↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
54/130

41話

残酷描写を含みます。

苦手な方はご注意下さい。

団長の後を追って慎重に階段を下りて行きます。

微かに何かの息遣いが聞こえてきました。団長にも聞こえてた様で止まるように合図されました。


「ちっ、まだ目が慣れていないのに待ち伏せされたようですね。

こちらの追跡に気が付いたのでしょうかね?」

「団長、敵の姿は見えますか?

息遣いが人間の者とは思えないのですが…。」

「確かにその通りです、っね。」


=ドシュ=


「どうやらまだいる様です。気を抜かないで下さい。

ヴォルの様な生態の生き物の様ですね。

っ次々と来ますよ。」

「はい。」


=ドシュ、ドシュ…………=


しばらく、向かって来たモノを気配で次々と切り捨てていきます。

周囲に血の匂いが充満した頃に、ようやく生き物の気配が消えてなくなりました。

その頃には、ここの地下道の暗闇にも大分目が慣れてきていて、襲って来たモノをよく見ました。

どうやら地上にいた、異形のモノと同類のモノの様です。


「団長、これは地上にいたモノと同列のモノの様ですが…。こんな異形な生き物を見たことも聞いたことの無いのですが、団長は知っていますか?」

「いえ、初めて見るものです。

こんなモノが自然発生していれば、全国家に向けて発表があるはずなので、どこかの国が開発したのでしょうね。

これは、後で回収をしに戻りましょう。今は先に進みましょうか。」


再び歩き続けます。

周りを警戒しながら、どうしても先程みた異形なモノの事を思い返してしまいます。

地上で見たのは、アーベの体にヴォルの顔が付いたモノや、プフェートで背中に羽や尾がランゲ(蛇)になっているモノで、この地下道にいたのはラーベ(ライオン)の体にイレ(梟)の顔のモノでした。

何だか、前世でゲームや物語の中で出てくるキメラの様です。


団長が合図をして止まりました。

今度は人間の話声が聞こえ明かりも見えるので、商会長達でしょう。

しかし何やらもめている様子です。


「・・・こ・・おま・・・・お・・だ・・・・・者に・・・・」

「・・ちが・・・・!まっ・・・・・・・・金は・・なる・・・・がはぁ!!」


漏れぎ超える内容からすると、仲間割れによる諍いの様でしたが、最後は詰っていた相手が殺されたようですね。

団長の顔を見ると、神妙な顔をして冷や汗を流している様です。

何があったのでしょうか?

揉めていた相手が去っていく気配がしましたが、団長が動く気配がありません。

声をかけた方がいいのでしょうか?しかし、こんな場所で声を出していいかも分かりませんので、肩をゆする事にします。


肩をゆすると団長が勢いよく振り向き、剣を振りかぶってきました。

少し予想外の団長の行動でしたが、私も抜剣をしていたので剣で団長の剣を受け止めます。

団長が目を見開き、呆然とこちらを見つめてきました。


「ミーナ…すみません、怪我はありませんか?

少々、立ち去った男の声を聴いて錯乱していた様です。」

「団長、大丈夫ですか?

私は剣で受け止めたので、怪我はありませんのでご心配しないで下さい。」

「良かったです。私が怪我をさせていればハンスに、殺されてる所ですね。」

「それよりかも、この先どうされますか?

