第十七話:盗人たちの輪舞 中編その1
【第十七話:盗人たちの輪舞 中編】
ナセナル運河 河口付近 港町ポスカ・ハルデロ
セツナたちを引き連れ先導していたルカは、道案内なんて端からする気がなかった。
「(こんな地元の地の字も判らねえ連中を、元締めの居場所に案内しろ!?
世間知らずは命知らずだな…
可哀そうだが、強えやつにさっさと引き合わせてその混乱に乗じてとんずらだ…)」
するとルカが明らかに腕が立ちそうな荒くれたちを指さしてこう言った。
「確か、あいつだ!あいつらが元締めだ!」
「(嘘ではない…ロト商会が雇っている連中であることに間違いはない。
でも、そいつはここ界隈でも恐れられている殺しも誘拐もする危険な連中だ。
そいつともめ事を起こしてくれりゃ…その隙に…)」とルカは薄ら笑いを浮かべた。
ロビンがその荒くれどものもとに歩み寄る。
そしてロビンと荒くれどもが少し会話したかと思うと、ロビンを取り囲んで裏路地の奥へと連中が消えた。
「(おっしゃ!これでさらに、こいつらも巻き込めれば…)」
ルカがそんな事を考えていると、数分後にロビンだけがその裏路地から何事も無かったかのように戻ってきた。
「(ん?…あいつらは?)」
ロビンは戻ってくると、少し息が上がっていた。
「あいつら確かにロト商会の連中だったが、セツナの金管証明の事は知らねえってよ…
おいルカ!人違いじゃねーか!」とロビン。
するとルカがとぼけて言う。
「あれ…見た目が似てたから間違えたのかな…(なんなんだ???このおっさん…)」
「ところで?ロビンが話していた連中は?」とレイダーが聞く。
「ん?…ああ、ちょっと絡まれたんで軽く…な…」とロビンがフーと深呼吸しながら言う。
それを聞いていたルカは内心穏やかでなかった。
「(軽く…だって?あいつら結構手練れだった気がするぞ…)」
ルカがロビンに言う。
「おっさん意外と強いんだな」
「だれがおっさんだ!そもそもオメーが盗まなけりゃ、
こんな面倒事に巻き込まれずに済んだ話じゃねーか」
するとルカも言い返す。
「俺はオメーじゃねぇ!俺様はルカだ。覚えとけ」
「この。口のへらねぇガキが」とロビン。
するとレイダーがルカに言う。
「ルカくん、その元締めのいる場所、本当に知っているんだよな?」
するとルカはウーンと唸って言う。
「教えてもいいけど、俺の身を護ってくれれば道案内はしてやる!それが条件だ!」
「なんだとこの…」とロビン。
そのやり取りを見ていたルディウスが止める。
「やめろロビン。大人げないぞ。
判った、ルカくんの身の安全は我われが担保しよう」とルディウス。
「んー…なら教える。この道をまーっ直ぐ行って、ピョイ!っと右に曲がって、その先を左に曲がると直ぐだ。そいじゃ!またな!!」
ルカはそう言うなり足早に去ろうとする。
するとレイダーがルカの襟首をガシっと掴んで引き寄せると、耳もとでこうつぶやく。
「(ルカくん。ちゃんと案内してくれたら、予想も出来ない程良いものあげちゃおう)」
「(ああ!?良いものってなんだよ)」
「(そりゃ良いものは良いものさ)」とレイダー。
「胡散臭え。そんな子供だまし通用するほど俺は子供じゃねぇ!こう見えてコイツよりは年上だしな!」
ルカはそう言うと、セツナを指差した。
「なにぃ!?」と一同。
そしてロビンがセツナにこう言った。
「おいセツナ。ちょっとこいつの横に立ってみろよ」
「こ。こう?」とセツナがルカの隣に立つ。
