵やモンスターに居場所を知らせるみたいなものですしね。
これは世界共通ですので、加入や脱退又は手続き系は、こんな感じと思ってください」
この事実は凄い裏切られた感がある。冒険者としてパーティーと組むのにこんな呆気なくていいものなのだろうかと思う
「ははは呆気なくて拍子抜けだな。
一応サジュラの個人情報クリスタルの内容を開いて見せてくれないか?。
疑うんじゃなくただの好奇心ってやつで、本当に加入出来たのか確認してみたいんだが見せてくれるか?」
「あ!はい、分かりました。どうぞご覧ください。」
展開された内容を確認する。
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サジュラ・ルレイ
[17歳][女性][人族_人族_人]
[主職] 冒険者
-[出身国]-----------------------------------------------
フジイデ王国
-[各国交通行許可有無]-----------------------------------
フジイデ国、入国通行許可
-[備考]-------------------------------------------------
漆黒の刃風専属受付嬢
-[冒険者情報]-------------------------------------------
漆黒の刃風パーティー所属
5位階クラス冒険者
--------------------------------------------------------
確認すると確かに「漆黒の刃風パーティー所属」となっている。
この世界においてこの個人情報のシステムは実に曖昧だとつくづく思うのであった。
「マムラ様、私は受付嬢から冒険者になってしまいが、本当に登録作業が出来るのでしょうか?」
自身の情報を再度見て不安そうな顔をしながら訴えてくる。
「ん?あ~大丈夫だよ。今から俺の特殊能力使って、サジュラさんの職に関するステータスを見せてもらうからね。
今は各種強さとかの項目は見ないからね。主職と副職だけを少し弄らせてもらから。
・・・あはは不思議そうな顔だね、まぁ~何言ってるか分かんないよな。
えっと俺の能力については、ダンさん達が戻ったら食事後に仲間だけで今後の打合せやらの会議とかするつもりだから、そこでちゃんと説明するから今は聞かないでくれ」
「はい、分かりました。
では、その特殊能力で職を見て弄るでしたっけ?それを、お願いしていいですか?」
何を言っているのかが全く理解出来ないと言わんばかりに、疑問符を一杯頭に付けた表情をみせる。
本当にそんな事が出来るのだろうかと疑いの目をしているが、一応了解の意を示し頷いてくれている。
当然こんな能力理解出来るわけがないので、その疑うような表情は実に正しいし。
自分でも言われたら信じないだろう、そんな事より一応の了解を得る事が出来たので、サジュラのステータスを開き内容を見る。
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サジュラ・ルレイ
[17歳][女性][人族_人族_人]「火属性」
-----------------[上書き][削除][書き換え][接続][切断]---
[主職] 受付嬢 Lv2
[副職]
-[副職予備選択]-----------------------------------------
冒険者 Lv1
-[装備]----------------------------[▽開く][▲閉じる]---
-[保有アイテム]-----------------------------------------
-[能力]----------------------------[▽開く][▲閉じる]---
-[取得能力]---------------------------------------------
各種冒険者手続き&登録 各種手続き
生活魔法 料理全般調理
-[備考]-------------------------------------------------