立ち去った男の後を追いますか?」

「その前に切られた男を確認しましょう。」


男が切り捨てられている所に移動して、男の生死を確認しましたが既に死んでいました。

これで、この男からは情報が得られないですね。

この肥え太ったメタボ体形の男が恐らくドゥムガイツ貿易商会長でしょう。

噂に聞いていた通りの体形ですね。悪どい事もしていると言われていましたが、本人の顔を見ると納得してしまうのは、駄目でしょうか。


「この男がドゥムガイツ貿易商会長ですね。

出来れば生きたままで捕えたかったです。いろいろ悪どい噂があり調べていましたが、決定的な証拠が掴めず野放しになっていたのですが…。

情けないですね。我々の力不足で、王都をこの様な事態にしてしまったのですから。」

「でしたら、あの立ち去った男の後を追いましょう。

そいつを生け捕りにして、情報をはかせましょう。」

「……ミーナは引き返して、ヘレンと合流して下さい。そして、ルダート副団長に特急で伝言を。20年前の悪魔が現れたと…。」

「そんな事出来ません。副団長に団長を頼むと言われています。

ですから、団長について行きます。」

「規約違反です。処罰対象になり、正式入団時に不利になりますよ。」

「そんな事は構いません。そもそも私は騎士になりたい訳ではありませんので、構いません。

今は団長と一緒行くことに意味があります。」

「…勝手にして下さい。」

「ありがとうございます。」


歩き出した団長の後をついて行きます。

団長は先程よりも緊張した面持ちで、歩いているようです。

団長がこれ程までに意識する20年前の悪魔と言うあの男は何者なのでしょうか?

そんな事よりも、私も警戒を強くしないと駄目ですね。

私は意識を後方にも飛ばした時に、何かが後方から飛んできました。

慌てて剣で切り落とすと、足元に矢が落ちています。まさか、いつの間にか後方に回り込まれていたのでしょうか?


「へー、中々いい反応じゃないですか。

仕留めたと思ったんですがね。

オルデンも優秀な部下を持ったようですね。」

「っ!?いつの間に……」

「うん?初めからですよ。

移動した様に見せかけて、隠れて待ってたんですが。

相変わらず、ザルな警戒ですね。

このお嬢さんの方がよっぽどいい警戒をしてましたよ。」

「くっ…。

ミーナ、私の後ろに下がりなさい。

貴女が居ては足手まといです。」

「ここまで連れてきた部下に対して、酷い言い分ですね。

……私がそれを許すとでも思いますか?」


そのセリフが終わるか否かの間に、私と男との間合いが詰められていました。

男が剣を振るって来たので、受け止めようとしましたが、衝撃が重く受け流しきれずに剣を落としてしまいます。無防備になった隙にさらに追撃を仕掛けてこられました。

小刀を1つ取り出して、喉元に迫った剣を防ぎます。

これも凄まじい威力ですね。手が痺れます。


「くっ…。」

「おや、これを防げるとは見所がありますね。

オルデンの部下にしておくのは勿体無いですね。私の部下になりませんか?」


男が剣を引きながら、面白い物を見つけた様な顔をしています。

男が少し離れたので、クナイを投げつけ距離を取るように離れ、団長の後ろに控えます。


「貴方の部下になるつもりはありません。」

「へー、飛び道具も持っていますか。攻撃の幅があり中々いいですね。益々興味が湧きますよ。

成人前の様な歳の女の子がここまで出来るとは感心ですね。

彼女を連れて帰る為に、オルデンをさっさと始末しますか。」


今度は団長に標的を変えた様で、団長と剣を組み交わしています。

私が援護する隙が無い程の早い攻防が繰り広げられています。

何とかして私も援護したいのですが…。

援護が出来ずに、状況を見守っていると、一気に勝負がついた様です。

団長から血飛沫があがり、倒れていきます。

その光景が、あの日の母様と交わります。


嫌っ、やめてっ!!!

もう、目の前で殺されるのを見るのは嫌なのっ!!


オルデンさんが私をチラッと見て、‘逃げて下さい’と言っています。

そんな事が出来るはずないじゃないですか!


「いやーーーー!!オルデンさんーー!」


手にしていた小刀を投げ捨て、オルデンさんを受け止めます。

まだ微かに息がある!

お願いです、ナディエージ様。オルデンさんを助けて下さい。


男がオルデンさんと私に剣を振り下ろしてきています。

私は無意識に、まだ左袖下に仕込んでいた小刀を男の喉元に向かって投げます。その後も、クナイと通常サイズの手裏剣も投げました。

とてもスローに時間が流れて、男の剣が私達に到達する前に、私の小刀やクナイと手裏剣が男に到達していました。


「ぐぁ……、馬、鹿な…。」


男が倒れるのと同時に、私も意識が遠のきました。

お読み頂きありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。