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【第298話】アルコール許容量

「牧くん大丈夫かな?」


「そうですね、コーラで割って飲んでいますので、アルコールの量としてはそれ程でもないですね」


「じゃあ、心配しなくても大丈夫そう?」


「はい、あまり料理を召し上がる前に、速いペースで飲んでしまったためだと思いますので、暫くすれば回復すると思います」


「御子神先生は?」


「大丈夫だと思います。ご自分のペースで飲まれていますので、許容量も把握されているかと」


 誰がどのくらいのペースで飲んでいるか、陽花が全て管理してくれているので助かる。


「不思議なのは岬さんですね、通常ですと酩酊状態になるはずですが、一向にその気配がありません。もしや、アンドロイドなのではないでしょうか?」


 普通はそんなことないだろってツッコむところだけど、あながちあり得るから怖いな……


 俺が岬さんを連れてきたせいで、誰かが救急車で運ばれたとかシャレにならないけど、岬さん本人にそれはないので大丈夫だと思う……大丈夫だよな?


 ――と、そんな心配をしていると、どうやら牧くんが復活したみたいだ。


 急に飲んだから、一時的に酔いが回りすぎた感じだったみたいだ。美紀ちゃんと普通に話せてるので、大丈夫そうだ。


 そう思った矢先、美紀ちゃんがすくっと立ち上がった。いったい、どうしたんだろう?


「えー、皆さん今日はAI研究会のお花見会にお集まりいただきましてありがとうございます。ここで皆さんにお知らせがあります」


 お知らせって……ああ、あれか!


「現在の涼也部長が四年生になりますので、部長職を退きまして、新たに三年生になります常盤夏子が部長に就任致します。それでは、涼也部長から退任のご挨拶です。よろしくお願いします」


 結構、突然振られるんだな……まあ、考えてきてることを言うだけだから良いか。


「えー、ご紹介にあずかりました、現部長の忍野涼也です。」


「本サークルは、昨年の文化祭直前に発足し、本日お越しいただいております先生方の御尽力もあり、正式に大学の承認を得て活動を開始することができました。その節は、サマンサ先生、御子神先生、誠にありがとうございました」


「わずか半年という短い期間ではありましたが、皆様のご協力のおかげで、部長としての務めを無事に果たすことができました。本当に感謝しています」


「これからは、非常に頼もしく行動力のある新部長夏子さんにバトンを渡しますので、更にサークルを盛り上げてくれることと思います」


「皆様、これからも引き続き、AI研究会にご理解とご協力いただけますよう、よろしくお願いいたします。本当にありがとうございました」


 ……何とか、噛まずに言えたな。


 これで部長も終わるのか……そんなのやったことなかったから、出来るのか心配だったけど、なんとかなったな。


 まあ、本当に皆に助けられて成り立ってたから、最後にそれを伝えられて良かったかな。


 パチパチと拍手をされ、席につく。


 さて、いよいよ、新部長夏子ちゃんの登場だ。


「涼也部長ありがとうございました。それでは、続きまして新部長の常盤夏子に抱負をお願いしたいと思います」


 さっそうと、立ち上がる夏子ちゃん。


「ご紹介にあずかりました新部長の常盤夏子です!……私はAI研究会というインドアなイメージを払拭し、新歓ボーリング、春キャンプ、合宿、スポーツ観戦、文化祭、クリスマスパーティ、新年会、お花見という様々な行事によってアクティブな活動を行い、学業のみでは得ることのできない体験型の学習をAI健斗と共に行っていきたいと思います!」


「皆様には可能な限りご参加いただき、ご支援を賜われれば幸いです! よろしくお願いいたします!」


 ……具体的な活動計画も入った、やる気に満ち溢れる挨拶だな。うーん、頼もしい限りだ。


「夏子新部長ありがとうございました。以上で、部長退任並びに新部長就任のご挨拶を終了させていただきます。皆様、お二人に盛大な拍手を!」


 終わったと思ったら、またみんなから拍手をもらう。


 これで、本当に部長の仕事も終わりだ!……まあ、これからは悠々と行事に参加できるな。


 といいつつも、既に花見は二年生が仕切ってくれてたし、やることは挨拶だけだったから、もう引き継いでるようなもんだったけど。


「はい、涼くん、これ……」


 と、早耶ちゃんからグラスを受け取ったので、ゴクゴクと飲む。


「サマンサ先生からだから、ウイスキーだと思うけど……」


「えっ?」


 見た目はウーロン茶みたいだったし、ロックアイスでキンキンに冷えてたから飲みやすかったのもあって、結構飲んでしまった。


「……涼也さん、飲み過ぎです。許容限界を超えたかもしれません」


「うそ……そんなことって……」


 薄れゆく意識……


 温かい感触……


 ――気づくと、もう、お花見は終わるところだった。


 そして、俺は陽花にひざ枕されていた。


「気づきましたか? お料理をたくさん食べていましたので、少しアルコールが回るのが緩和されたようですね」


「ゴメンナサイ、涼也さん、ワタシの実家では、ロックでのむのがフツウで……」


 まさか、岬さん以外に潰されるとは……


 まあ、ガブガブ飲んじゃったのは俺の不注意だからしょうがないけど。


「フラフラしていると思いますが、なんとか家までは帰れるはずです。ただし、明日は二日酔いになると思います」


 陽花にそう分析されて、実際にその通りになった。


 アルコールには気をつけよう……そう思うのだった。

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