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蜘蛛

今回短いです。

子蜘蛛は思っている以上に弱っているみたいだ。

外傷がないところを見ると、空腹で体力がなくなっているのだろうか?

それともそう見せているだけで、こちらの油断を誘っているのか。どちらにしても油断なんてできない。


子蜘蛛はこちらを攻撃するのも突進しかしてこないうえにその動きは遅い。

最初は慎重に子蜘蛛の動きを見ていたフォルとルミルだったが、子蜘蛛の動きに慣れてくると攻撃が簡単に当たるので段々と攻撃が大胆になっていく。


それでも2人はできるだけ慎重に足を重点的に攻撃していく。流石に足を切り落とすのは難しいが確実に子蜘蛛の動きは鈍っていった。

子蜘蛛が1匹しかいないのは運が良かった。増援も来る様子はないので落ち着いて行動ができる。


戦い始めて15分程で子蜘蛛の前足を切り落とすことに成功した。

苦戦するかと思いきやこれで戦いは一方的な展開になる。

時間をかければ子蜘蛛を殺すこともできそうだが、欲を出すと他の蜘蛛や昆虫族が戦闘音や血の匂いに釣られてやってくるかもしれない。これだけ傷つければ追ってくることもないだろうとフォルは判断して逃げようとルミルの方を見る。

ルミルも同じことを考えていたようで、頷いて後ろに下がった。


子蜘蛛が追ってくる様子はない。これなら後ろから襲われることもなさそうだ。

フォルとルミルは鉱石が入ったリュックを素早く拾うと急いでその場を離れることにした。


弱っている子蜘蛛はもう襲ってこないかもしれないが、少し大きい音を出しすぎた。

辺りが静かな分、遠くまで戦闘音が聞こえているかもしれない。急いでここを離れないと危険だろう。


重い鉱石を背負って走るのはかなりキツイものがある。膝は痛くなるし、何よりさっきまでの戦闘のせいで2人とも完全に息が上がってしまっていた。

そんな状態で長く走れるはずもなく、5分と走らないうちに2人の足が止まる。


休憩が必要だ。それには昆虫族に見つからない場所を作らないといけない。

隠れるためにフォルは魔法で穴を掘り、落ち葉で蓋をする。

簡単すぎるかもしれないが、注意して探さないと見つかることはないだろう。

難点は他の生き物が落ちてこないように2人が入れるくらいの大きさしかないところだろうか。少し狭いが仕方ないだろう。


・・・


さっきの子蜘蛛は死んだだろうか?もし死んだとしたら親蜘蛛は自分たちを探すだろうか?

さっきは空腹で弱っていた子蜘蛛だから倒せたのだ。次は無いと思ったほうがいい。

そう思うと自然と手が震えるのがわかった。


1時間は経っただろうか?フォルは上の落ち葉をどかして外に出てみる。

辺はまだ暗い。周辺に蜘蛛がいる様子はなかったのでドワーフの村に帰るために出発することにした。

周辺には蜘蛛以外にも危険な昆虫族は沢山いる。寝ている場合じゃないのだ。


その後は昆虫族と戦闘になる事もなく順調にドワーフの村に帰ることができた。

ルミルはとりあえず寝たいといって足早に自分の家であるテントに入っていく。フォルも寝床を貸してもらおうと思ってついて行ったが、睨まれて終わりだった。


「このテントにアンタが寝るスペースはないわよ。」


それだけ言うとテントの入口部分を閉じてしまったのだ。

フォルは渋々宿屋を探すが、ドワーフの村にはそんな物はないようだ。

しょうがないのでフォルはドワーフの村の端っこに自分のテントを広げて眠りにつくのだった。



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