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歴史



「えーっと何というか……私なんかのために傷なんか作らなくてもいいし、何より体を大切にしてほしいの。キラスも元は人間じゃん。」



別に良い子ちゃんでいるつもりは全くないが、体は大切にしてほしい。ただそれだけだ。だが……



「……」



キラスは黙っている。なんか笑顔も目が笑っていない。圧もあり空気が重い。またもやキラスの地雷を踏んでしまったのかもしれない。



____そんな沈黙発動中キラスの目の前に、いや何でもない大丈夫。それよりさーって話を変える技術は扱えるほど勇気は生憎、持っていない。ただ、沈黙を噛み締めるだけだ。風によって木が揺れる音が聞こえる。でもさ、守護神に地雷あるなんて思うわけないじゃん。地雷はこれですって書いてほしい。



「何で?僕、守護神だし死なないし大丈夫じゃん。」



キラスは口を開いて真剣な顔で答えた。んぐっ!心にダメージを与えられた。正論すぎる。キラスは続ける。



「セネアはさ、何でこの軍にいるの?」



とキラスは寝転がっている私を見下ろしながら聞いてきた。なんか見下ろされるの腹立つな……キラスには言っていなかったか。と言っても私も説明聞いてからな。前世の記憶が戻ったし……セネア自身の記憶はない。まぁ、漫画の内容言えば良いか。口を開いた。



「キラスには言っていなかったね。簡単に説明すると、メリエム王女……えーっとピンクのロングの髪の女の子ね。スアエ王国の王女なんだ。スアエ王国は今、悪の魔導士ダークエーによって占領されているの。えーっとこの前城前で戦った兵もその手下みたいな感じ。もともとメリエムは捕えられていたんだけれど、お兄さんが逃がしてくれたらしい。今は、そのスアエ王国を取り戻すため、軍を立ち上げて今戦っているの。」



まぁここまでで良いでしょ。



「じゃあさ、セネアは正義の味方……良いことをしているんじゃん。それなら早く回復魔法も出来たほうがいいじゃん。……何がダメなの?」



キラスは、子供の小さな疑問のような顔で尋ねて来た。正義の味方か……



「ダメじゃないよ。キラスが協力するのはとても頼りになります。でもっわざわざこれだけのためにナイフを体に使うなんて必要ないんだよ。キラスは元は人間……体をもっと大切にしなよ。ねっ!」



「……」



と笑いかけた。……キラスは私の目をじっと見ている。何で?まぁいい。もう一つ言いたいことがあったんだ。



「私は正義の味方ではないですよ。見方を変えれば……ダークエーにとっては私たちは悪です。完全な正義も悪もないと思います。」



……前世の歴史でもそうだ。教科書には最終的に勝ったものが良いふうに書かれ、負けたものは悪になってしまう。私はこんな歴史が好きでもあるが、嫌いでもある。



「……分かった。気をつけるよ。……セネア帰るよ。」



いつものキラスじゃなく調子が悪い時のキラス。声のトーンも低い。



「はっ」



私の返事を言う前に瞬間移動しベッドの上に寝転がっている。キラスはいなくなっている。……私がここまで踏み込む必要はない……だから気にせず立ちくらみの恐れもあるので仕方なく、朝風呂にすることにし、眠りについた。




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