この国での名前の読み方規則「個人名+個人家名」
漆黒の刃風パーティー所属
生体に防護の加護が付与されている
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確認するとやはり、今迄の経験上分っていた事だが、主職欄は、受付嬢になったままで、副職予備選択欄に冒険者がある状態だった。
やはりこの世界の個人情報内容は全然当てにならないという事がこれで、はっきりした。
副職に冒険者を入れつつ、備考欄にリムと同様「生体に防護の加護が付与されている」とあるので、多少の事では無傷で済む状態であると把握し、ステータスの上書きをした閉じる。
しかし防護の加護を受ける前に、ダン達の前にサジュラを出していた事を思うとジッとする。
もしあの時、サジュラが薙ぎ払いの衝撃で、少しでも飛んでくる物とかに掠りでもしたら。致命傷を負い確実に即死していたであろう。
そう考えただけで背筋に冷たい物を感じるのであった。
「主職は受付嬢になっているから、問題なく各種手続きとか、冒険者登録は出来るよ。
その個人情報クリスタルの情報は相当当てにならないみたいだな。
誰が作ったんだ文句言ってやりたくなるがそれはいいか。
えっと~あと副職を冒険者にしたんだけど、恐らく人族だから弄らないと即死は免れないような体力値だと思うから・・。
・・・って言っても分かんないよな今。
よし、取敢えず、これで俺達の漆黒の刃風の冒険者仲間になったし、これからは、サジュラって呼び捨てにするけどいいよな?」
やはり言っている事が、一つとして理解出来ないが、其れより何よりも早速呼び捨てにされた、その言葉の響きに酔いしれて、やっと仲間として扱われたと実感するのであった。
「え!あ、はいその先程から言われている事が一つも理解が出来ないので、ダン様達が戻られた後、その色々説明してください。
あとマムラ様、寧ろ私の事は呼び捨てにして皆さんと同じように呼んでくれないと折角冒険者になった意味がないじゃないですか!。
これから私の事は、ちゃんと「サジュラ」と呼び捨てにして呼んでくださいね。
では、エラル様の冒険者登録出来るか試しますね。
マムラ様が出来ると仰っているので、恐らくは出来るんでしょうが、やはり少し不安ですね。
あ!いえ疑っているんじゃないですよ。
仰っている事は全面的に信用も信頼もしています。
ただもし登録が出来なくなっていたらと思うと、マムラ様のお役に立つ事が出来なくなる事になるので、それが少し不安になっただけです。
あはは、えっとエラル様、今から冒険者登録をさせて頂きますので、情報クリスタルをお出し頂けますか?」
その指示に従いエラルは自身の個人情報クリスタルを出す。
このまま此処で冒険者登録作業が完了した際、計画を実行しても、皆から離れすぎている。
また皆の前で個人情報クリスタル出させるのは不自然さが出てしまう。
良い口実をとしては先に戻り登録が終わったら来てもらい、職が変わってないかを皆の前で確認したいと言えば、確認の為、見せてくれるだろう。
先程当てにならないと言ってしまったので、ステータスだけ確認すればいいのではと言われるかもしれない。
そこで思いつく最もらしい理由を付けておくことにする。
「俺の呼び方は、そのままなんだな・・・まぁ~いいか。
しかし今までも仲間だと思ってたんだがな~、そんなに呼び捨てが良かったとはな。
まぁ~これからよろしくなサジュラ。
エラルちゃん、俺は皆の分の肉を焼きに先に戻ってるから、冒険者登録が終わったら俺の所まで来てくれ。
個人情報クリスタルの内容は何か曖昧ぽいから、その時、一度内容を確認させてもらえるか?。
エラルちゃんはステータスを事前に弄っているから、下手すると副職が外されたりして職が変わってしまうかもしれないからな。
もし主職や副職が変わってしまってたら、ちゃんと戻しておかないと強くなれないだろうしな」
「あ、はい、分かりました。
お兄さんの能力で私の職とか先に弄ってもらっているんですものね私。
この冒険者登録で職が変わるかもしれないんですよね、分かりました。
