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21話

本日2話目です。

突然ドアを開けて、ロイ兄様が入って来ました。


「ロイ兄様、乙女の部屋に無断で入るのは如何なものかと思いますが。」

「今、ダンの好きな人を聞くって聞こえてきたけど、どう言う事なのかな?

まさか、ミーナがダンを好きとかじゃ無いよね?

何処にでもいる平凡な顔だし、兄上よりも剣は弱い男なんてミーナには似合わないよ。」

「ロイ兄様、恋に落ちるのは顔や力だけでは無いと思いますが。

それと、私がどなたを好きになっても、現段階ではロイ兄様には関係無いと思います。」

「ミーナ!?関係あるに決まってるでしょ。

ミーナは僕の大切な妹なんだから。

僕が納得出来る相手でないと駄目に決まってるよ。」

「何故ですか?ただの私の片思いですよ。

それに、また会うことが出来るかなんて分からないのに、それ以上の事になる事も無いと思いますが。

私は1日中家の中にいるだけです。兄様達みたいに外に自由に出る事も、友人を作る事も出来ないんです。

心の中ぐらい、自由に思ってはいけませんか?

勿論、家族皆が私の事も愛して心配してくれているのは分かってます。でも、私だってこの色彩で産まれ無かったら、もっと自由に生きられたと……」

「…ミーナ……。」

「ミーナ、落ち着いて。深呼吸してみよう。

……どう?落ち着いた?」


私は感情が高ぶって、涙が溢れていました。

愛してくれている家族を心配させたく無いし、護ろうとしてくれているのが分かっていたので、今まで我儘を言わずに、大人しく家に篭って友人も作らずに過ごしてきました。

でも、初めて家族以外の人と触れ合えば、もっとと欲深くなってしまいます。

それに、今世で初めて恋をしたのに、それを否定されれば、何故私だけ我慢し無いといけないのかと思ってしまいます。

私の心は私だけの物なのに。

セシルに抱きついて泣いていましたが、セシルに促された深呼吸で少し冷静になれてきました。


「ロイ兄様、取り乱して申し訳ありません。

ですが、ロイ兄様に私の心を縛る権利は無いと思います。

それでも私の心を縛る権利が有ると言うのなら、私の納得出来る理由を話して下さい。

先程の妹だからと言う理由だけで有れば、私は納得致しません。」

「それは……。」

「それと私は今、唯一の友人との楽しいひと時を過ごしていたのです。

それを壊して楽しかったですか?

私の数少ない楽しみだと知っていますよね?

ロイ兄様は、ご友人と楽しく過ごしていた所を、いきなりシルバ兄様に邪魔をされたら怒らないのですか?

言うことが無いのでしたら、早く部屋から出て行って下さい。」


私はロイ兄様を押して、部屋のドアを閉めました。

どうして、我慢を強いられる私の気持ちも考えてくれないのでしょう。


「セシル、ごめんなさい。」

「どうしてミーナが謝るの?

ミーナは何も悪くないじゃない。私もロイ様の言い分には怒ってるの。

ダンにぃは確かに平凡だけど、優しくて頼りになる人だもの。

あっ、これは妹分の目線だから安心してね。兄代わりみたいな人に、恋に落ちないからね。」

「ありがとうございます。

私はセシルが友達になってくれて、凄く嬉しいですし、幸せです。」

「やだミーナ恥ずかしいよ。」


きもちを素直に伝えるって、大切な事ですね。

恥ずかしがるセシルを見ていると、不思議と心が落ち着いてきます。


「あっ、そろそろ帰らないといけない時間になっちゃったな。

今度来る時は、裁縫道具持ってくるね。

ミーナ、さっきの言葉嬉しかったよ。

私もミーナと友達になれてうれしい。」


あれから他愛のない話をして、お茶を飲みながら過ごしましたが、夕暮れ時になったのでセシルの帰宅する時間になってしまいました。

セシルは普段は、両親の跡を継ぐ為に医学や薬草学を学ぶのに忙しく、週に1度お茶の時間から数時間しか会うことができません。

また会えるのは来週まで待たないといけないのですね。


セシルを玄関で見送った後、部屋に戻りました。

セシルの為に、縫い方を図解でまとめてみましょうか。他にも何かあるかしら?


熱中してそれを作っていると、エマさんから夕食の準備が出来たと部屋まで教えに来てくれました。

失敗です。何時もは時間を見計らってダイニングへいっていたので、エマさんに余計な手間を取らせてしまいました。

ダイニングへ移動すると、珍しく父様が既に帰宅されていました。


「父様お帰りなさい。

お帰りに気づけず、申し訳ありません。」

「気にするな。

では頂こう。」


それぞれナディエージ様に祈って、食事を取りました。

食後は何時もお茶をするのですが、今日は母様の具合が少し良くないとの事で、父様が母様をお姫様抱っこをして部屋に戻られたので、私達もそれぞれ部屋に戻る事にします。

戻る際に、ロイ兄様が何か言おうとされていましたが、はっきりとせずに、アーとかウーとかでしたので部屋にさっさと戻りました。


だらしないと思いつつ、ベッドにダイブしてダラけたいと思います。

今日は、ロイ兄様の所為で精神的に疲れました。

この生活を我慢していると、口に出せば家族を悲しませると分かっています。でも、今日は言わずにはいられませんでした。

私は心が狭いのでしょうか?


しばらく物思いに耽っていると、ドアがノックされました。


「ミーナ、少しいいか?」


父様が訪ねて来られた様です。母様は良いのでしょうか?

お読み頂きありがとうございます。

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