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価値観



「僕さ、ちょーっと腹立ってさぁ。もし、セネアが望むならそいつら殺す?僕セネアのこと気に入っているし。」



「……はい?」



澄ました顔をしたまま、さらに爆弾が放り込まれた。



「……はい?」



意味わかんない。えっ?何で?意味が理解できないということはもしかして……私を殺すっていうこと?用済み?でも今の文脈的には兵士だよなぁ。うん?殺すとはなんなのか?



「だーかーら。悪口を言った奴、セネアが望むなら殺すっていうこと。」



キラスは理解できていない私に少しイラつかせながらも答えた。やっぱり間違っていなかった。意図がわからない。コイツ、そんなんで殺すの。人生そんなんで終わるの?なんで?



「いえ……大丈夫です。」



「えー本当にいいの?」



と残念そうに聞いてきた。なんでやねん。……キラスの能力強いのに……



「あっ!でもっキラス!」



「ん?なーに?セネア。」



「私さ、盗賊だから信頼がないのは当然みたいものじゃん。」



うん。そうなの。そうじゃなきゃ逆に危機感感じなさすぎて困るわぁ。



「だからさっ確かにそいつらの言葉ムカついたけれど……黙れせりゃあいいんだよ。そのためにいろいろな人を助けたり、優しく関わればいいんだよ。」



「助けるってさぁ……」



キラスは意味がわからないって感じで言ったけれど……



「そこでだよっ!!キラス。さっき、キラス私が望むなら殺すって言ったでしょ。殺すのではなく私達、仲間達一人でも生きて帰れるように協力して欲しいの。」



別に、優しい人でいようとかそういう考えではない。けど……その力を使うなら、私に足りない力。をうまく使って一人でも救いたい。まぁ正直さっきの兵士らが見直してあんなこと言って……と後悔する顔を見るのは気持ちがいいしね。



「……本気で言っているの?」



一人でも悲しむ人がいなくなればいいことに過ぎない。上手くいけば、ワンチャン私の印象も変わるに違いない!うん。キラスは何言ってんだコイツって顔しているけれど……私も思ったからね?!さっきのあなたの発言に。



「……まぁ考えとく。」



「ありがとうございます。」



キラスが考えてくれるだけでもありがたいんだ。



「あっ!セネア。今から僕集まらないといけないんだ。」



と思い出したかのように大きな声を上げた。実際思い出したのでしょう。



「……集まる?」



えっ?何それ?どこに集まるんだ?



「守護神全体の集まり。まぁ会議みたいなもん。あと……いや、なんでもない。」



それ一番気になるやつなんだけれど。まぁいっか!



「まぁ、いってらっしゃい。」



「うん。じゃっ!」



と子供のように言うと、昨日見た穴?みたいなやつの中へ入っていった。キラスって、見た目も仕草も15歳とかに見えるけれど、実年齢って何歳なんだろう。気が乗れば聞いてみよ。



「はぁーーっ」



キラスが居なくなったし、一人で安心したのか疲れが主張し始めた。っていうかキラスって、包帯巻けるんだな。と腕を見ながら思う。まぁ、少しぐちゃっと緩まっているが、私よりも上手に出来ていた。……やっぱ漫画だからと油断していたけれど、私もそりゃあ人間だし。痛みを感じるよな。戦に出たら、「死」なんて鎖のように付いてくる。かっこいい人なら「人の為なら……」とか言えるけれど……私にはっ……いやそんなこと考えたらいけない忘れよう。……下から賑やかな笑い声が聞こえてくる。それと波の音。なんか……海賊になった気分だ。だからさっきの思いを忘れる為にも調子乗って、気分は海賊で鼻歌を歌い始めた。



「〜〜〜〜」



上機嫌で歌っていると、背後に誰かがいる気配を感じた。



「あっ……すみません。綺麗な音が聞こえるなと思いまして……」



「いえ、大丈夫で……す」



アルゼルトだった!!



よりにもよって王子に自分が調子に乗って自分に酔っているところを見られてしまった。今、自分に顔が赤くなっていくのが嫌でも分かる。恥っず!今すぐにでも、ここから立ち去りたいという思いと、顔があっつい気持ちが波の音に掻き乱されるのであった。


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