身長はセツナより頭一つ分小さいうえに、がっしりとしたセツナの体格と比較すると、体の線がやけに細い、立ち姿もどこか中性的で、妙な違和感が残る。
その姿を観てユアラが少し顔をしかめ何かを言いかけたが止めた。
セツナの身長は中学2年生の平均身長より若干高いくらいなので、ぱっと見は小学6年生か、同級生くらいに見える。
「なんだよ!ジロジロ観んじゃねぇ!」
セツナから一歩距離を取ると、不服そうに胸の前で腕を組むルカ。
ロビンがコホンと咳払いするとルカに言う。
「ルカくん。大人をからかうのは良くないぜ」
「なっ!俺は見たんだ!コイツの金管証明。その年齢なら俺の方が5つは上だ!!」
「マジかよ…あの体格で?!」と一同。
するとレイダーが言う。
「よし判った!それならルカくんこうしよう。
この件が決着ついたら“お兄さん”が、一つだけ願いごと叶えてやるよ」
ルカがニタリと笑う。
「本当だな…嘘は無しだぞ」
「ああ、いいぞ。ただし、ちゃんと最後まで俺たちに付き合う事!いいな!」
するとロビンがレイダーの首を引き寄せて耳もとで言う。
「(おい。そんな事言って良いのかよ…あいつきっとスゲー貪欲な事言ってくるぞ)」
「(大丈夫だって、この件が終わった頃には俺たちは海の上だ。
適当に話合わせとけ)」
「(ったく。オメーワルだなー)」
するとルカは少し悩んでいたが「わかった!交渉成立だ!」と快諾した。
とはいえ、その後もルカは何度か同じ手を使い、ロト商会の息のかかった強い連中を見つけるたびに「間違いない!あいつだ!」とか「三度目の正直!」などと言っては、セツナたちを揉め事に巻き込んでとんずらしようと画策した。
しかし、腕の立つロビンはもちろん、レイダーや、神官のルディウスまで、あっさり連中を倒すか、もしくは改心させ無傷で帰って来るのだった。
「(ヤバい。ヤバい。ヤバい。こいつら俺の予想より厄介だ)」
ルカがどうしようかと悩んでいると、一人の女がセツナたちに声をかけてきた。
「アンタたちかい!ロト商会に喧嘩を吹っかけて回ってるってのは!」
見ると、レイピアとパリングダガーを両腰にぶら下げた冒険者スタイルの黒髪の女が立っていた。
その女性と共に、数名の荒くれどもが、セツナたち一行を取り囲む。
ルカは思わずセツナたちの陰に隠れた。
「(やばい!ロト商会でも処理係のキレーヌ・カサンドラが出張って来ちまった!!)」
「あぁ?誰だおめぇ」とロビン。
「私はキレーヌ・カサンドラ。血魔女のキレーヌって聞いたことはあんだろ」とキレーヌが薄ら笑いを浮かべる。
「…」
セツナたちはそんな名前のやつは聞いたことがなかった。
ポカンとしている一同を見てキレーヌが言い放つ。
「っち!よそ者かい!
それよりも、冒険者の裏に隠れたって無駄だよ!ルカ・フェブール!」とキレーヌ。
セツナがルカをチラッと確認する。
その言葉にルカは一点を見つめたまま、小刻みに震えている。
「(これは…)」
セツナがルディウスに目配せしてルカの様子が変だと伝えると、ルディウスもルカの怯えた様子を目の端で捉え軽く頷いた。
キレーヌが言う。
「ルカ・フェブール!諦めな!もうお前の裏切り行為は判ってんだ!」
するとルカが言う。
「…裏…切り!?」
ルカがセツナたちの前に歩み出て言い放つ。
「あたっ…俺は裏切ってなんかいないよ!」
するとキレーヌが細い冷徹な視線をルカに向けて言う。
「無知で馬鹿な冒険者をけしかけて、ロト商会の連中に牙を向けたんだ、結果的には変わりないさね」
そしてキレーヌがセツナたちにくぎを刺す。
「冒険者さんたち、これは私たちの問題だ。
手出し無用だよ!