では、終わったら確認してもらいに、すぐに行きますね」
納得してくれたようなので、これで個人情報クリスタルを出すのは、確認の為と思ってくれているので、違和感を持たれないだろう。
「じゃ~サジュラ、あとお願いするな」
「は、はい~、マムラ様、お任せください」
何処となくウキウキしている様な印象だが気のせいだろう。冒険者登録を頼み、急ぎラフェル達の下へ戻る。
そこには肉の番人と化したフェンラとルルが次々と焼かれた肉達を幸せそうに食している。
「お前ら本当に幸せそうだな、肉は十分な量、食い切れるか心配になる程あるんだから、そんなに次々食べなくても、じっくり噛みしめて食えばいいのに。
あはは、本当にうまそうに食ってるな。その調子なら俺が食べささなくてもいいんじゃないのか?」
「ふぉふぃふぃふぇふふぉ!ふぉふぇふぉふぉふぇふぉふぁふぇふふぁふぉ・・ゴックン、も~」
‐解説‐何言ってるの!それとこれとは別だよ・・ゴックン、も~
「ふぉふふゃふぉ。ゴックン」
‐解説‐そうじゃぞ。ゴックン
二人は、慌てて肉を飲み込み抗議する。
折角取り付けた至福の時間が無くなっては困るのだ。
「冗談だ、そんな慌て飲み込むなよ。喉に肉を詰まらせちまうぞ。
あと、エラルちゃんの冒険者登録が終わったら、すこし面白いものを見せてやるからな期待しておけよ」
三名共シアキが悪戯っ子の様な眼つきになっているのを見て何かしらの悪戯をするようだと察する。
本当に冒険者登録はすぐに終わったようで、嬉しそうに尻尾を振りながら、こちらに向かって来る。
「シアキお兄さ~ん、冒険者登録が終わりました~、はぁはぁはぁ」
「そんなに急いで走ってこなくても今日中に確認出来ればいいんだぞ。
じゃ~早速だけど確認させてくれるか?」
予め自身の個人情報クリスタルを後ろ手にし掌に隠すように持ちエラルにそっと近づく。
指示通り確認してもらう為、エラルは個人情報クリスタルを出す。その瞬間。
出された手を引き寄せ、エラルの個人情報クリスタルに、自身の個人情報クリスタルを合わせ「加入承認」と叫ぶ。
一瞬引き寄せられた事に驚き、何をされたのか分からず、呆然としていたが、しばらく考えた後、無言のまま動作が極端な程、ゆっくりとになり、恐る恐る自身の個人情報内容を開き見ている。
完全に思考が停止しているのだろう、高速で瞼を瞬かせながら凄い震えている。自分の展開している個人情報内容とシアキの顔を交互に見ながら言葉にならない、噛み噛みな悲鳴をあげている。
「え!あ・・えぇ~、しょんなぁ~えぇ~!」
この事態を、いやこの悪戯内容がどういう意味であるか把握したのだろう、ルルが笑いだす。
「ぷふぁはははは、エラルちゃん何~その変な声~。
あと何そのゆっくり動くのとか~、ぷふぁはははは、もう可笑しすぎ~。
エラルちゃんは、思考停止する程驚くとそうなるんだ~あははは。
ぷ、ぷふぁはははは、もうダメ~思い出したら吹いちゃうよ~。
はぁ~はぁ~はぁ~もう笑いすぎてお腹痛いよ~。
でもでも、良かったね~シアキからプレゼントだね~。
ん~んコホン、改めて、ようこそ~私達のパーティー「漆黒の刃風」へ歓迎するよ~。
これでエラルちゃん発言権を得たって事だね~。ぷ、ぷ、ぷふぁはははは~。
もうダメ~えっと後でシアキに説明してもらって~ぷ、ぷ。
ぷ、ぷふぁはははは、もうダメ~だ~エラルちゃんのその動きダメ~思い出して吹いちゃうよ~」
もう腹を抱え盛大に大笑いしているので、肝心な事を言っていたのだろうが、耳に入ってこず、笑いが移ってしまい思わず吹いてしまう。
「ぷふ、ご、ごめんね~ルルちゃん笑いすぎです。
思わず少し吹いちゃったじゃないですか~。もぉ~。
エラルちゃん良かったですね。
私も歓迎します。 ようこそ、私達のパーティー「漆黒の刃風」へ。
でも、シアキさん、やるなら事前に教えといてくださいよ~。
私も何かお祝いの花とか用意してあげたかったですよ」
「ははは、シアキ殿も、その悪戯っ子の様な眼をするのは、やめた方が良いぞ。
お主も我の事は言えんぬな、やる前にあんな悪戯するぞ的な眼をしておったらやる前からバレバレじゃぞ。
エラル殿良かったの~これでお主も漆黒の刃風の一員じゃな」
