地獄は、優しさなのか?
あの地獄のトレーニングから体感、四十五分後……
「待っ……て……」
流石に後半から何も頭に入ってこない。キラスが何か言っていたけれど聞けるか?!そんなん。私の体力は無限じゃないんだ。キラスという殺人大好きな野郎とは違うんだから。
「キラスっ流石……にっ」
聞こえていないのか全く反応がない。早く早く……なんで移動中、アルゼルト、メリエムの会話は上空でも聞こえたのに……
「ねっえっ!って……」
「んー分かったよ。セネア。まぁ4分このスピード出せたらいいもんか。……今日はセネア剣術学ぶのは無理そうだね。もうフラフラしているし。本当はやらせたいけど……回復魔法に力つかってもーらおっと」
とキラスが言うと、ロボットの動きは止まり腕は解放された。それと同時に私は座り込んだ。口が渇いているのがわかる。お水……お茶……ない!……でも酸素が脳に伝わった。ん?四分?四分?!まじかっ体感……いや絶対四十五分だと思っていたのに……でも四分、全力疾走して持つなんて凄いもんだ。前世の持久走、正直時間は覚えていないけれどこれより短い時間で、全力疾走はしていなかったのに、ヘロヘロだった。今はそうじゃない。全力疾走できている。……この体の持ち主セネアがこの体力を持っているのは、過酷な中、生き抜くための努力なのかな。
「じゃセネア。次は回復魔法だ!あの杖持っている?」
「持っているけれど……」
ニコニコしているキラスに答えた。そしてポケットにしまってあった杖を取り出してパズルのように組み立てた。
「よしっ!授業を始めますか!えっと僕は回復魔法使えないけれど確か……才能があれば簡単らしい。」
「そっそうなんだ。」
回復。原作の私は出来なかったはずだし、そんな才能なんてないはずだ。あったら何で?ってなるし怖いんだけれど……
「キラス。どうすればいいの?」
「ちょっと待っててね。」
と、キラスは言うと右手からナイフを取り出し、彼の左手に持って行った……何故だろう。この後やることが想像できるようになって来た……そんな呆れている私を前にキラスは左腕を自分が持っているナイフで切った。……流石に力は抜いているようで、一応切り傷程度にはなっている。
「よーし!セネアできた!杖を持って準備してね〜」
なんて呑気に笑っているキラスを見て、またもや呆れと、キラスと私の価値観の違いについて再認知するのであった。




