表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
コワモテ無双   作者: 琥珀 大和


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

36/63

イケメンすぎる冒険者、依頼内容をようやく知る⑤

「今回、あなたに求めている能力は、治癒に関するものです。」


妹の方が先ほどまでは何だったのかと思えるような、真面目な口調で話し始めた。


「治癒─回復魔法ということか?」


「単刀直入に言うとそうです。」


含みのある言い方をする。


そういえばわかるだろうと言わんばかりの目線に、なるほどと思った。彼女たちは既に俺のことをある程度調べあげているに違いない。


「具体的には何をするんだ?」


エルフという種族は魔法に長けている。


さらに、一般的な人間が扱えない精霊魔法まで使えるという。


しかし、エルフの唯一苦手とするのが治癒系統の魔法だった。適性なのか、種族特有のものかはわからないが、エルフには高度な回復魔法を扱うことができないらしい。もちろん、例外は存在するのだが、それもかなり少数派だそうだ。


治癒と一言にいっても様々なものが存在する。


エルフが得意とする薬術や教会が行う神威術、そして回復魔法やマインドフルネスという特殊なものまで、数えあげればキリがないだろう。


ただ、実践的なもの、即効性の高いものは集約される。


この時点で、俺はエルフに治癒に関する技法を教えることが、今回の依頼内容ではないかと思っていた。


アリエルが既に属している場所とは、教育に関する場なのではなかろうか。


本来、排他的なエルフの地に、別の種族が入り込むことは難しい。しかし、こと治癒に関することならば、そういったことの例外は発生するのではないだろうか。


いや、しかし、マイク・バルカンが入れないのはコワモテだからか?


顔の造りがエルフに近しいものでないとダメだから、容姿がどうのと言っていたのかもしれない。


「その前に、あなたの技能が本物かどうか見極めないといけません。」


「何をすればいい?」


エルフは厄介な相手である。


しかし、この時の俺は既に好奇心の方が勝っていた。


苦手な分野だとしても、他種族の助力を得てでも技術を身につけようとしている所に、聞いていたエルフの傲慢さとの差異が大きい気がする。


これまでは種族差以上の壁を感じていたが、急に距離感が近くなったのは錯覚ではないだろう。


まあ、このふたりのハイエルフはちょっと変わっている・・・というか、頭がおかしい。しかし、マイク・バルカンやアリエルが俺を面談のために送り出したのだから、真面目に受け答えはするべきだと思った。


「私たちを治療して欲しい。」


「どこか悪いのか?」


見た感じでは病弱な印象はない。


痩せているのは総体的なエルフの特徴でもあるし、少し青白く血色が悪そうな肌色も驚くほどのことじゃなかった。


「ええ、慢性的な冷え性なの。」


ああ。


まあ、見た目的にそうなんだろうなとは思う。


しかし、冷え性を治せとは、なかなか難しいことをおっしゃるものだ。


「もしかして、即効性に期待しているのか?」


「「もちろん!」」


ふたり揃ってか。


まあ、それくらいでなければ、ハイエルフのお眼鏡にはかなわないのだろう。


だが、それでいい。


ハイエルフやエルフは美形揃いである。


いちいち俺のルックスで、荒事に発展することもないだろう。


「耳が尖ってない」「ちっ!?人間か!」などとマウントを取られることはあるかもしれないが、その程度のことである。


こんな思考に至る自分をどうかしているとは思わない。


友だった者、仲間だった者と、ありもしない痴情で殺伐とした関係になるよりは余程マシである。


それに、エルフたちとの距離感や環境が嫌なら逃げ出せばいい。


どうせ、マイク・バルカンやアリエルとは友人でも何でもないのだ。


精神的に病みそうなら、すべてを捨てて旅に出れば良かった。それくらい割り切った方が、将来の不安に思いを馳せることもないだろう。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