「はははは、あの眼つきは、ワザとだぞ。
いや~エラルちゃんは、本当に心底驚いた時は、そんな風になるんだな。
凄いゆっくり動いてて面白かったぞ。
エラルちゃん、いやエラル、漆黒の刃風へ、ようこそ、今日から漆黒の刃風の一員で俺達の正式な仲間だ。
ん?まだ固まってるな、しっかりしろ、これは現実だぞ。
ちょっとした、俺からのサプライズプレゼントだ。
ははは、まだ思考停止中ぽいな、よしこれは夢じゃないからな~食べ物にも、ちゃんと味があるぞ~。
ほら口を大きく開けて~ア~ンして、はいこの肉を食べて~よく噛んで~、噛んで~、噛んで~、飲み込む。
そうそう、はい、次もう一枚、はい、ア~ンして、そうそうよく噛んで~、噛んで~、噛んで~、飲み込む。
どうだ?味あっただろ?、ははは、少しは落ち着いたか?動揺しすぎて肉の味が分からなかったか?。
でもこれは現実だぞ、戻ってこ~い」
キョロキョロと辺りを見渡し高速で瞬きをしながら、肉を咀嚼している事で思考がすこしずつ戻ってきたのだろう。
肉を食べつつ、徐々に現実に戻ってきたようで、不意に大きな声で名前を叫ばれシアキは、ビクンと少し跳ねあがってしまった。
「シアキお兄さん!」
「!っビクリした~、ん?どうした?」
「な、な、何で、私がシアキお兄さんのパーティーに加入してるんですか?。
私まだ約束通り強く成ってません。このままじゃ足手纏いで、ただのお荷物じゃないですか。
私は、こんな形での正式な仲間にるは嫌です、脱退を希望します。
加入は無かった事にしてください」
混乱していたが、事実を捉えて発言をしている所は褒めてあげたいが、これは考え合っての行動なので提案内容を却下する。
「その本質はそこじゃないから脱退についての提案は却下だ。
これはそうだ!国王である俺から国民エラルに対しての最初で最後の命令だとでも思って受入れてくれ。
それにパーティーの仲間入りはしたが、今まで通りエラルは引き続き修行して強くなるって事は変わらないから、冒険に一緒に連れて行く事はしない。
何で加入させたかは色々理由はあるんだが、簡単に言うと、国になった以上、発言権がある程度ある者は必要になってくるからな。
そのエラルには、発言権が高い状態になってもらったって感じかな。
国となった以上他国の外交官とかが、外交交渉に俺達の国にやって来る事は予想される事だってのは分かるか?。
ただの一国民のエラルが外交人相手に交渉発言しても、恐らくだが、発言権が無い者は相手にしないとか、馬鹿にしているとか言われ戦争の火種にされる事は目に見えているからな。
そこでだ。国の国王がパーティーリーダーを務める、そのパーティーの仲間で発言を許可されているとしたらどうだ?。
箔が付いて、発言力に重みが生まれ交渉もスムーズに出来ると思わないか?。
まぁ~交渉の際、俺達がすぐ戻れれば問題ないけど、戻れない事が多いはずだしな。
きっと、その時をわざわざ狙って狡賢い奴なら外交に来るだろうしな。そして不在で対応がどうだとかありもしない理由を付けて争いだ~とか言いそうだろ。
そこで、国で修行中の俺達の仲間であるエラルがの出番って訳だ。
発言権のある者を、わざわざ国に置いているっと、外交する奴なら勝手に解釈し一目置いて丁寧な対応をしてくれるだろうしな。
正直俺の性格とか理解出来ている仲間と認めた者の行動や発言しか俺は信用しないしな。
まぁ~仲間がその交渉で失敗して、相手と争い事になったらそれはそれで楽しいしな。
これが信用して無い奴によって引き起こされたら、俺は全力で無視して自国民が亡べばいいとしか思わないと思うんだ。
あとな、これだけは理解しててくれ。
俺が今信頼しているのは、国民の中では「エラル」と「ジュダラくん」だけだ。
そして此処に居る俺の冒険者仲間の「ラフェル」「ルル」「フェンラ」「サジュラ」。
あと、俺の専属奴隷である「リム」。
それとモンスターだが「シャボちゃん」。
それからおまけで、俺の国の加護者である「ダンさん」だけだ。
あ!忘れてた!それと「アイ」もだな!。
よし、こんな真面目な話はもうここで終わりだ~腹が減ったから、飯だ、飯、肉を食うぞ~。
