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40話

残酷描写を含みます。

苦手な方はご注意下さい。

団長の執務室に着き中に入ると、副団長が忙しそうにいろいろな報告書類と格闘していました。

この状況であいさつをしていいのかと困惑していると、団長が副団長に話しかけます。


「ルダート副団長、ミーナを連れて来ましたので。私とミーナはどこに向かえばいいですか?」

「来たか。団長とミーナちゃんには魔法士団副団長と共に行動してもいらう。」

「…副団長、期間限定とは言え騎士団の一員になったので、ミーナと呼び捨てでお呼び下さい。」

「…分かった。では、団長の事を頼んだぞ。

俺はここで情報の纏めと騎士団の指揮に当たらないといけないからな。」

「マーギナ副団長はどちらに?」

「正門で待っている。」

「分かりました。

ミーナ行きますよ。」


スタスタと団長が足早に去って行かれるので、小走りでついて行きます。

団長は足が長いので、足早に進まれると追いかけるのが大変ですね。

置いて行かれない様に夢中で小走りをしていると、あっという間に正門にたどり着いていました。

団長は普通に歩いていた筈なのに、どれだけ足が速いんですか?


「クリーガ団長、ミーナちゃんは成人前の子供ですよ。貴方の通常の歩くスピードではリーチ差がありすぎて大変です。

その事を踏まえて歩いて下さい。」

「マーギナ副団長、大丈夫です。それと、騎士団に現在所属しているので呼び捨てでお願い致します。」

「…ミーナちゃん。……分かったわ。

陛下の決定だものね。諦めるわ。」

「それでは、向かいましょうか。この僅かな時間で見つけられた敵のアジトへ。」


えっ!?もう見つけているんですか?

早いですね。だって、私が情報提供してから1時間も経っていませんよ。

どれだけ優秀な方がいらっしゃるんですか?

そして、何故そんな優秀な方が今まで襲撃の情報を得られなかったのでしょうか?


私が団長とマーギナ副団長とその場所に向かっている時に、中央広場や学園、商業区や宿屋街、そして貴族街と富裕層の平民街で連鎖的に爆発が起こりました。

今いる場所から一番近いのは、貴族街と富裕層の平民街ですが、どのように行動すればいいのでしょうか?

団長の顔を伺います。


「どうやら、こちらが踏み込む前に騒ぎが起こったようですね。

取り敢えずは、当初の目的通りアジトに行きましょう。ちょうど富裕層の平民街にありますからね。

ヘレン、ルダート副団長に風魔法で連絡を飛ばして下さい。

飛ばしますから、ミーナはしっかりと私の後に付いて来て下さいね。」

「「はっ。」


マーギナ副団長を置いて行っていいのか疑問ですが、団長の指示に従います。

燃え盛る街中に猛スピードで突入して行く団長の後をしっかりと追っていきます。普段からしっかりと訓練をしていて良かったですよ。こんな猛スピードについて行くのは大変です。

猛スピードで走りながら街中の様子を確認すると、暴れようとしている不埒者とそれを取り押さえる騎士と魔法士の姿がちらほらと見受けられます。

ですが、怪我をされている方や亡くなってしまっている方もいらっしゃいます。

そして、騎士や魔法士が取り押さえている者の中に、人では無い異形なモノが含まれていて、それの対応で怪我人や死亡者が増えている様です。


「団長…あれは何ですか?」

「ミーナ、今は他に気を取られている場合ではありません。気を引き締めなさい。

後から追ってくる、マーギナ副団長がきちんと報告を上げてくれますから、私達は私達の仕事をしっかりとしますよ。」

「はい。」


その後は、わき目も振らずにひたすら団長の後を追って走り続けます。

そして団長が立ち止まったのは、国内外に支店を持つ大店の貿易商会の前でした。

ここが敵のアジトなのでしょうか?

確かに、ここの貿易商会であれば毎月かなりの人数と商品の移動があるはずですので、不審には中々思わないですね。少しずつ人と物資を集めていたのでしょうね。

こんな事をするなんて、許せません。


「ミーナ、スリーカウントで突入します。

3…2…1.」


=ドガシャーン=


団長のカウントと同時に扉を吹き飛ばします。

私一人の力ではありませんよ。団長と同時に抜剣して扉を思い切りたたき切っただけです。

中から騒ぎを聞きつけて、兵士らしき男達が出てきました。

外の騒ぎではなく、扉の吹き飛ぶ音で出てくるなんて、犯人であると言っているも同然ですね。


「何だ、てめえらは!?

ここは、大店のドゥムガイツ貿易商会と知っての不法侵入か!!?

只で帰れると思うなよ。」


全く柄が悪い連中ですね。

団長をチラッと見ると、楽しそうに笑いながら小さく頷いています。

やっちゃっていいって事ですね。団長の合図に合わせて動くと致しましょう。


「外の騒ぎはご存知ですよね?何故まだ中でゆっくりされているのでしょう?

商会長達の所へ案内して頂きましょうか。」

「誰が案内するかよ。騎士の隊服を着てる様だが、そんなガキ…しかも小娘を連れてる様な奴が騎士団の人間の筈がないからな。」

「やれやれ、困りましたね。力ずくで行きましょうか。

やれ。」


=シュンシュンシュン、トシュトシュトシュ=


全く、見た目で判断するとは愚かものですね。

出て来た男共はクナイで瞬殺しました。あちらも殺る気でしたから、仕方ありませんよ。

それに、今はこの王都を襲撃して混乱させている敵のアジトです。一切気は抜かずに行かなければなりません。

死んだのを恨むなら、こんな事を企てた方とそれに加担したご自身を恨むことですね。


団長が移動を始めたので、私もクナイを回収して後に続きます。

団長は迷いなく進んで行きますが、どこにいるのか見当がついているのでしょうか?

しばらく歩くと、地下へと続く隠し階段が見つかり団長が下を覗いています。


「ミーナ、火魔法で明かりをつける事は可能ですか?

とても暗いので、明かり無しに進むのは難しいのですが…。まぁ、無ければ多少危険度が上がるだけで問題は無いのですが。」

「火魔法に適性が無いので不可能です。申し訳ありません。」

「いえ、あればいいなぐらいいなので気にしないで下さい。

では、進みます。」


団長はそれを言い残して、すぐに進んで行きます。

さて、この先に本命の商会長改め黒幕に繋がる手がかりがいるのでしょうか?

お読み頂きありがとうございます。

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