イケメンすぎる冒険者、依頼内容をようやく知る④
「聞いてないの?」
「聞いてない。というか、依頼内容が何かまったく知らない。」
「ああ、そうでしたわ。事前には何も話さないでということになってましたね。」
ようやく話が前へと進んだ。
このふたりはただのエルフじゃない。
エルフよりも高位な存在とされ、一般社会にはほとんど姿を現さないハイエルフだ。またの名をエルダーエルフともいう。
ハイエルフはエルフ以上に寿命が長く、博識で高い能力を有していると聞く。我々冒険者でいうレアな存在─SSS級、もしくはSS級冒険者のような存在である。
SSSやSS級冒険者がどれほどのものかといわれると、中小規模の王国の国主と対等な立場を保証されているほどだ。
普段は公の場に顔を出さず、名前すら公表されていない。全世界に数人、SSS級に関してはひとりいるかどうかだそうだ。
100年近く前に世界的な大厄災を相手に戦ったという史実があるが、そこからは代替わりしているだろう。もしくは、今現在は空席の可能性もあった。
とにかく、それほどレアな存在なのである。
「では、依頼内容を説明する前に、面接を始めましょうか。」
「だったら、この手首の拘束を解いてもらえないだろうか?」
「妹様、妹様。それを解く前に、試したいことがあるのだけれど。」
「姉様、姉様。まさかアレを?」
「ええ。あなたも興味があるでしょう?」
「そうですね。では、そうしましょう。」
とてつもなく嫌な予感が走った。
「何をする気だ?」
双子が鼻歌混じりに何かを探し始めた。
おいおい、ずいぶんとご機嫌だな。
「あ、ありました!」
この殺風景な部屋にポツンと置かれた大きな収納箱から取り出されたのは、太いロウソクだった。
「そのままだと熱いので、この燭台を使いましょう。」
「ええ、そうしましょう。」
傍から見ていると可愛らしくほのぼのとしたやりとりだが、俺の頭の中では激しい警笛が鳴っていた。
やがて、燭台に取り付けられたロウソクに火が灯される。
「大丈夫です。ご希望なら、後で記憶を消して差し上げますから。」
そう言って、剥き出しのロウソクを近づけて来るのは姉の方だろうか?
「何をする気・・・熱っ!?」
ハイエルフの姉が後ろに回ったかと思うと、いきなり肩にロウを落とされた。
「ちょっ、おま、何を・・・熱いって!?」
「姉様、姉様。見ていて楽しいのですけれど、全然気持ち良さそうじゃありませんわ。」
「ええ、おかしいですわね。人間の男、特にイケメンはみんなドMと聞きましたのに。」
何言ってんのコイツら!?
「それ、間違ってる!そんな趣味の奴は一部・・・いや、だから熱いって!!」
「あら、ちょっと耐性ができてきたみたい。」
「え、もうですか?」
「いや、だからやめ・・・熱っ、いや熱いって!おい!!」
その後、しばらく拷問?が続いた。
「ドSか?」
「姉様、姉様。この方、キレてませんか?」
「妹様、妹様。こういうのをツンデレって言いますのよ。」
いや、違うだろう。
ツンデレじゃねーよ、バカタレが。
「これが面接なのか?」
まさか、本当に変な風俗店に放り込まれたりするのだろうか?
「面接・・・あ、忘れてました。」
忘れるなよ。
「じゃあ、先に拘束を解いてくれないか?」
「それを外したら襲いかかってくるのでしょう?」
「襲いません。」
「あら、私たちに魅力がないと?」
「いいえ、かなり魅力的です。しかし、ハイエルフの方々に襲いかかるなど恐れ多い(棒読み)ので自重致します。」
「いい心がけですね。」
「妹様、妹様。面接時に発情されても困るので、このままにしておきましょう。」
「姉様、姉様。賛成です。」
この双子は俺に何をさせる気だろうか。




