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「「「せんせー、いってきます!」」」
「はい、みんな、気をつけて行くのですよ」
孤児院を後にした次の日、子供達は院長先生にあいさつをして元気に孤児院から飛び出していった。畑の草むしりと水やりは小さい子達の仕事なので朝から皆楽しそうに出掛けていった。
「なんか、いつもと変わんないな」
「そうだね、まぁ、引っ越ししただけだしね」
「普通は家ごと引っ越さないわよ」
「みんなげんきいっぱい!」
領主から立ち退きを迫られた俺達は孤児院を諦めて出ていくことにした。俺の『アイテムボックス』や魔法の鞄、馬車や狼車などを使い孤児院の成人組で頑張って荷物をクランハウスと牧場に運んだ。
片付けをしながらも皆孤児院を離れるのが嫌で泣いている子もいた。『アイテムボックス』にしまえれば良いのだが恐らく無理だろう。物置やお風呂のように地面の上に建物があれば良いのだが、土台というか基礎部分が地面に埋まっているだろうから最低でもそこまで掘らなくては……。
そんなことを思っていたのだが、孤児院の中身を全て出した後、外から孤児院を見ていると何か違和感が……。試しにクルスくん含む冒険者組に孤児院を押してもらったら。
ズズズッ
動いた……。もしかして孤児院って基礎部分がない? 皆にうまく入れられそうな所を探してもらい『アイテムボックス』にイ~ン。
入っちゃったよ。
「入ったな」
「無くなったわね」
「さすがにこれは……」
「『アイテムボックス』って便利だな」
さすがに俺も入るとは思わなかったけど、おかげで孤児院も持っていけそうだ。さすがに今建物が無くなるのはまずいので、元に戻しておく。信じてもらえるかは別にしてぴーちゃんに手紙を渡し牧場にいる誰かに孤児院を置ける場所を確保しておいてもらおう。
で、期限当日に孤児院の建物を『アイテムボックス』にしまった俺達は牧場に向かい、孤児院を牧場に設置した。孤児院の子供達は孤児院が牧場に来たことに大喜びし片付けを手伝ってくれた。『アイテムボックス』に入ることがわかってればわざわざ荷物を仕舞う事はなかったんだけどね。
院長先生達も『アイテムボックス』の性能に驚いていたが、思い出のある孤児院が無事だったことに嬉しそうにしていた。
さて、これからどうしようかな。引っ越しは成功したけれど、町の外に出たから商売が難しくなってしまった。売上的にはそこまで困らないのだが、ご近所さんや知り合いの冒険者達は色々と困るかもしれない。となると町中で商売するとなると商業ギルドでどこか屋台が出来る所を借りるかクランハウスでってなるのかな? まぁ、その二つならクランハウスの方かなぁ。護衛の心配も無いし好きに商売出来るだろうからな。問題はクランハウスが町の端っこに在るためお客さんが来づらい事か? その辺りはとりあえずやってみるしかないかな。
孤児院の子供達は町から追い出されてはしまったが今日も元気に孤児院での生活を始めるのであった。




