↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
75/130

56話

少し長めです。

応接室に着くと、針子長が立ち上がって挨拶をし、私達が席に着くのを待っています。

私はアマンダ義母様とシャルロッテ姉様が座ったのを確認してから、針子長がいる下座を抜かして、その次の下座になる席につこうとしましたが、アマンダ義母様とシャルロッテ姉様に拘束されて、2人間に座る事になりました。

何故、シャルロッテ姉様の方が下座に着くんですか?そこの位置が私の座る位置ではないんですか?


「針子長、忙しい所来てもらいありがとう。」

「シャルロッテ様のお力添えで、今日は以前の様な状態に落ち着きました。

色々と手配をありがとうございます。」

「商会に携わる者として、当然の事をしたまでですわ。」

「シャルロッテ姉様、申し訳ありません。副商会長の私が何もせずにシャルロッテ姉様に任せきりにして今いました。」

「ミーナはいいのですよ。それに、副商会長になってもらっていても、実際の経営はカール様と私がしていますし、お義父様からもミーナは針子の仕事に集中してくれればいいと言われていたはずですわ。その事を気にする必要はありませんし、ミーナがデザインに集中してくれなければ、忽ち商会が立ち行かなくなりますから。」

「そうです。それに昨日のミーナ様に作って頂いた飾りは私共の助けになっております。」

「それであればいいのですが。」


話の邪魔にならない様に、話が一区切りついた所でアインがそっとお茶を出してくれました。

それに続いて、ずっと私と一緒にいた筈のエマが、私が部屋に忘れてきたデザイン画を私の前に差し出します。

いつ持って来たのですか?まさかあの手紙と一緒に忘れずに持って来てくれたのでしょうか。流石エマです。頼りになります。


「ミーナそれは?」

「私が着てみたいと思ったドレスのデザインです。

一応お茶会・ガーデンパーティー・夜会・舞踏会を想定して、多種多様なデザインにしてみたのですが…。

アマンダ義母様、私のお披露目会は同様な形式でいつ頃するのでしょうか?」


ドレスのデザインを選ぶにしても、どの様な形でするのかが分からないと選べませんからね。それと開催時期によっても、作る手間も踏まえないといけませんから。

そう思って聞いたのですが、アマンダ義母様もシャルロッテ姉様も苦い顔をされています。何か問題があるのでしょうか?


「…シャルロッテ、私から説明するわ。なにか不足な事があれば補足して頂戴。」

「はい、お義母様。」

「ミーナ、落ち着いて聞いて頂戴ね?

王宮にミーナのお披露目をするガーデンパーティーを1ヵ月後に開催する旨を報告したのだけど、今朝方王宮から使者の方が来られて、そのガーデンパーティーは中止するように言われたのよ。」

「通常ガーデンパーティーや夜会を開催する場合は、王宮に申請をする必要があるのですわ。王宮が掲げる申請理由として、第2騎士団の王都警備の経路の変更などを理由として挙げていますわ。それは建前として本音は悪巧みをしていないか、悪事が露呈した場合

の調査をスムーズにする為のものですわ。」

「なんだか面倒な手順ですね。それで何故私のお披露目は中止を申し伝えられたのですか?」

「陛下が横やりを入れたからです。

ミーナのお披露目は陛下自らされたいそうで、そのお披露目と一緒にパトリック王太子殿下の婚約披露もされるとの事よ。

しかも、社交シーズンでは無い今の時期に、全貴族を集めての舞踏会をされたいそうですよ。2週間後に。」

「貴族家の子供のお披露目は、昼にガーデンパーティーで行うのが通例ですわ。

まぁそれは、お披露目が行われるのが9歳の誕生日に行わるからでもあるのですが。

私達もそれに則って、準備や招待客の都合もあるので、1ヵ月後にガーデンパーティーにしたのですわ。」

「そうなのよ。それなのにいきなり2週間後に舞踏会だなんて。

社交を経験した事が無いミーナにとってどれだけ負担になるのか分かっていらっしゃらないのでしょうか。

こちらだって、今まで庶民で暮らしていたミーナに舞踏会用のドレスまで流石に用意していないと分からないのかしら。

謁見の時だって、お義父様の趣味があったから助かったものの…。」


アマンダ義母様が陛下に対しての不満を爆発させています。それに首を縦に強く振って頷いているシャルロッテ姉様ですが、この発言は不敬に当たりませんか?