あとエラルには、二口ア~ンして食べさせたから終わりな、あとよしよしだけしてやるな」
そう言いながら頭をよしよし撫でられる。
「え!えぇ、私そんなの覚えて・・・あ!確かに食べさせられ・・でも、あんな状態で食べさすなんてズルいですよ~」
色々質問や抗議したい事があったが、それより何よりも、あの思考停止状態で、幸せな時間であるであろう。
ア~ンして食べさせてもらう事が既に終わった事がショックでたまらない。
「エラルちゃん、駄目だよ~二口食べたら終わりだよ~。
ふふふ、じゃ~じゃ~今度は私、私だよ~。
さぁ~シアキ~早く、早く~、ア~ンしてるから食べさせて~。
ちゃんとお肉はふぅ~ふぅ~して冷ましてね~ふふふ」
子供が対応するように、びしっと右手人差し指だけを相手に向け、左手は腰に、前かがみで宣言している。
大人がやると実にお子様っぽいと言うか馬鹿にしたような態度だと思うが、逆にこの場を流すにはこの対応がベストだと思う。
そして実に嬉しそうに口を大きく開けて肉を食べさせて貰うのを待っている。
「ははは、エラル、今度また俺が罰を受ける時まではもうしないぞ。
よし、じゃ~ルルからな、その次はラフェル、その次はフェンラ、その次はサジュラ、その次はリムでいいな。
最後シャボちゃんは、肉を食べれないから、よしよし、だけしてやるからな。
はぁ~結構恥ずかしいなこれ。流石にこれは凄い精神攻撃してくる罰だな。
じゃ~ルル、ふぅ~ふぅ~、はいア~ンしてってもうしてるか」
既に開けられている口に肉を入れる。
「ぅう~ん、美味し~、シアキにこうやって食べさせて貰ったらお肉が数段美味しく感じるよ~。
はい、次~ア~ン」
本当においしそうに眼をトロ~ンっとさせながら食している。
その姿を見ているだけで、腹が減ってくるシアキであった。
空腹時に、こんな美味しそうに眼前で肉を食べられては、地獄だ。
精神攻撃と空腹感のダブル攻撃は罰としては最適だ。
流石頭脳としてのフェンラだ、こういう精神的な罰を考える天才なのかもしれないとシアキは一人で納得している。
ただの鈍感なだけだと心がもし読める仲間がいたら、口を揃えてこう言ってくれるだろう、「鈍感すぎ」っと。
「はい次は、ラフェルだな。ふぅ~ふぅ~、はい、ア~ンしてくれ」
可愛く少し恥ずかしそうに見上げるような態勢で口を開けてくるので、その口の中にお肉を入れる。
こちらもトロ~ンした眼をし、実に美味しそうに咀嚼している。
「ぅう~ん、本当により一層お肉が美味しく感じますね。
あ~次最後ですね・・よく噛みしめて食べないとですね。
ではシアキさんお願いします。ア~ン」
「う、ホント腹減ってきた~。皆美味しそうに肉を食べ過ぎだぞ。
次フェンラだな、ふぅ~ふぅ~、はい、ア~ンしてくれ」
食べる前から既に目がトロ~ンとし、口を開け今か今か待っている。
余程フェンラは肉が好きなのだろうと、シアキは勝手に思い込み、肉を食べさせる。
「んぉ~美味しいの~これは格別じゃの~。ほれ、次じゃア~ン」
「はははフェンラは本当に肉が好きなんだな。
よし次サジュラだな。 ふぅ~ふぅ~、ほれ、ア~ンしてくれ。
ははは、そんなに恥ずかしがるな、やってる俺が一番恥ずかしいんだからな」
モジモジしながら赤面しつつ口を開けて待っている。
「あ、ありがとうございます。美味しいですね、ですが何故これが罰なんですか?」
そのサジュラの疑問に慌ててフェンラが答える。
ここで、これは自分達へのご褒美だと鈍感王であるシアキに悟られては今後この手の事が出来なくなるので、美味い言い訳を考え返答する。
「な、何を言っているのじゃ、サジュラ殿は、これはこのパーティー内では最も有効な罰なのじゃ。
そうこれは、我らに心配させたシアキ殿にしか有効でない精神と空腹を我慢させるという効果的な罰なのじゃぞ」
言葉通り鈍感王は解釈し援護している。自分で援護する辺りが鈍感な証しだ。
「そうだぞ、フェンラの言う通りだ。
俺今皆のお美味しそうな顔を見て空腹を我慢しつつ、食べさせるこの恥ずかしさも我慢しているんだ。
サジュラも仲間に迷惑かけた際、この罰をしたら分かるはずだ。