ルカ!さっさとこっちに歩いて来な!
アンタには血魔女の意味を教えてやるよ」
するとルカがガタガタと震え始めた。
それはそうだろう、自業自得とはいえ、おそらくキレーヌの態度から見ても、死ぬより辛い何かが待ち構えている事は明らかだ。
するとロビンがキレーヌに言う。
「俺たちは別にロト商会とやり合う気はね…が、こっちも引けねえワケがある。
金管証明を返してもらえりゃそれで終わりよ」
するとルカがこちらに向き直り、すがるような表情で言う。
「約束は?あの約束は?」
するとロビンが言う。
「あぁ?んなもんこっちは被害者だぜ?返してもらってない以上約束なんて…なあ?」
とルディウスに確認する。
するとルディウスがキレーヌに言う。
「お嬢さん。金管証明を返してもらえないだろうか」
「まって!ちゃんと返すから!」
動揺しながら必死に言うルカ。
するとキレーヌがルカに呆れた素振りで言う。
「なんだいルカ!しっかり交渉してたじゃないさ!」
そしてキレーヌは薄気味悪い笑みを浮かべてこう言う。
「ルカ。こりゃあ死刑は免れないよ。
…でもその前に…私を楽しませてもらおうかしら…
ああ…想像するとゾクゾクしちゃうわ」と興奮している。
そしてキレーヌがルディウスに言う。
「冒険者たち!このご時世、盗まれたものは見つかりはしないよ!諦めな!
それと面倒だから…お前たち全員ここで殺るわ」
キレーヌはそう言うとレイピアとパリングダガーを抜いた。
周囲の荒くれどももそれに呼応して剣を抜く。
キレーヌを含め向こうは15人。
セツナたちも各自で武器を握る。
最初に動いたのはセツナの背後にいた荒くれだ。
「死ねよこら!」と声を上げて飛び掛かって来る。
しかしセツナは次の瞬間、相手の振り下ろしかけた剣を、短槍の石突き側でパン!弾くと、その反動を利用して槍をクルンと返し、脳天目掛けて振り下ろす。
ゴス!という鈍い音と共に、地面に顔面から倒れる。
他の荒くれもバラバラに切掛ってきたが、その動きには統一感がまるでなかった。
先走り過ぎた荒くれは、ユアラに初撃を回避されると同時に、グラディウスの柄で延髄を叩かれ地面に沈む。
レイダーに討ちかかった荒くれは、ハルバードで一突きされ絶命する。
ロビンに至っては、荒くれどもが剣を振り上げたタイミングで、ロビンのツヴァイハンダーが唸りをあげ、3人まとめて草刈りでもするかのように切り伏せた。
ルディウスに大振りで切掛った荒くれも、ウォーハンマーで外側に剣撃を反らされ、無防備状態になったところに下からすくい上げるような一撃をまともに食らい吹き飛んだ。
余りに手慣れた対応にキレーヌは動揺していた。
「な…なにチンタラやってんだい!武器がダメなら魔法で対応しな!!」
そこで荒くれの3人が慌てて詠唱し始める。
しかし、詠唱しかけた途端、セツナの傍らにいたフィールが火炎弾をぶち込んだ。
「ぐわっ!!」
火炎弾を正面から食らった荒くれが炎に巻かれながら後方へ吹き飛ぶ。
見た目はまだ幼いフィールの攻撃であったが、火炎弾の威力は本物だ。
残り2人の詠唱者たちも、一人はセツナに一気に間合いを詰められ、石突きによる強烈なアッパーカットを顎に食らい詠唱不可となり、残る一人もレイダーのハルバードで足をすくわれるように引きずり倒された後、胸にトドメの一撃を食らい地面に倒れた。
当初15人で取り囲んでいた荒くれどもは戦闘開始から数分もしない内に、地面に転がり、壊滅状態となっていた。
残ったのはキレーヌとその周りに立っている4人だけだった。
ルディウスが言う。
「勝負にもならん。降伏すれば手荒な事はしない」
するとルディウスの物言いが感に触ったのかキレーヌがキレた。
「じょ…冗談じゃない!私は血魔女のキレーヌだよ!!」
