51話
私用の花壇の側の東屋で、ピーターとフィーをモフモフしたり、花を眺めながらデザインを書いています。
最初は拙いデザイン画でしたが、今ではかなり見れるものになったと思います。
それにしてもいい天気ですね。こんな日は王都の町を散歩したいですね。無理な話ですが。
そろそろお昼になるので、屋敷にもどりましょうか。ピーターとフィーもいい運動になったでしょうし。2匹とも大分老成しているので、後どれくらい一緒に過ごす時間があるのでしょうか?
ピーターとフィーを抱っこして屋敷に向かって歩いていると、マルスさんがこちらに向かって歩いてきます。
どうされたのでしょうか?
「ミーナお嬢様、申し訳ございません。
今屋敷に厄介の方々がいらっしゃっているので、別宅の方に避難して頂いても宜しいでしょうか?
昼食もそちらでお取り頂く事になるのですが…。」
「構いません。」
「ありがとうございます。
この後の予定は変更無く行われますのでご安心下さい。
それと、若奥様もミーナお嬢様と一緒に別宅にて昼食をお取りされる事になりました。」
「シャルロッテ姉様も一緒なんですね。楽しみです。」
「では、お送り致します。」
厄介な方々と言うのは、大方私の力に目を付けて何とか自分に利があるようにしたい方々なのでしょうね。
全く、自分の家にいてゆっくりさせてくれない方々など迷惑千万ですね。
別宅に着き中に通されましたが、最後にここを使っていた日と何も変わってないことに安心ができます。
私がここで過ごしたのはたったの2年でしたが、やはり毎日を過ごしていた場所なので、落ち着きます。
「ミーナお嬢様、昼食の準備が整うまでソファーでお休みになられたら如何でしょうか?」
「うーん…、私の部屋だった所は今どうなっているのか、見に行ってもいいですか?」
「もちろんでございます。
私は昼食の準備をさせて頂きますので、何かあればお呼び下さい。」
エマに了解を取ったので、2階にあった部屋へ向かいます。
すっかり様変わりしていたら、どうしましょう。やっぱり、驚いたり悲しくなったりするのでしょうか?
部屋の扉を開けたら、うん、以前通り私が使っていた部屋のままでした。
父様やお祖父様の部屋も以前通りなのでしょうか?流石に、もったいないと思ってしまうのですが…。
今、本宅にある私の部屋の家具とかってここから移動させた訳ではなかったのですね。
同じ者だったので全く気が付きませんでした。
「ミーナお嬢様、昼食の準備が出来ましたので、食堂の方へ移動をお願い致します。」
「分かりました。」
食堂に着くと、シャルロッテ姉様もちょうど別宅に着いた模様です。
2人で席に着き、ナディエージ様に祈りを捧げてから食べます。
シャルロッテ姉様の食べる姿に目が釘付けになります。すごくきれいな所作で食べられています。私の所作は大丈夫でしょうか?
今まで気にしたことが無かったので、焦ります。私は俄か令嬢ですからね。
学園に行ったときに、変な所作だったら、いい笑い者になってしまいます。
「ふふっ、大丈夫ですわ。ミーナの所作も完璧ですわよ。」
「!また顔に出ていたのでしょうか?」
「気心の知れた家族の前ではいいではありませんの。
お義母様とマーガレット様がしっかりと教育されたのでしょう?」
「はい。それはもう厳しいぐらいに。」
隠れ脳筋だったアマンダ義母様ですが、所作などは完璧なのです。なので、今まで全く気付かず、厳しい淑女教育をされていました。
気が付いたからといって何も変わりませんが。
既に昼食は、食後のお茶を楽しむ時間になっています。食事中は基本的におしゃべり厳禁ですが、お茶の時間になれば解禁です。
先程の予測があっていたか、シャルロッテ姉様に聞いてみましょう。
「シャルロッテ姉様、屋敷に来られている厄介な方々は何をしに来られたのか知っていますか?」
「勿論ですわ。
パトリック王太子殿下の婚約者とお近づきになりたい方々は、同じ年頃のご令嬢を連れられてこられていますわ。
後は、ミーナの力の恩恵にあずかりたい方々と、屋敷の使用人やミーナの護衛になりたい方々ですわね。」
あぁ、そっちもありましたね。パトリック王太子殿下の婚約者!
わざわざ、こちらの都合も考えずに同じ年頃の娘を連れて来て、何を考えているのでしょね?恐らく側室狙いでしょうが、嘗められたものです。
それに、屋敷の使用人や護衛は募集も掛かっていないのに押し寄せて来ているのですか?馬鹿なのでしょうか?
「シャルロッテ姉様、屋敷の使用人や護衛の雇い入れの依頼でもされていたのでしょうか?」
「いいえ、全くしていませんわ。厚顔にも呆れてのものが言えませんわ。
使用人や護衛の方は、マルスとエーデルで蹴散らせてくれるでしょうね。
もうすぐお義父様も王宮よりお戻りになるので、カール様も開放されますわ。」
「そうですね。ルーカス義父様もとんだご迷惑をかけたのですね。王宮での仕事を投げ出して戻らなくてはならないのですから。」
「あの方々の狙いは、宰相補佐で陛下の覚えも良いお義父様の失脚も含まれているでしょうから、ミーナの気にする所ではありません事よ。」
「ルーカス義父様がたとえ失脚した所で、何の得がその方々にあるのでしょうか?」
「それは、パトリック王太子殿下との婚約破棄と、お義父様の後釜に就く事でしょうね。」
さいですか。
呆れる行動力ですね。その行動力をもう少し別の方向に使えば、出仕の道もあるかも知れないと思うのですが。
「若奥様、ミーナお嬢様、馬車の準備が整いましたので、商会の方に移動致しますのでご準備の程お願い致します。」
「カール兄様は来客の対応を終えられたのですか?」
「カール様からの指示で、昼食が終わったら先に移動するように言われていたのですわ。
ミーナ、申し訳ないのだけれどこちらの服に着替えて頂けないかしら?
ミーナが商会の方に移動させたのを気が付かせない為に変装をしてちょうだいね。」
そう言われて、シャルロッテ姉様に渡されたのは侍女服です。
シャルロッテ姉様の侍女と言う事で、こっそりと抜け出すのですね。
何だかちょっと楽しみです。
着替えが終わり馬車まで向かうのですが、本宅から外に出る様にとカール兄様からの指示があったので、シャルロッテ姉様の後ろに控えながらついて行きます。
眼鏡を掛ける事を、シャルロッテ姉様に禁止されたので、俯き加減で歩くのですが、私の姿は様になっているでしょう。
すれ違う来客の方々に私の存在が気付かれる事がありません。
なんとお馬鹿な方々なのでしょうか?しかも、次期侯爵夫人であるシャルロッテ姉様に挨拶もされないとは。
この方達の名前を後でカール兄様から聞いて、社交界に出ても接触されない様に致しましょう。
馬車に揺られ、お尻が悲鳴を上げる前に商会に着いたのですが、ここもすごい人だかりが出来ています。
こちらにも、迷惑で厄介な方々がいらっしゃったのでしょうか?
どれだけいるのですかね?お馬鹿さん方は。
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