愛しい人と新しい日(2)。
急遽決まった結婚式。
両親、兄夫婦、クラウスハール家の面々。そして、ニーベルンゲン王国の国民が集合してお祝いをしてくれている。
国花である赤い薔薇が、ガーデンテラスを彩ってくれている。
お色直しをした私たちは各々会話を弾ませる。
ギルベルトには、先ほどの神父の役にお礼を述べるが、いまだ不貞腐れているようだ。
神父の役が嫌ではなく、話されていないことが嫌だったらしい。
「似合っていたわよ?本当…ありがたいわ、ギルベルト様」
「俺に様を付けなくていいよ。君は今日から王妃様なんだから」
「そうね。じゃあ、ギルベルト…私たちについて来てくれてありがとう」
素直に感謝の気持ちを伝えると、耳を赤くして照れる。
そんな彼を見て、ジークフリートと共に二人で顔を合わせて笑う。
案外可愛いところがあるらしい。
「メルクーア様。この度は我が愛しの弟の気持ちを受け取ってくださり、ありがとうございます」
「ハーゲン様っ、こちらこそありがとうございます。今まで、尽力を尽くしてくださってんですよね?」
挨拶をしてくれたハーゲンに、お礼を伝えると彼の後ろからエレオノーラがやって来た。彼らの左手の薬指にある指輪は輝いていた。
彼らは紆余曲折ありながらも、昨年結婚し私たちも参列させてもらった。
ハーゲンの愛のこもった告白に、こちらまで照れてしまった。クラウスハール家の子供は、自分の気持ちを素直に伝える家系らしい。
兄であるハーゲンよりも先に結婚式を挙げたアルベリヒも、例外ではなかったのだ。彼の奥様も愛の告白に照れていた。
「いえ。ジークとメルクーア様のためならなんだってやりますよ」
「エレオノーラ様も、先ほどのエスコートありがとうございました。それにしても…お幸せそうですね」
ハーゲンはエレオノーラを一時たりとも離したくないのか、腰のに添えた手を離そうとしない。
夫婦というより、恋人のようで見ていて幸せになる。
「あ…えっと…ありがとうございます。その…それでは…失礼しますっ」
私の視線に気がついたのか、エレオノーラは顔を真っ赤にして彼の腕を引いて急いで去っていった。
「我が兄として…恥ずかしい」
「いいじゃない。あぁいうの、羨ましいわ」
「ハーゲンみたいに、見せつけるのが好き?」
「それは恥ずかしいからやめて」
はっきりと伝えると、ジークフリートが声を出して笑う。
そこまで笑わなくてもいいじゃない。
「じゃあ、アルベリヒみたいに二人の時だけにするね」
アルベリヒはそうなのね。彼の知らない一面を知ったわ。
「メルクーアさま、ジークフリートさま」
彼を見ていると、ドレスの裾を引っ張られる。
そちらの方に視線を向けると、あの少女がいた。二人で目線を合わせるように腰を下ろすと、少女は可愛らしい笑顔をこちらに向けてくれた。
「ご結婚おめでとうございます。これからも仲良くしてくださいね。これは私からです」
花束を私たちの前に差し出してくれるから、二人して少女を抱きしめてしまう。
少女は“苦しいよ”なんて言うけど、愛おしくて離すことが出来ない。
「ありがとう」
「ありがとう…これからもよろしくね」
少女の頬にキスをすると、恥ずかしそうに去っていった。
腰を下ろしたままジークフリートと見つめ合う。
「…子供って…可愛いわね」
「…僕たちの子供だと。もっと可愛いんじゃないかなって思うんだけど」
「私もそう思うわ」
私は彼の指に自身の指を絡める。
もう一度彼の熱を帯びた瞳とぶつかると、顔を近づける。だけど、周りにはまだ人がいるのを思い出した。
「この続きはあとだね」
「そうね、楽しみにしてるわ」
「そんなこと言わないで。歯止めが利かなくなってしまいそう」
手で顔を隠すジークフリートに、思わず固まってしまう。
あぁ…彼のスイッチを入れてしまったかもしれない。今夜は覚悟しないといけないみたい。
「あぁそうだ、メルクーア」
「なあに?」
「これからもよろしくね」
「こちらこそ、よろしくお願いします」
小説の通りには、やっぱりうまくいかなかったけど…それでも愛してくれる人と結ばれるのが一番だ。
今日から私の新しい人生がスタートする。
ここまで読んでくださりありがとうございます(´˘`*)
ついに…ついに2人が結ばれるところまで来ました!!
やったやった!!やりました!
ここまで長かった…!!
後はプロローグで終了になります。
ですので、7月で終わりになると思います。
それまでお待ちください❁¨̮