凄い精神にダメージがあり効果的だとな。
さすがフェンラだ、こんな効果的な罰を思いつくとは感心してしまうぜ。
ほれ、もう一回分残ってるぞ、ふぅ~ふぅ~それア~ンしろ」
この発言で、このマムラ・シアキという人物が鈍感である事が分かった。
そしてこの三名の女性陣は、それを利用して、分からない程度に、自分へのご褒美を受けているのだと言う事が判明した。
「・・・何となく、言いたい事が分かりました。
大変おいしかったです。マムラ様、有難うございました」
「よしリムだな次ぎ、ふぅ~ふぅ~はいア~ンしてくれ。?どうしたリム」
これは確実に自分へのご褒美である。
この主人達と居ると、本当に奴隷である事を忘れてしまいそうになる。
もしその事を言うと、ここに居る人達は、口を揃えて「そんなのは忘れて良い」と言われるだろう。
本当にそうであろうか?主人が居なくなれば直ぐにでも屠られはしないであろうか?。
今後お供する上で主人の仲間達は、このような行為全般を全て許してくれるかもしれない。
でも、主人の仲間以外の他者がその行為の見たら、不快に思い確実にこれを口実に争いを仕掛けてくるはずだ。
いくら主人が仲間として接するよう言われていても、この行き過ぎた行為は、主人に迷惑を掛ける危険性が最も高い行為だと分かる。
ここはしっかりと奴隷としての主人の危険性は最低限度排除しなければならない。
主人には最も最善を選択してもらわなければ自分の死にも直結するのだから。
だが、そもそも主人の命を断る事は奴隷としてあってはいけない行為だ。
発言を正したとなれば、反抗したとみなされ、死は直結だろうがこの主人とその仲間達はそうはしない意見として聞き入れてくれるだろう。
断る口実が思いつかないが、罰を受けるなら自分である事だけは分かる。
考え込み沈黙の時間をこれ以上取るのは得策ではない。
今考えつく事を素直に主人に述べ選択してもらう事にする。
深々と頭を下げ考えを述べる。
「ご、ご主人様、申し訳ありません。 私はそのような行為をお受けする事は出来ません。
いくらご主人様からのご命令でも奴隷がご主人様のお手を煩わし、お食事を食べさせて頂くなど、私にとっては最大級のご褒美になってしまいます。
私は先程、ご主人様の盾となる事が出来ずご主人様に大怪我をさせてしましました。
罰を受けるのであれば私が受けるのが筋です。
そのご主人様の罰を私がしてはいけませんか?。
本来奴隷が主人の口に食事を運ぶ事も侮辱行為であるのは十分承知しております。ですが、罰は私が受けるべきです」
表情と感情を殺し、行為をさせない様に訴える。だが眼はして欲しいと訴えている。感情を殺し切れていない。
これはどうも奴隷の習慣で拒絶しているのだろうという事は分かる。
「う~んご褒美になるんなら、それでいいじゃないか?。
これは俺が仲間全員に心配させた罪滅ぼしの罰なんだからな。
リムに食べさせて貰うのが嫌だとかじゃないぞ。寧ろ後で食べさせて貰うからな。
それに、「リム」いいかよく聞けよ。
あの状況で、もしお前が俺の盾として俺の前に飛び出る行動をしていたとすると、ルルの初撃を邪魔する事になり、ここに居る仲間のラフェルとフェンラとサジュラの三名は確実に死んでいた。
そして止めに入るであろう、ルルが大怪我をし行動出来ず、俺一人になった所を、ダンさんに攻撃され死に、パーティー全滅していた可能性があるんだ。
あの状況は、俺が仲間全員を死なせない為に最善と思って、独断行動したんだ。
これはリムの奴隷の主人としての二つ命令するぞ、良く聞け。
一つ目は、今後絶対、俺やルルの指示がない限り、敵の前に出たり、相手の力量が分からない時は盾になるような行為は一切するな。
二つ目は、俺達が敵と対峙している際は、指示がない限り、自分の命の安全を最優先に行動してくれ。
どんなに相手が俺達に侮辱する挑発行為をして来ても、気にするな。
リム、お前と俺の仲間達全員が命ある状態で居てくれて、楽しく冒険出来る事が俺は何よりも嬉しい事なんだ。
俺にとって、常識や体裁とかは正直どうでもいいんだ。
もし「自分の仲間の命」と「誰とも知らない世界全員全ての命」のどちらか一方をしか助けられないと二択を迫られたら、迷わず仲間と答えるからな!。
