いつもの癖は悪い癖
「行きます!」
と声を上げ、メリエムが走り出した。
私も行かないと……と思いマントの内側にしまっている短剣を取り出した。別に……原作では特にこの部で死ぬ人なんかいない。でも……私はセネアの行動の完璧に再現できるとは限らない。慎重に行動しないと……隣からクスッと笑うような声が聞こえたので釣られてそちら側を見てしまった。
「……」
キラスが戦いが始まると聞いてニコニコしているだけでした。何でもありませんでした。そんなこと考えている場合じゃない。……よしっいくかっ。
「!っ」
金属がぶつかり合った。勢いすごっ。同じ短剣ですよね?筋肉量か?押し飛ばされそうだった。……今。相手が一番意識が行き渡っていない所……!
一気に海賊の元へ攻め……まず、利き手腕を狙う。そうすると癖で、腕を守るために剣をこちらへ持ってくる。ここでっ……軌道をずらして腹に……刺す!
「……」
海賊は、苦しそうにお腹を抑えながら屈んだ。今のうちだ。かなり深めに刺したから、動けないはず……あとは、……利き腕の所に切り傷を入れて、扱いを制御させる。こんなことするなら…… 武器回収すれば良かった。
「セネアさん!子供達を路地裏から逃がしてください!」
ある程度、海賊を動けない状況を作ったとき、メリエムから、指示が降りた。
「了解です!」
了解……はい?待って待って?違くない?私?何で原作では……あーなるほど。海賊が戦いに夢中になっている間に船長らしき人から離れ、移動して来た子供達に一番近いからか!!しくじった。引き受けてしまったので、どうにもならない。こんなこと考えておる時間はない。子供達の元に走った。
「えーっと8人で全員?」
と、子供達に聞いた。すると、多分一番年上な男の子が頷いた。そりゃあ怖かったよね。うん。あとはこの
「鎖どう外すかなぁ。」
……原作だとその後、運んで戦いが終わったあと、鍵を見つけるけど……このままじゃ動きにくいよな。
「セネア。後ろ!」
とキラスの声が聞こえた。
「!」
敵が来ていたとは……もっと危機感持たないと。……腹刺せるな。一気に走ったら。よし。そう考えたあと、海賊の攻撃を避け、弾き、下から潜り込み刺した。
……まぁ。かなり深めに刺した。動けることはないでしょう。だけど……
「剣もらってくね。」
武器は回収しておこう。さっきの反省を生かしてね。刺した瞬間一瞬持つ力が緩くなる。そこを狙った。そしてすぐ子供達の元へ駆け寄り……
「怖かったね。ごめんね。もう大丈夫!あとはお姉さんに任せなさい!」
柄にないことを言ってしまった。不安は恐いものだ。少しでも安心すればいいけど……
「凄いねぇセネア。」
隣に来たキラスは、何故か満足そうだ。ニコニコしながら
「成長祝いってことで、その鎖取ってあげようか」
という、提案をしてきた。取るってどうやって?キラスがやるから、取るという保証はあるが……寒気がした。