するとキレーヌは自身に風の支援魔法を付与すると、ルディウスに向けて地面を蹴り込み一気に間合いを詰める。
ルディウスがキレーヌの突き出したレイピアの攻撃をウォーハンマーで弾く。
しかしその隙をついてキレーヌのパリングダガーが襲い掛かる。
その攻撃を寸前でかわすルディウス。
キレーヌの攻撃は止まらない、パリングダガーの攻撃をかわされたと同時に、さらに身を捩って回し蹴りに移行する。
ドン!という音が響き、ルディウスの腹にキレーヌのスラリとした足が刺さる。
しかしルディウスは片手だけでその蹴りを止めていた。
「っち!」
キレーヌは持たれた足を軸に片足でダン!と地面を蹴ると、空中で回転させながら、ルディウスの頭目掛けて蹴りをお見舞いする。
しかしその蹴りはルディウスにかわされた。
キレーヌはまるで猫のように身を捩ると着地と同時に武器を構え直す。
「防戦一方じゃないか!」とキレーヌがニタリと笑った。
しかしルディウスは冷静だ。
「曲芸だな…それでは捉えられまい」
「なんだと!!」
キレーヌはさらに剣撃の速度を上げて襲い掛かる。
しかしルディウスはそれでも無駄のない動きでそれらを捌ききる。
とルディウスがキレーヌの大振りを誘うような動きを見せた。
その隙をキレーヌは見逃さずレイピアを突き出した。
とその時、ガキュン!という複数の音が同時に響き、キレーヌのパリングダガーが宙を舞う。
レイダーのハルバードが絡めとったのだ。
残りのレイピアはルディウスに向かって突き入れていたがそれも寸前で届かなかった。
ロビンのツヴァイハンダーの側面が彼女の腹にめり込んでいた。
ロビンが言う。
「おめぇ…集団戦向いてねぇよ」
「こんな…屈辱…」
キレーヌはそう言うと白目を剥いて地面にドサっと倒れた。
ルディウスが言う。
「さて…残った君たちはどうする?」
血魔女として恐れられていたキレーヌのあっけない幕引きに取り巻きの4人は恐れをなして逃走した。
するとセツナがすかさずフィールを呼ぶ。
「フィール。上空からあいつらを追いかけてくれ」
「キイ!」
フィールは返事をすると、バサっと羽を広げて上空へと飛び立った。
するとレイダーが聞く。
「で。このドS女はどうするんだ?」
するとルディウスが言う。
「商会絡みとなれば、我々だけで動くのは分が悪い。
確かこの街の警備は、軍直属の騎士団が担っていたはず。
元々、今日は旧知を尋ねるつもりだったのだが…
その者に今回の一件を相談してみるとしよう」
するとレイダーが言う。
「こいつ相当なワルだぜ?そんな簡単に自白するかね?」
するとルディウスがこう言った。
「なに、正直に話せば手荒な事はしないさ。
彼女には洗いざらい証言してもらう…ただそれだけだ」
冷静だが狡猾なその言葉に一同は思った。
「(ルディウスって時々怖いよな…)」
キレーヌとその一味を捕縛したセツナたちは、ルディウスの旧知だという騎士団の支部に赴いた。
ひときは堅牢な門構えの支部施設には門衛が両脇に立っていた。
ルディウスが冒険者証明書を門衛の一人にかざしながら話しかける。
「戦軍神官のルディウス・マルフォが、クレストフ・アイバン殿に会いに来たと伝えてくれ」
「え、戦軍…は!直ぐに!!」門衛が慌てて飛び出してゆく。
しばらくすると建屋からドスドスと大きな足音を立てて大男が駆けてきた。
「おお!これはルディウスじゃないか!!久しいな!」
クレストフはルディウスたちを見て聞く。
「ん?その傍らの者たちは?」
するとルディウスが言う。
「今は冒険者として活動している。
この者たちは私の連れだ。
それと、あそこの拘束した者たちは君へのささやかなプレゼントだ」
「ん?…んん!?こりゃ賞金首のキレーヌじゃないか!