その仲間の中には、リム、お前はちゃんと含まれている。
よし硬い話はこれ位にしてっと。
さぁ~リム、俺の事を心配してくれるなら、早くこの精神攻撃が凄い罰から俺を解放してくれ。
その方法は簡単だ。リムが俺の手から、肉を二回食べてくれるだけでいいんだ。
今回は俺を助けると思って二口肉を食べてくれないか?」
奴隷であるので、主人のはっきりと出された命令は絶対だ。
今後二つの命令は順守すると誓う。
だがルル以外の女性陣に、奴隷であるのに、その主人であるシアキに恋心を抱いているのがバレている。
まだこの気持ちは、ルルと自分の主人には一切気づかれていないのだが、もしこんな夢のような事を主人の手から二回もされてしまうと、今後ますます主人を恋する目で見てしまう事は確実。
その様な行為をされては、今後奴隷のままで居れるように表情と感情を殺し切る自信はない。
主人の前で失態ともいえる表情を晒してしまい、奴隷などに恋心を抱かれていると不快にさせかねない。
ここは主人の奴隷で居続ける為あるに、ある提案をする。
「分かりました。ですが、ご主人様、私には二枚同時で二口分を一回で済むようにお願い出来ませんか?。
それ以上は、奴隷の私へのご褒美になりすぎ、今後のご主人様の各種お世話時に、思い返して嬉しさのあまり我を忘れ、善からぬ粗相をしてしまいます。
各種作業に粗相をしてしまっては、ご主人様のご迷惑になってしまいますので、どうか二口分を一回でお願いします」
少しダン達の方を少し確認した後に深々と頭を下げ懇願する。
これはリムなりに何かを察しての行動だと分かる。行動が硬い。
この世界は奴隷イコール汚い物として扱われているっぽいので、奴隷として主人である自分に迷惑を掛けない最善の策を考え訴えてきていると犇々と感じとれる。
仲間達は既に奴隷である事は一つの職で、一人の仲間として接してくれているが、この行為を見ているダンは順応力があるようだが、近衛の九名はまだ少し不快感を表情に出している。
今後これが火種になり争いごとになるであろうが、仲間が原因で争いになる事を避けようと考えての行動だろう。
この考えは嬉しいが、一応正して置く。
「リム、今後俺達は、普通にこういう行為をする。
これが火種になり争い事になる事だってあろうが、別に変に気を使う必要なはいからな。
仲間が原因で争いになるならそれは面白いかなら。
そしてリムや仲間達が負傷させられたら全力で俺達はその相手を根絶やしにしてやるからな。
無理に悩まなくて良いからな。
じゃ~リム二枚同時で二口分って事でお願いするな。ふぅ~ふぅ~はいア~ンして」
小さな口の中に二枚の大きな肉が収まり、頬をリスのように膨らませ凄く幸せそうに咀嚼している。
眼をトローンとさせ瞳がキラキラとさせる。
二枚同時なので飲み込むまで、喉を詰まらせないか少しハラハラするが、本当に美味しそうに食してくれている。
「と、とても美味しいです。
ご主人様、幸せな時間を有難うございます。
あとご主人様、今後出来れば、このような事は私にはしないでください。
私の場合、精神が嬉しさと恥ずかしさで、崩壊してしまいます」
今度は心からそう言っているのだろう眼がキラキラ輝いている。
「はははそうだな、その表情見てたらリムは俺と一緒で、こう言う精神攻撃の免疫耐性がないみたいだな。 全く似た者同士って事だな」
本当に仲間全員眼をトロ~ンさせ、肉を美味しそうに食べていた事を思いだすだけで、腹が盛大に「グゥ~」っと鳴る。
最後に全員の頭をよしよし撫でてあげてからシャボちゃんを撫でてあげ、この罰は終了した。
「ふぅ~、結構恥ずかしいなこれ、腹もグゥ~グゥ~鳴りっぱなしだし、さぁ~飯だ飯だ食うぞ~」
それから全員他愛も無い雑談をしながら食事を開始するのであった。
--- 35話目のみの後書き----------------------------------------
35話目最後まで読んでくださりありがとうございます。
どうでしたか?楽しんで頂けたならうれしいですが。
では、次36話目で、お会いしましょう。




