第七章 海の洞窟の入り口
「司教様。申し訳ありませんが、祠の床石を剥がさなければいけません」
「構わないよ、フィオナ。元々、この祠はあなたのご家族の物なのだから。ただし、私も連れていって貰えないかな」
何故か司教様も一緒に行くことになった。
地図には、恐らく相続品のありかを示すらしい丸印が描いてある。ただ、印は三つある。二つは罠か囮かも知れない。
「凄いわね。まるでおとぎ話の宝探しみたいじゃない」
「こういったことも無ければな。人生がつまらんわい」
何故か魔法使い二人が喜んでいる。
「うむ。一度こういう経験をしてみたかったのだ」
何故かヴィルも喜んでいる。
「これぞ旅の醍醐味じゃな。これだから遠出は止められんな」
「本当に。何が起こるか楽しみですわ」
「この年まで生きていて、これほどワクワクするとは思いませんでした。ご同行させていただくことを感謝します」
年配三人衆まで喜んでいる。どうして、こうも好奇心が強いのか。
「フィオナ。侵入者を防ぐ罠は有るのか?」
はしゃぐ三人衆を他所に、ウィルソンさんが神妙な顔をしている。
「私も秘密があるとしか聞いていなくて。すみません。そう言ったものが無ければ良いのですが」
既に死んでいる者達の方が先行きを心配しているのは、どういうことだろう。
「まずは床石を剥がさないといけないですね」
マルセロさんが冷静なのが救いだな。
剥がすと言ってもどこを剥がせば良いか分からない。
一個あたり人間が一人乗れるくらいの大きさの床石を一通り叩いて見たのだが、それなりに厚さがあるようで、どれも重い感じの音しかしない。
「探してあげようか?」
首を捻っていたら、メルと一緒に見ていたデューネが助力を申し出てくれた。
石の下に穴があるなら水が通る。床に水を撒きさえすれば、水が教えてくれるらしい。
そのまま、指先から床に向けて水を飛ばしながら歩いていたら、女神様の像のすぐ横で立ち止まった。
「これ動かせる? 横にずらすだけで良いと思うけど」
司教様を見ると、頷いてくれた。
女神様に無礼を許してもらえるようにお祈りする。
「では、いきますよ」
エレノア様がクランプ・ストーンで石像をふわっと浮かせると、ゆっくり移動させる。
さらにデューネが指さす床石を四枚剥がすと石の下に縦穴があった。
水滴をいくつか飛ばしただけで発見した。
司教様も目を丸くし、フィオナを褒めそやした。
人一人がギリギリ入れる程度の大きさなので、エレノア様が魔法で穴を広げる。
深さは地下一階程度なのでそう深くはない。
司教様が教会の梯子を持って来て下さったので、ホタルを一個落として目一杯光らせた後、パウルさんが最初に降りた。