おいおいついに焼きが回ったのかな?キレーヌ」
「ふん!こんなのよくある話だろ…ロト商会を舐めんじゃないよ!」
拘束されても尚、少し余裕をのぞかせるキレーヌ。
「おい!衛兵!仲間を呼んでこい。こいつらを拘束しておけ」とクレストフが指示を出す。
しばらくすると裏で待機していた兵士たち10名が駆け付け、キレーヌたちを奥へと引っ張ってゆく。
するとルカも一緒に連れてゆこうとする兵士たち。
ルディウスが止める。
「いや。この子は協力者だ」
その言葉にルカの顔が少し晴れる。
その表情を見たキレーヌが「っち!覚えてやがれ!釈放されたら真っ先に貴様を殺す!!」と悪態をついた。
「ここではなんだ。中に入れよ」とクレストフ。
港町ポスカ・ハルデロ 騎士団駐留施設内
キレーヌたちが連行されてゆくのを見届けたセツナたちは、クレストフの案内で建物内のクレストフの執務室へと通された。
執務室に入ると、早速ルディウスがクレストフにこう切り出した。
「クレストフ。少し厄介事を頼みたい」
その言葉にクレストフがニヤついた。
「ロト商会と一戦交えようって事か?」
「できれば最小限にしたい…が必要であれば」とルディウス。
すると少し悔しそうな表情でクレストフが言う。
「俺たちも実はロト商会をマークしていたところだ。
情けない話だが、領主と裏で繋がっているようでな…やつらしっぽを掴ませない。
俺の肌感覚だが、領主が暗躍している事はまず間違いないんだが…
あれこれ理由をつけて釈放されちまう。
さっき捕まえたキレーヌいただろ?
あいつは以前にも捕まえた事があったが、どこからか圧力が上層部にかかって無罪放免されちまう…実に厄介な相手だ」
するとルディウスが少し考えてからクレストフにこう言う。
「ふむ…そのしっぽをもし我々が掴んで引きずり出すと言ったら?」
ルディウスの言葉にクレストフの顔がにわかにほほ笑む。
「で?何をして欲しい」とクレストフ。
「今私は冒険者だ。
クレストフから我々にロト商会の内部調査の依頼をしてくれ。
できるなら用心のために強制力のある書類も欲しいが…」
するとクレストフが少し唸った。
「うーむ…できない事はないが…
最悪この人数では返り討ちに合うぞ?」
「無茶はしないさ。それにこちらには頼もしい協力者がいる」
ルディウスはそう言うとルカの肩を叩いた。
「えっ!俺かよ!」と慌てるルカ。
「ほう…この子がねぇ」とクレストフ。
ルカは否定しかけたが、今の状況ではどうにもならないとあきらめた。
「クレストフ。
ロト商会に関連したであろう過去の事案と、現在の状況を教えて欲しい。
あと、何が揃えば軍事執行できるか教えてくれ。
敵を知らねば勝てる戦も勝てなくなる」
するとクレストフが言う。
「教える前に一つ忠告しておくが…ロト商会の後ろには領主様がいる。
下手するとお前ごともみ消されかねんぞ。忘れるなよ」
「判っている。だが…俺の性格は知っているだろ?クレストフ」
「だな」
ルディウスはそう言うと細く笑ってみせるのだった。
一方ルカは服の袖をギュッと硬く握り絞めうつむいていた。




