役割
「あれっ?」
ふと呟く。さっきメリエムが、ボスの元へ走って行って、私に指示を出した。ということはボスはメリエムが対応していたはずだ。なのにボスだけがここにいる。確かに彼は傷を負っているが……メリエムが足止めしているはずでは?メリエムは?……この最悪の展開が理解できた、今。呼吸が止まっているように感じた。声も何も聞こえない。私は生きている心地がしなかった。____最悪な予感だけが確かにそこにあった。
いやっそんなこと考えている場合じゃない。……うん。
「私が、ボスを倒します。その間に子供達を守ってください。お願いします。」
ファーリが言った。
「いえ。王女。ここは私が行かなくては……もし王女の身に何かあったら……」
と言ったが、遠距離攻撃なので。と上手くねじ伏せられた。
「じゃあ。お姉さんについて来てね。」
こう話している時間が無駄だ、なるべく早く終わらせよう。……ファーリが、魔法を唱えている最中……金属同士が激しくぶつかり合う音が鳴り響いた。
……メリエムだ。
「すみません。遅れてしまいました。少し、見逃してしまって。」
と言っているが、メリエムは何があった?と聞きたいぐらいボロボロだ。かすったのか、かすり傷もできている。服も少し破れている。でも戦っている。やっぱ凄いな。よかった生きている。
「つっ」
やはり、三部のボスであるためか、苦戦している。避けることで精一杯そうだ。手助け……でもっ子供達……
「セネアさん。私メリエム王女の助太刀して来ます。セネアさんは子供達の護衛を。」
先頭にいるファーリがいうと、子供達を私の周りにいるように指示をだした。
「分かりました。」
今、短剣を扱う私よりも、魔法を扱えるファーリが援護した方がバランスがいい。そう思ったためファーリの背中を見送った。
「大丈夫。今度こそ何かあったら__お姉さんが守るから。」
こんな世界で暮らしているとは言ってもまだ幼い。一番上の子でも13歳くらいだ。不安にならない方がおかしい。
「私達っお母さんの元へ帰れるかな……」
とある子が呟くと二人、3人と泣き始めた。
「大丈夫だよ!あのお姉さん達、強いから!絶対帰られるよ。」
帰らせるよ。絶対。という思いを込めて言ったが効果はなかった。……
「お姉さんが言っているっていうことは大丈夫だよ。信じよ。」
先程、私にミスであんなことになったのに男の子は私を信じてくれている。なんていい子なんだ!?その言葉で一人……二人と泣き止んだ。やっぱり過ごした時間も違うからか。分かるよ。この人は言うなら大丈夫って思うよね。
「信じてくれてありがとう。絶対大丈夫だから。」
「ほんと?」
先程の最年少の女の子が聞いて来た。
「うん、本当だよ。」
と子供達を安心させるために笑いかけたその瞬間……
____ボスのいる付近で爆発音のような大きな音が鳴り響いた……




