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勇者パーティの一員ですが、転生チートがまさかのマヨビームでした。……マヨビームで世界って救えますか?  作者:


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全力で空気を読んで口を閉ざした


「はぁ~……食った……」


「ねー、お腹いっぱい」


正直、食べ過ぎでちょっと苦しい。


満腹になったお腹をさすりながら、エマたちはお城へ戻ってきた。

後片付けは魔族や巨人のみなさんがやってくださるそうなので一足先に帰還です。悪いなぁとは思いつつ、あっちとしても自分たちのトップや客人であるエマたちに片づけを手伝われても逆に気を使うかと素直にお任せしました。


ソルトなんかは食べ過ぎで動くのも面倒らしく、ミニドラゴンの姿になってグリオンの頭の上に乗っている状態だ。


絵面はとっても可愛いけど……魔族の王にそれっていいの?


そんなことを思っているエマは気付いていない。


神であるエアリスへのフレンドリーな対応に周囲が「それ大丈夫?」とハラハラしてることを。


……まぁ、いっしょにお好み焼きを作った仲で、最初のころよりは壁がだいぶ薄くはなりました。特に身分とか気にしないクルトやソルトなんかは普通に対応してたし。


「今度はタコ焼きとかもしたいねー」


「おっ!いいな!」


「ですがタコ焼きとなると……型を作るのが大変では?」


「チラッと会話に出したらカイジンさんが「面白そうじゃねぇか」ってめっちゃヤル気になってたからイケる気がする。あとたい焼きの型もそれとなくふってみた」


グッと親指を突き出すエマ。

確信犯です。


盛り上がる転生組にグリオンたちが「タコ焼きとは?」と首をかしげた。


「う~ん、粉ものってジャンルではお好み焼きのお仲間?生地を真ん丸に焼いてね、中にタコとかいれるの。そこにソースとかマヨネーズとかかけて……」


「真ん丸って……そんなんどうやって作るのよ?」


「半円系の方に生地を流して、表面が固まったらくるっと回すと中の生地が流れ出すんですよ。それで真ん丸に仕上げるから、焼きの作業はお好み焼きより難易度がUPします」


「難しそうねぇ~」


「でもうまいんだろ?」


なんだかんだでみんな食いつきがいい。

ソルトとグリオンにいたっては瞳がキラキラしており、もうヤル気しかなかった。


「いいなぁ……楽しそう……」


そんななかポツリと落ちた呟き。


思いのほか響いた声に視線を浴びてしまい、エアリスが慌てたように口を押さえた。


「えっと……その……」


視線をうろつかせるエアリスに歩み寄ったエマは……その柔らかなほっぺをつまんだ。


ぎょっとする周囲なんて気にしない。

魔王さまに続き、再びのほっぺムギューです。


「まさか神様の役目(おしごと)放り出して地上に居たいなんて言わないわよねぇ?」


「い、いわ゛ないよ゛」


ほっぺたを引っ張られているせいで不明瞭な発音なエアリスが答える。

その答えに満足そうな笑みを浮かべたエマはエアリスの視線に合わせしゃがんだ。


「なら良し!自分の役目をほっぽり出して好きなことだけしようとするやつなんてロクでもないもの」


「しないよ、そんなこと。自分の立場はちゃんとわかってる」


また頬を引っ張られてはたまらないと思ったのか、両手でちょっと赤くなったほっぺを守りつつエアリスは断言した。

確固たる意志と、微かな寂寥(せきりょう)をその瞳に宿して。


「なら問題ないじゃない。また遊びにおいで」


「へ?」


キョトンと瞳を見開くエアリスにエマは満面の笑顔を向けた。


「たまーになら、“エアくん”として地上に降臨すればいいじゃない。同盟の効果で世界が平和になって信仰も増せば、神力だってどんどん増えるでしょ?なら余力だって増えるじゃない。ちゃんと神様の役目(おしごと)してたまに息抜きもすればいいのよ。頑張ってるご褒美に食べたいものぐらい作ってあげるわ」


「…………いいの?」


「もちろん!」


息を飲んだエアリスは少しの間おどろいたように目を見開いていて、やがてはにかむように笑んだ。美ショタだけあって笑顔の破壊力がハンパない。


「うん!そうする!」


全力で撫でまわしたくなる可愛さに、さらにエマは魔法の鞄(マジックバック)に手を突っ込んだ。中からストック食材をいくつか出す。


「ついでにコレもあげるわ。天界(あっち)で食べる用」


部屋の中央に立ったエアリスの姿が徐々に元の青年へと戻る。


「クルト、ミレーヌ、役目を果たしてくれてありがとう。レオンたちも勇者たちへの助力を感謝する。グリオンにみんなも、神託のせいで不安な思いをさせて悪かったね。どうか此度の同盟が長きに続き、多種族が協力しあえる平和な世界を願っている。今後の君たちの活躍を期待しているよ」


はっ!とその場の一同が低頭して答えた。

一応エマも空気を呼んで頭をさげた。


なにやら仰々しい雰囲気だが、両手がおにぎりやらてりやきバーガーでいっぱいなせいで台無し……と思いつつ、空気を呼んで沈黙。

押し付けたの自分ですが。


「エマ」


名を呼ばれ、中途半端に顔をあげる。


「色々と面倒を押し付けてごめんね」


部屋中に光が満ち、エアリスの姿がその光に飲み込まれていく。


「けど、君を選んでよかった。ありがとう」


目も開けていられないほどの光の中、そんな優しい声音が響いた。


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