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sky flower  作者: Borubo13
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さらばスカウトライン

「兵器には二種類しかない。BA(バトルアーマー)と、それ以外だ」

当時のジーク帝国軍総司令の言葉は、宇宙世紀を象徴する言葉の一つとして広く知られている。

三十メートルの大きさを持つ、鋼鉄の巨人。

第一次宇宙戦争中に登場したこの兵器は、瞬く間に戦場を支配した。


宇宙での戦闘行為において、最も問題となるのが空間の「広さ」だ。

広いというただそれだけのことで、人類は当初全く宇宙での戦闘に対応できなかった。

空間の広大さは自機と敵機の距離を生み出し、距離は相手の攻撃が届くまでの時間的猶予を創り出した。

つまるところ、弾が届くのが遅すぎて当たらないのだ。

それ自体は交戦距離を近くすれば解決するが、今度は部隊部隊が対応できる範囲が狭くなり、大量の人員が必要となる。

一つ動かすのに何人も必要な戦車のような兵器は、宇宙での運用には全く適していなかった。

求められたのは歩兵、それも広大な宇宙空間を翔けるにたる機動力をもった歩兵だった。

そうした経緯で開発されたBAは、当時惑星開発によって供給過多だった金属資源によって圧倒的な量が生産され、戦場の主役となっていった。


BAの主戦場は宇宙空間であるが、地上での運用も可能である。

空気抵抗のない宇宙空間用に設計された機体は空力的な考慮がなされておらず、地上ではその性能を完全に引き出す事は出来ないが、一般に交戦距離の近くなりがちな地上でそれは大きな問題にはならなかった。

何より、動力源である「コア」の生み出す莫大な推力が多少の無茶を押し通してしまう。

現在では、宙陸どちらでも運用出来るBAが各国各組織の主力兵器である。


ぼうと音を立て、ジャガーMk IIのブースターが火を吹き、機体を宙に浮かべる。

一瞬前まで機体があった地面に銃弾が次々と着弾し煙を立てた。

バートは煙弾を放つと、その煙幕に身を隠しながら一気に敵機に近づく。

突然現れた煙幕に足を止めてしまった不幸な敵機は、コアを装甲ごと殴り壊され地上に落ちていった。

残りの二機は慌てず煙幕から脱出しようとするが、あと一歩というところで一機が背中から撃ち抜かれ、瞬く間に敵は一機にまで減る。

バートは余裕の表情で相手の銃撃を避けながら、

「どうする、一人生かしておくか?」

とユキに尋ねた。

「結構です。機種がバラバラなのを見るに、彼らは雇われた傭兵でしょうから」

「了解だ」

短く応じると、敵機との距離を詰めそのままに蹴り飛ばし、姿勢を崩した相手に腰部レールガンを突きつけ引き金を引いた。

「ミッションコンプリート」

小さく呟いた声は、敵機の爆発音に紛れてユキには届かなかった。


「しかし意外だったな」

戦闘の後、すぐにスカウトライン本社を離れることに決めたバートは、ジンと向かい合っていた。

「お前が付いてくるなんて言いだすとは」

「この星の女はあらかた眺め尽くしたからな」

「何やってんだお前……」

こんなキャラだっただろうかと一瞬思ったが、ツヤツヤした満足げな表情を見るにあながち嘘でもないのだろう。

来てくれるならそれに越したこともないので、バートは深く追求しないことにした。

「それじゃあ行くか」

ユキをまたコックピットに乗せ、ハッチを閉じる。

ジンを伴い、バートは宇宙へと機体を進めた。

今回は短いお話になってしまい、また遅い時間の投稿になってしまったことをお詫びします。


私用により明日は更新が出来ませんが、その分明後日に期待して頂けるとありがたいです。


まだプロローグもいいところですが、これからもsky flowerをよろしくお願い申し上げます。

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