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広がる噂と、深くなる溝。(2)

好奇の目に晒されながら一日を終えた。

人の噂は七十五日というし…時間が経てばどうにかなるだろう。胸の中にしこりを残しながら廊下を歩く。

ジークフリートもツェツィーリアも、用事があるらしく先に帰宅してしまった。もう少しだけ一人で居たかった私が廊下を歩いていると、ルートヴィヒと出会う。


「ルーイ」

「……メルクーア」


愛称で呼ぶと、彼は気まずそうに名前を呼ぶ。

だからっ、どうしてっ、貴方が私を避けるのよっ。

傷ついた表情をした彼と向かい合う。


「三日ぶりですね、ルーイ」

「うん…そうだね」


静かな廊下に二人の沈黙が流れる。

引き止めたはいいけど、何を話そうか。


「えっと…今日は、これで失礼するね」


ぎこちない表情で、私を避けるように逃げていく。

ソレを見て思わず驚きの声が漏れる。

取り残された私は固まってしまった。数秒程固まっていると、別方向から声がかかる。


「メルクーア嬢」

「ギ、ギルベルト様」


名前を呼ばれた方を向くと、こちらもまたぎこちない表情を浮かべているギルベルトが立っていた。

そうだ、彼はルートヴィヒの友人だった。学園で二人セットでいるところしか見たことない。

つまり、ルートヴィヒがいる所にギルベルトありということだ。


「どうかなさいましたか?」


軽く膝を折ると、彼も返事をするように胸に手を当てる。


「覗き見をするつもりはなかったんですが…」

「あぁ…先程の。いえ、仕方ないです」


二人は私が出会う前の仲なので。と付け加えると、ギルベルトは小さく笑う。

この際、別の人がいるのにルートヴィヒを愛称で呼んでしまったことには、深く追求しないようにしよう。


「あの、メルクーア嬢」


いつもは飄々としているギルベルトが、今日はいつになく真剣だ。

こういった感じの彼は、なんだか…とてもやりにくい。


「この度は…大変な目に遭われたと伺っています。その…」


あぁ、彼もまたあの噂を聞いたのだろうか。

いや、それにしてはなんだか様子がおかしい気がする。


「ご無事で何よりです」

「ありがとうございます。何とか無事に帰ってくることが出来ました」


笑顔で話していると、ギルベルトがぎこちなく笑う。彼もまた、以前の彼とは違うようだ。こちらとしては、飄々としてくれる方が話しやすいのに。


「ルートヴィヒ様は…まだ私にその言葉をかけてくださいませんが」


ニッコリと微笑んで見せる。

ギルベルトに八つ当たりしても意味がないのに。

ルートヴィヒに話せないことをいいことに、無関係な彼を責める。


「ギルベルト様、今度…ルートヴィヒ様にお会いした際は…言っていただきたいことがあります」


ギルベルトを真っ直ぐ見据えて口を開く。


「私はあの時、ルートヴィヒ様が私を見捨てたとは思っておりません…。私も貴方に優しさに甘えてしまったのですとお伝えください」


この短期間で冷静になって考えてみてみた。

ルートヴィヒが私を避けてしまうのは、私が今伝えた理由が大きのかなと。

彼があの時、私を一人にしたから。だから誘拐されたと思ったのだろう。正義感の強い彼のことだから、自分を責めてしまっていたのか。

でも、私も彼が購入してくれるとの事だし、近くに騎士も居るから安心だと…一人で待機してしまったのだ。


「わかりました。必ず伝えておきます」

「お願いします。私はこれ以上、ルートヴィヒ様と溝が生まれて欲しくないので」


今度は深くお辞儀をしてギルベルトと別れる。

彼がルートヴィヒに伝えたとして、それでも距離が出来てしまうのならそれまでだ。


時間が解決してくれればいいんだけど…。

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。


すごく重い話になってしまっていますが、次からは大きく変わる予定なのでぜひお待ちください(*^^*)

また、第8部恋バナとやらをしましょう。〜第10部のんびりしてみるのはいかがでしょうか。までのミスの修正、一部文章の変更をおこなっています。

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