表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
コワモテ無双   作者: 琥珀 大和


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

44/63

イケメンすぎる冒険者、コワモテとして振る舞う③

目、鼻、喉、そして胃が痛かった。


宿屋に戻ってからも痛みは続き、耐えかねてオーラで治すことにする。


筋金入りの変人ふたりに翻弄された、ほろ苦い一日だった。


アリエルの辛いもの好きは意味不明である。


おすすめという店は、辛さを客の好みのレベルに応じて変更できるらしく、希望すれば最大20辛まで対応してくれた。


もちろん俺は一般的といわれる3辛で注文したのだが、それでも口の中の皮が荒れ狂うという状態に陥ってしまう。


え、何これ?


1辛が普通じゃね?って感じなのだが。


で、アリエルの場合はどうかというと、かなりの常連らしく、店主らしき男から「ヘルモードの極悪チャレンジで良かったかい?」などと言われていた。


ヘルモード?


しかも極悪チャレンジって・・・


3辛で口の中がヤバいことになった俺は、アリエルに「ヘルモードは辛さレベルにするとどれくらいなのか」と聞いてみた。


「ん?300くらいかな。」


バカじゃね?


口から火、いや血吐くわ。


悪い冗談だと思って苦笑いしていたのだが、料理が届いて驚かされた。


「なあ、確かスープパスタを頼んでなかったか?」


「ええ、そうよ。」


目の前にあるのは、赤黒いマグマのような液体がグツグツと沸騰する何かだった。


顔を近づけると湯気だけで目が痛い。


いや、呼吸する際に鼻や口からヘルモードの真髄がダイレクトに伝わってくる。


「ぐふぉっ!?」


喉や鼻の粘膜が、ほんのわずかだが焼かれてしまった。


これは・・・どうやら、半径二十センチメートル以内に接近すると、地獄を見る仕様のようである。


辛党とはいうが、こんな物を人間─エルフが食えるのだろうか?


アリエルの様子を見守ることにする。


辛党とはいえ、『スーブパスタ ヘルモード 極悪チャレンジ』を目の前にしたアリエルは、食べる前から熱気のようなものに煽られて顔中から玉汗が吹き出していた。


マジで食うのか?


いや、常連だからオーダーが通ったんだよな?


店内の貼り紙には、オーダーについてのルールが記載されていた。




20辛をクリアした方は次のレベル─Bランクへ昇格→21~40辛までチャレンジ可能


40辛をクリアした方は次のレベル─Aランクへ昇格→41~60辛までチャレンジ可能


60辛をクリアした方は次のレベル─Sランクへ昇格→61~100辛までチャレンジ可能


100辛をクリアした方は次のレベル─SSランクへ昇格→101~200辛までチャレンジ可能


200辛をクリアした方は次のレベル─SSSランクへ昇格→201~300辛までチャレンジ可能


300辛をクリアした方→ヘルモードへご招待!




よく死人が出ないものだな。


鉄板で何かを炒める音がして、すぐに目が痛くなる何かが辺りを包んだ。


調理をするマスターを見る。


涙で揺れる視界の中に、カラスを模したようなフルフェイスマスクを着用したマスターがいた。


人の命を奪いたくてやっているんじゃないだろうな?


そのマスク、怖すぎだろう。


俺は今すぐ店から出ていきたくなった。


「いただきます!」


意を決したのか、アリエルがフォークとスプーンを手にスープパスタへと挑んだ。


仕方がない。


彼女のチャレンジが終わるまではつきあってやろうか。


そう思い、アリエルの一挙手一投足を見守った。


しばらくして、顔と目を真っ赤に充血させて、小刻みに震える彼女を見ることになった。


なんだろう。


彼女をここまで突き動かす辛さの魅力とは。


あ、鼻から血が─いや、スープか?


ええ!?


次は赤い涙が流れ出したぞ。


全身をプルブルと震わせ、赤い涙と鼻血を出す彼女は痛々しかった。


「そろそろ止めた方が良い・・・」


マジでヤバそうだと、隣にいるマイク・バルカンを振り返った。


そこには真っ赤なソフトクリームを頬張って、悶絶する大男しかいない。


テーブルに置かれているオーダー表を見ると、激辛ソフトクリーム120個チャレンジと書かれている。


おまえもか。


どうやら、スイーツなら何でも手を出す奴らしい。


俺はバカらしくなって、自分の食べた分の代金だけを支払って店を後にした。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