第五章 お山の探索へ出発
深夜になって、秋冬用緑マーブルに着替えてパウルさんのお椀に乗り込んだ。
王太子様は既に飛行術を扱えるようになっている。二つ並んでお城の物見塔からの出発となった。四大精霊絡みだ。なるべく内密に事を進めたいらしい。
先行するのは土地勘のある王太子様で、ロバーツ様、グラディス様に加え、グラディス様のお付きの方二人が乗っている。もう二人は馬を走らせ追いかけて来る。
続くのはパウルさん率いる一七五の会だ。
「いいなあ、私もあっちに乗りたかったなあ」
メアリーが指を咥えて斜め上を先行する王太子様のお椀を見ている。
「お前達が向こうに乗って、万一があって見ろ、どうやって責任をとるんだ?」
「でも、事故を考えたら分散させた方が良くは無いですか?」
どっちか一個生き残れば両家全滅の惨事は免れる。
「事故を考えとるから、こうして別れとるんだ」
「?」
「いざとなれば、こいつを向こうの下に持って行って支えるんじゃ」
てことは、私達は下敷きになるのか?
「思ってた以上に酷いわね」
ベアトリクスの言う通りだ。ゲンナリだ。
「じゃあ、お椀の底が抜けたら、グラディス様が上から降ってくるわけね?」
意外にもメアリーが喜んでいる。夢見る乙女は周りが見えないとはこのことだな。
「物騒なこと期待してんじゃないわよ。最初に降って来るのはお付きの方に決まってるでしょうが」
「そっちは遠慮するわ。ジャンヌやベアトリクスでお願いね」
「選んでる暇があるわけないでしょ。あんたの上に落ちてきたら諦めな」