私も激しく同意ですが、これ以上話が進まなくなるのも困ります。

2週間後の舞踏会で着るドレスを特急で作らなければならないのですよね?早く決めないと、今そこで青い顔をしている針子長が倒れてしまいます。


「あの、アマンダ義母様。私もいきなり舞踏会は正直どうかと思いますが、既に決定されたことなのですよね?

それでしたら、もう諦めて舞踏会の準備をしましょう。

たった2週間しかないのですよね?」

「あぁ、そうだったわね。

ミーナの描いた舞踏会用のデザイン画はどれになるのかしら?」


私の目の前にあるデザイン画から、2枚を抜き出して机の上にそれぞれ置きます。

1つ目のデザインは、Aラインとプリンセスライン中間ぐらいのシルエットで床まである丈のドレスです。特徴としては、肩や胸元と背中・腕を出し、腰の部分に大きなバックリボンが付いています。そして、胴部の所には白のレースをふんだんに使いシースルーの様なデザインで、スカート部分にも白で総刺繍が入っています。生地は白いシフォンの様なふんわりしたものをイメージしています。ふんわりしていれば、ダンスでターンをする際にふわりと舞って綺麗ですからね。

ただこれは、中々大胆なデザインです。ロココ調ドレスが主流の貴婦人方からはふしだらに映ってしまうでしょう。これは、前世のザ・舞踏会をイメージして書いたので没になると思いますが、書いていて一番楽しかったですね。

2つ目は、現在の王道のロココ調のシルエットで、膝とふくらはぎの中間ぐらいの丈にして、ドレスの下にフリルが付いた床まである丈のスカートを履いて、そのフリルを見せる形にしています。

こちらは肩や背中が隠れる状態で、勿論袖付きにしています。袖は肘のあたりから広がるフレアを取り入れ、袖の長さを7分丈にしました。

このドレスの飾りは、襟と袖口に白のフリルと肘と腰の締める部分にはやはり白の花形のリボンが付いています。このドレス生地は若竹色のシルクの様な生地を使う予定です。


「1つ目は斬新でいいわね。ただ、ちょっと色々と見せすぎだわ。」

「そうですわね。でも2つ目のは少しありきたりな様な気もしますわ。ミーナのお披露目ですから、真新しいものの方がいいのではないのかしら?」

「それでしたら、胸元や背中をレースのみで覆うのは如何でしょうか?そして袖の部分はそのまま無しのままにしまして、二の腕までのグローブにしては如何でしょう?

グローブのデザインを胴部と同じにするなどは如何でしょうか?」


針子長はそう言いながら、私の描いたデザイン画に自分で言われたレースやグローブを描き込んでいます。


「あら素敵じゃない。これで行けば、ミーナの魅力がまして他の年頃の令嬢に舐められることもありませんね。」

「ふふっ、このドレスを着たミーナをみたら悔しがるご令嬢の姿が目に浮かびますわね。

それに、私達を侮って下さっていらっしゃる陛下も王妃様にもひと泡吹かせられるかもしれませんわ。

それを目の当たりに出来ないのが残念ですわ。」

「「こちらのデザインでドレスを作りましょう。」」


あれ、また王族に対して不敬なやり取りをしている様な気がするのは気のせいでしょうか?聞き流しておきましょう。さらにヒートアップされても困りますからね。


「ミーナ様、他のデザイン画も見せて頂いても宜しいでしょうか?」

「えぇ、構わないです。」


その後、他のデザイン画の意見交換を行い、修正する所を針子長がデザイン画に描き足したりして、順次このデザイン画を元にしたドレスを作る事になりました。

針子長が帰り際に、このデザインを元にミーナブランドのデザイン画を少しづつ作って欲しいとの依頼を受けました。

ストレス解消になるので、いくらでも作りましょう。


これで、ドレスの打ち合わせが終わったと思ったのですが、今度はネックレスや髪留めなどの装飾品の打ち合わせになり、夕食の時間まで開放される事がありませんでした。

私はそんなに装飾品はいらないと思うのですが…。


「ミーナ、今日の夜の寝る前からアインとエマの手で体磨きをしっかりとするのですよ。

それと、明日からダンスの特訓をしますから、今日は早めに寝るのですよ。

今日の様に寝不足になるのはもってのほかですからね。」


寝不足なのがばれていましたか。そして、あの地獄の様なダンスの特訓が始まるのですね…。今日は、アマンダ義母様の言う通り早く寝ましょう。

お読み頂きありがとうございます。


ドレスのデザインは、俄か知識を総動員したのですが、うまく表現出来ていないと思います。

力不足で申し訳ありません。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。