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清貧に生きる野良神官は魔物退治をしながらお金を稼ぐ夢を見る~改訂にあたってカットしたエピソード集~  作者: 兎野羽地郎


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第七章 新編降下猟兵

 這って入ると地下は思ったよりも広い。十人以上が楽に寝泊まり出来る。派遣された猟兵は、狩りをして自給自足しながら生活し、監視も継続している。

 監視班は、三人の降下猟兵で、お椀が使える上級魔法使い一名が含まれている。魔法使いは降下猟兵になる前は魔法で石を飛ばすカタパルトの操作をしていたそうだ。


「降下猟兵隊は、上級魔法使いも編入されておるのですか?」


 パウルさんがエレノア様に聞いている。

 ウインド・バリアは上級魔法だ。通常、上級魔法使いは、魔法兵団に所属すると聞いている。神聖魔法使いは治療所に行けばいる。


「今回参加する降下猟兵は、各隊から選抜した者達です。その任務の主体は飛行術で敵陣を強襲する事です。確かに猟兵主体ですが、攻撃面での強化を図りましたから、編入された者はそれだけではありません」


 選抜した猟兵という事は、中の原や東の原の猟兵隊も参加しているのだろうか。知ってる人がいるかも知れないな。


「従来の猟兵はどうなりますかな?」

「今後訓練を重ね全員が降下猟兵として活動する予定ですが、お椀の数が足りません。当面は選抜兵から任務に応じて招集運用し、王陛下直属となります」


 お椀の使い方を研究しているところに、ゴブリン脱出作戦があったとのこと。


「あの作戦は敵前に陣地を作り防衛するというかなり難易度の高い任務にも関わらず、死者は出ませんでした。あの成功で降下猟兵は現実のものになったのですよ」


 てことは、あれか? 私達も関わったのか?


「そうですよ。今回の砦を奪取する作戦にあなた達の支援を要請したのも、前回の作戦があったからです」

「当初は、偵察任務の補佐だったと思いますが」


 フィオナの件で王都にいた時に話をしたらしい。


「確かにそうでした。しかし、偵察の結果、魔物しかいないという事だったので、討伐任務に加えて、砦の奪取にまで発展したのです」


 最初は、監視用の偵察ポイントを複数作ることが打診されたらしい。


「マルセロ商会からヒントを得たのですよ」


 カモフラージュ、テレポート、飛行術、ゴブリンやサボーディネイションを使った動物による偵察……マルセロ商会には全部揃っている。

 考えてみたら、本当に凄いところに所属していたんだな。




 大きなテーブルのある部屋に通された。床も壁も天井も板を貼っていて山小屋のようだ。奥には暖炉があり、左手には寝床なのだろうか、クマの毛皮が敷いてある。

 暖炉には鍋が掛かっていて木炭が赤く光っている。

 薪と違って、煙も煤もほとんど出ない。地下にはうってつけだ。


 ここでの任務について説明を受けていると、夜が明けてきた。

 寝ろと言われた。

 活動は夜だけで、昼間は外にも出ないらしい。

 昼夜逆転の生活は久しぶりだ。


「食料はどうするの」


 食いしん坊の魔法使いが聞いている。


「イノシシ六匹と熊が一匹いるではないか」


 いや、ウィルソンさん。そうじゃなくてね。


「いやー。出来れば儂はイノシシの方が良いな。熊は肉が固いし匂いも強いぞって、味方を食うなよ!」

「簡単に寝返った癖に何言ってんのよ!」


 エレノア様が笑い、それを見たウィルソンさんとベアトリクスとハリソンさんがガッツポーズをしている。

 いつの間に連携を確立したのか……。

 パウルさんが拍手しているし。


「心配いらん。猟兵隊が確保してくれている。ほら、お前達の使っていた鍋でクマを誘い出して一匹倒したらしいぞ。パンやチーズに蕪のピクルスもある。安心して寝ろ」


 一晩寝ていない。クマの毛皮に寝転がった。 

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