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69話

お祖父様は何やら困惑顔をしていますが、どうしたのでしょうか?


「ミーナ、ドーム状とはどのような形?なのじゃろうか?

それとこれの使い方は?」


この世界にはドームの概念が無いのですか…。どう説明しましょう?

紙に書いて説明するのが手っ取り早いですね。パチンコは外に出て実演をすればいいですしね。

近くの机に置いてあった紙に、ドームを書きます。

書いていて思ったのですが、体から大分離れた場所に防御壁を作り出す事は可能なのでしょうか?何だか現実味の無い提案をしてしまった気がします。

お祖父様に無意味な時間を取らせてしまったでしょうか?


「お祖父様、ドーム状とはこのような形なのですが、体から大分離れた位置に防御壁を出現させる事は可能なのでしょうか?」


お祖父様に書いた紙を見せながら質問をします。

これで駄目なら他の手を考えるしかありませんね。


「なる程、球状に防御壁を作りそれで上空を覆うのだな。

防御壁を出現させる位置は、魔法を使う者の認識で位置を変えられるから大丈夫だろう。

出現させる位置を統一する事と、隙間が無い様にする為には……誰かロイを呼んで来い!」


お祖父様は私の質問に対しての返答をしている途中で思考の海に入り込んだ様で、私には何を言っているのか聞き取れなくなりました。

最後にロイ兄様を呼んだのは聞こえたので、ロイ兄様はご無事だと言う事ですね。

父様とシルバ兄様もご無事だといいのですが。

先程いた救護用の天幕の中に、ざっと見た感じではいらっしゃらなかったので無事だと思いますし、あの2人も中々頑丈ですからきっと無事でしょう。

お祖父様がブツブツと思考の海を漂われているので、パチンコの説明が出来ないのですが、そろそろ呼び戻した方が良いでしょうか?

声を掛けようとした時に、天幕の中にロイ兄様とアルノー兄様が現れました。

仲良しな印象が無い2人が一緒に登場したのには違和感がありますが、きっと今まで一緒に仕事をしていたのでしょう。


「爺様、どうしましたか?お呼びと伺ったんですが…。!ミーナ道中危険な事は無かったか!?」

「おぉ、そうじゃ。すぐに【陣】を作って貰いたいんじゃが。こんな防御壁を作りだす【陣】じゃ。

うん?アルノーは呼んどらんがどうしたのじゃ?」

「入口でロイとかち合っただけです。お祖父様、本軍が到着してある程度落ち着いき会議を開く事になったのでお呼びに来たんですよ。

ミーナも無事に到着した様で安心したよ。それと、ミーナも会議に出席するように達しが出てるから一緒に来てもらうよ。」

「ロイ兄様、道中は何事も無く軍行出来ましたよ。ロイ兄様もアルノー兄様もお元気そうで何よりです。

ただ、私が会議に出ても何のお役にも立てないと思うのですが…。」

「会議に出てもらうのは建前で、ミーナを少しでも安全な位置にいさせたいと言う上層部の思惑だね。」

「私は医療隊の隊員として仕事に従事したいのですが…。あと司祭の仕事もありますし、護衛の騎士様がいらっしゃいますから、安全だと思いますが。」

「取り敢えずは、会議に出席してもらうよ。ハイルク隊長にもプリースダント司祭様にも許可は取ってあるから。」

「分かりました。」


私とアルノー兄様が話している間に、お祖父様とロイ兄様との間で【陣】に関しての討論が行われています。

会議があると呼びに来たアルノー兄様が呆れた顔をして、お祖父様を引きずって移動し始めました。

えっ!?アルノー兄様のどこにお祖父様を引きずれる力があるのでしょうか?

そしてここが指令室ではないのですか?こんな大きな天幕がなんだかもったいない気がするのですが。


ロイ兄様がその場に残り、私とアルノー兄様とアルノー兄様に引きずられているお祖父様で会議を行う場所に移動しています。

そして、アルノー兄様からあの天幕は魔法士団用の天幕であると教えられ、同じ規模の天幕があと2つありそこは騎士団の天幕になっていると教えられました。

そして、いくら護衛の騎士が居るからと言って、今回以外は医療隊の天幕から移動しない様にと注意も受けました。

教会の司祭は、医療隊の一部という扱いの為、他の司祭様達も医療隊の天幕を使うので不便はありませんが、私が一か所留まるのは帝国に私の場所を教えている様なものではないのでしょうか?

その疑問をアルノー兄様に言えば、帝国では魔法士団の一員だと思っているし、王国側もそう思わせるような行動をしているので、大方大丈夫だろうとの事です。

しかし私の考えとしては、回復・治癒の魔法の使い手は医療隊にいるだろうと考えるのですが、帝国はその様には考えないのでしょうか?

その事を質問すると、その場で回復・治癒が出来る魔法士を態々後方の医療隊に回して無駄な事をする筈がないだろうと、そして、実際私を最前線に出さない事を疑問に思っている上層部の人もいるそうです。

その意見は、クリーガ団長とルダート副団長とお祖父様と父様が黙殺しているそうです。

色々な説明を受けていると、指令室用の天幕に到着しました。

大きい天幕を使っているのかと思いましたが、意外とこじんまりとした天幕でした。

天幕に到着するや否やお祖父様は先程までアルノー兄様に引きずられていたとは思えない程シャキッとして中に堂々と入り、アルノー兄様も中に続いて入って行きます。

私は慌てて2人の後について中に入ると、幾つもの視線を向けられました。

視線の中には値踏みするような視線もありますが、ここは付け焼刃の王妃教育の成果のポーカーフェイスで流して見せましょう。

お読み頂きありがとうございます。

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