↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
77/130

58話

侵入者の男はそう言いながら、私の首元にナイフを突きつけたまま私の顔を覗き込んで来ています。

ちょっ、手元狂わせないで下さいね!?まだ死にたくありませんから。

折角転生したのに、前世より短命とかは嫌ですよ。


「この状況でも、叫ぼうとしないのは流石と言うべきなのでしょうか?

君を探すのに時間が掛かってしまいましたよ。何せ君の手がかりはミーナと言う名前と亜麻色の髪だけでしたからね。

それに、その瞳は特殊ですね。ますます興味深いですね。」

「私をどうするつもりですか?」

「うん?

君の力に純粋に興味があるだけですよ。あの地下でも言ったではありませんか。私の部下になりませんかと。

素直に部下になってくれそうにないですから、ここまで迎えに来て、連れて行ってさしあげようと思いまして。」

「私は、貴方の部下になるつもりはないと申しましたが。」

「そうですね。ですが、君の意思は私には関係ありません。今の私の部下のどれよりも君の方が優秀ですからね。年齢も考えれば君は今後恐ろしい存在になります。

君の様な存在をあの王家が、適切に扱い切れる筈がありませんからね…私の時の様に。」

「どういう事ですか?」

「素直に付いて来て頂ければ、あの王家の秘密をお教えしますよ。」

「ナディエージ神の子孫で、直系の男性に特殊な力があると言う事ならば既に知っています。」

「へー、あの愚鈍な男がそれを教えたのでしか?それとも次代の子かな?」

「お答えする義務はありません。」

「まぁ、私もさして知りたい事でもありませんからどうでもいいです。」


おかしいですね?これだけ普通の声量で話しているのに誰も来ません。

私の部屋の両隣は、父様とお祖父様の部屋なのですぐに異変に気が付いて来そうなものなのですが…。

まさか、既にこの男に何かをされてしまっているのでしょうか?

考え付いた事に不安が過ります。ですが、父様もお祖父様もかなりお強いのに簡単にやられる筈はありませんよね?


「あぁ、会話を引き延ばして助けが来るのを待っていましたか?

屋敷の警備の者はほとんど倒させて頂きましたのでここには駆け付けないですよ。

それと、アーノルドさんもハンスもここには来れないですよ。今日は屋敷にすら帰って無い筈ですから。

今頃、帝国との戦争準備で王宮で忙しくしている筈ですし、今日の夕方以降に数度に渡って私の姿を王宮でかなりの人数に目撃させたので、警備も厳重にして人員不足に陥っているでしょうから。

君を連れて行くのに、邪魔になる人間を排除しておく必要がありましたからね。

私の姿を王宮で見せつければ、あの愚鈍な男は自分の身を最優先にさせると踏んでいましたし、実際その通りになりましたからね。」


私を誘拐する為だけにそこまでする必要はあるのでしょうか?

それと、先程から出てくる愚鈍な男とはまさか陛下の事を言っているのでしょうか?話の流れ的には、陛下の事で間違いないと思うのですが…随分と知っている様な口ぶりですね。

この男も、もとはこの王国の直系の王族だったとのことなので、親しい間柄だったのでしょう。

それにしても、時間稼ぎが無意味になっているので、この現状をどうにか打開する方法を考えないといけませんが、首元のナイフと自分の今の恰好が気になり頭がうまく回りません。

それに、警備の人員の人々は、生きているのでしょうか?それも気がかりになります。


「ようやくまずい状況だと分かって頂けた様ですね。

では、行きましょ…」


侵入者の男が私の首元に突き付けていたナイフを外し、それで飛んできたクナイを弾き飛ばしました。

この機会を逃す訳にはいきません。


「我が家を舐めないで下さいね。

随分と好き勝手に暴れまわって下さったみたいですね、リガーフェル様。」

「君は確か…アーノルドさんの長男でしたね。

文官の君が、まさかここまで気配を消せて私に悟られずに攻撃出来るとは思いませんでしたよ。

君も一緒に私の部下として行きませんか?」

「何故貴方の様な方の部下にならねばいけないのです。

20年前の事をハンスから聞いていますよ。そんな私が貴方の部下になる筈がありませんよ。

それと、私にばかり気を取られていると…ほら、こうなりますよ。」


ルーカス義父様に気を取られている内に、短剣と取り侵入者の男…リガーフェルの首元に突き付けます。

…正確には、わざと首の皮1枚を切った所で止めた状態ですが。

リガーフェルは冷や汗を流しながらも、平然とした態度を崩しません。


「私としたことが、驚いたあまりに油断してしまいましたね。

今日は、一旦引かせて頂きますね。

それではまた迎えに来ますよ、ミーナ。いえ、ナディエージの愛し子。」


そう言いながら、ルーカス義父様に懐から出したナイフを数本投げつけます。

ルーカス義父様はナイフをたたき落としましたが、ルーカス義父様の死角になっている位置の1本が残っています。


「ルーカス義父様、危ないっ!!」


声を出したところで、既に叩き落とせない距離にありましたが、何とか腕で庇った様で致命傷にはならない様でした。

しかし、安心したのもつかの間、ルーカス義父様が倒れました。

まさかナイフに毒が仕込まれていたのでしょうか!?


「ルーカス義父様、しっかりしてっ!!

今すぐに魔法を掛けますから!誰かっ、すぐに来て。エマ!」


私の叫び声を聞きつけて、一斉にこちらに向かってくる足音を聞きながら、魔法を発動させました。

どうか、解毒にも魔法の効果があって下さい。

お読み頂きありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。