66話
すみません。投稿が遅くなりました。
教会の仕事はあくまでも異世界仕様です。
王宮に何の為に召喚されたか分からなかった日から1週間が経ち、その間にパディ様とは2回程会い親交を深めました。
父様とお祖父様、兄様達はこの1週間の間一度も屋敷に戻って来る事がありませんでした。
謁見の間を護衛していた父様の部下である騎士様が、父様とお祖父様、兄様達がどのような状況にいるのかを説明に来ていたので、無事だと言う事は分かっています。
父様達はどうやら、陛下の決定に不服を申し立て辞職しようとした事への咎として、また、勝手に行動が出来ない様にと戦端がきられるであろう国境付近に、敵情視察として最低限の物資と部下を連れさせられて送りこまれた様です。本来であれば、父様やお祖父様の地位にいる人はこの段階ではまだ向かう事は無いそうです。第3騎士隊の隊長が向かう所らしいです。
その国境には王都から馬車で2週間、騎馬で1週間~10日程掛かります。
その為、戦争が開戦されるであろう頃に、こちらの軍備が整っている状態にするために、既に先遣隊として軍が国境付近に進行しています。
また、陛下の退位とパディ様の即位が発表され、まだ年若いパディ様が国王陛下として戦争の指示を出す事に不安を覚えている民も多く、王都中が暗い雰囲気に包まれてしまっています。
私との婚約発表とお披露目は、無事に戦争が終了した時に行う事になり延期となりました。
パディ様からは戦争が終結するまでに、このまま婚約するのかを結論を出すようにと言われました。
婚約を正式に発表をしてしまえば、もう取り消す事も出来なくなるとの事なので慎重に考えてほしいとも言われています。
私はどうするべきなのか…。答えを出すためにはもう一度ダンさんに会い自分の気持ちを確認しなければならないのですが、戦争の準備やなんやで騎士であるダンさんとは会う事が適いません。
「ミーナ様、そろそろ中央教会に到着致します。」
「分かりました。」
中央教会に向かう馬車の中で、戦争の事やパディ様の事を考えていましたが気持ちを切換えないといけませんね。
中央教会に司祭としてくるのは4回目ですが、色々と歓迎をされていない方が多々いらっしゃるので、余計な事を考えて隙を与える事をしない様にしないといけませんからね。
教会内の権力・勢力争いに興味はありませんので、勝手に巻き込まないで頂きたいです。私は純粋にナディエージ様にお祈り出来ればいいです。
教会内での私の立ち位置を早く確立するべきなのでしょうが、週に3回のみ通う形なので中々交流が出来ないので難しいですね。
中央教会は、以前通っていた教会と違い規模が大きく圧巻としています。
まだ、司祭のお勤めの時間ではなく、助祭以下の人々が掃除に精を出している時間になります。
この時間に助祭のまとめ役の司祭様に挨拶をして、私も掃除に加わります。今日の司祭様は穏やかな性格の方なのか、挨拶をした後に柔らかく微笑んでいらっしゃいます。
教会の内部が陰謀渦巻くだけで無い様で一安心という所でしょうか?
教会内の掃除が終わった後は、教会付近の掃除をします。それも漸く終わったので、身を一度清めてから他の司祭様も集まり、朝のお祈りの時間になります。
お祈りが終わった後は、枢機卿と筆頭司祭様に挨拶に向かいます。
そこで、本日の私の勤める内容を伺います。今の所私の所在はこのお2人の預かりとなっている様です。
今日のお勤め内容は、筆頭司祭様が助祭達に向けて行うナディエージ神の教えを説くことのお手伝いになります。本来は助祭になった際に教え込まれる内容を私が知らないので、手伝いと言う形で教えるということですね。
筆頭司祭様のお手伝いが終わり、次は何をするのかと考えていると、枢機卿から呼び出しがありました。
「シュテルネン司祭、まだ4回目ですが司祭としてのお勤めは慣れましたか?」
「まだまだ慣れない事が多々あります。」
「そうですか。これから徐々に慣れて良ければ良いですよ。
まだまだ、貴女が司祭になった事を快く思っていない人間も多々いると思いますが、それはご自身の力で乗り越えて下さい。これもナディエージ神のお導きでしょう。」
「過分のご配慮ありがとうございます。」
前置きが長いのですが、用件は何でしょうか?
「さて、いつまでも前置きをしていても仕方ありませんので、本題に入りたいと思うのですが、此度の戦争の件になります。」
前置きが長いと顔に出ていたのでしょうか?ポーカーフェイスを作るのはやはり苦手の様です。
「素直な事はいいのですが、貴女の事を快く思っていない者に足元をすくわれない様に注意して下さいね。
貴女に何かあれば、ガイストリスタ様が悲しまれてしまいますので。」
「申し訳ありません。」
枢機卿とガイストリスタ司祭様…前枢機卿は師弟関係にあり、枢機卿はガイストリスタ様の事を尊敬しているそうです。
私を毎日教会に通わせようと画策したのは、私の存在を快く思わない人たちを大人しくさせる為だった事と、私が毎日教会に通っていたのをガイストリスタ様から聞いていた為だったとの事でした。
初めて中央教会に来て、挨拶をした後にその事を言われました。
「心構えだけはしっかりとしていてくださいね。
話が脱線してしまいましたね。
シュテルネン司祭は、戦争に司祭がついて行くことは知っていますか?」
「いえ、戦争に教会の司祭が付いて行くのですか?」
「えぇ。私が教会に努める様になってから、王国は戦争をした事がないので、私も実際に従軍経験はありませんし、現在の教会内の人間で従軍経験がある者はこぐ少数になるでしょう。
何故、司祭が従軍するかと言うと、死者の魂を鎮魂する役目と負傷者の心の拠り所になる為です。」
「…今私にその話をされていると言う事は、私がその従軍する司祭に選ばれたと言う事でしょうか?」
「その通りです。
まだ王宮から貴女に通達があったかは分かりませんが、シュテルネン司祭は医療隊として従軍が決定したとの連絡がこちらに入りました。
その為、本来なら女性を従軍させる事は無いのですが、すでに従軍される貴女にその任に就いて頂く事になりました。他の司祭も8~10名従軍する事になってはいます。」
「わかりました。
医療隊にはこの後午後から向かう事になっていたので、恐らくそこで通達されるのでしょうね。」
「シュテルネン司祭はこの戦争で大変な役目を負う事になるでしょう。
従軍する司祭達は医療隊に含まれるので、貴女のフォローをするようには言いつけています。
シュテルネン司祭にナディエージ神の加護があらん事を。」
その後、従軍に関する事の打ち合わせと、従軍する司祭との顔合わせをしてから屋敷に一度戻り、服装を簡素なワンピースに変えて王宮へと向かい、医療隊での職務につきました。
そこで、やはり従軍の旨を伝えられて、国境に出立するまでの1週間を医療隊で医療行為の訓練や連携の訓練をし、王宮で開かれた壮行会にパディ様の隣で出席をして、国境へと出立をしました。
お読み頂きありがとうございます。
第4章の本編はここで終了になります。
閑話を数話入れてから第5章になります。




