表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
事故で死んだ俺、現代に戻ったら“成功率が見える”ようになっていたので資産家になります  作者: non


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

10/16

第10話:見えない圧

「……次は本物だ」

神谷恒一の言葉は、静かだった。

だが、その一言で空気が変わる。

東條凛は、別モニターに視線を固定していた。

流れているのは、海外の資金データ。

普段は見ない層。

“深い側”の情報。

「……来てるわね」

「どこだ?」

「ロンドン経由」

「……」

凛の指が、わずかに止まる。

「……これ」

「かなり大きい」

「……どれくらいだ?」

「……正確な額は見えない」

「でも」

一瞬、間を置く。

「今までとは、明らかに違う」

モニターのUSD/JPY。

静かに動いていたはずのチャートが、変わる。

151.80

152.10

152.60

「……」

ゆっくりと上がる。

だが。

「……」

違和感。

「……軽くないな」

思わず呟く。

「……?」

凛が視線を寄越す。

「何が?」

「……押されてる」

「……」

チャートを見る。

152.60 → 152.40 → 152.80

「……」

「一方向じゃない」

「……」

凛が、小さく頷く。

「……ぶつかってるわね」

“誰か”がいる。

それも。

「……強いな」

「ええ」

凛が答える。

「さっきまでの相手とは別物」

その時。

チャートが、急に伸びる。

152.80

153.40

154.10

「……!」

一気に持ち上げられる。

「……強引だな」

「ええ」

「でも」

凛が続ける。

「雑じゃない」

「……」

つまり。

「……制御されてる」

「……鑑定」

【USD/JPY】

上昇確率:61%

短期変動:強上昇

リスク:極高

「……」

数値は“上”。

だが。

「……」

違和感は、消えない。

むしろ。

強くなる。

「……」

「どう見る?」

凛が聞く。

「……」

恒一は答えない。

ただ、見る。

板の動き。

注文の入り方。

消え方。

「……」

“揃いすぎている”。

「……作られてるな」

「……」

凛の目が細くなる。

「……どういう意味?」

「……自然じゃない」

「……」

「流れじゃなくて」

「……“意思”で動いてる」

その瞬間。

さらに上がる。

154.30

154.80

155.10

「……」

空気が重くなる。

「……上に抜ける?」

凛が呟く。

「……」

普通なら、ロング。

だが。

「……」

恒一は、動かない。

「……入らないの?」

「……」

小さく首を振る。

「……強すぎる」

「……?」

「強すぎる動きは」

「……折れる」

その瞬間。

止まる。

155.15

155.10

「……」

空気が変わる。

「……来るな」

次の瞬間。

崩れる。

154.40

153.60

152.80

「……!」

一気に流れが反転する。

「……」

凛が小さく息を吐く。

「……今の」

「完全に作ってたわね」

「……ああ」

「……」

恒一は、画面を見たまま呟く。

「……いるな」

「……」

「同じことができるやつが」

その瞬間。

違和感。

「……」

ほんの一瞬。

チャートの反応が変わる。

「……?」

「……見られてる?」

凛が呟く。

「……」

恒一は、答えない。

だが。

確信する。

「……ああ」

「……見てるな」

自分の動きが。

読まれている。

「……」

小さく、笑う。

「……面白い」

「……」

凛が横を見る。

「その感想?」

「……ああ」

「……」

「ようやく」

「“相手”が出てきた」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