十八話
今回は火紅呪目線ですね
無我夢中で銃を拾い、クラスメイトを撃っている敵に向かってトリガーを引く。そして私は初めて人を殺した。
初めて人を殺した。
言い訳らしいものならいくつでも思い付いた。"あの人は私のクラスメイトを殺した"とか"殺さなければ私も殺される"とか。だけど、いくら自分に言い訳しても、人を殺したという罪悪感は拭えなかった。
「火呪紅さん!!」
名前を呼ぶ方を見るとそこには氷の馬に乗った騎士がこっちに来ていた。
その姿はとても輝いていて私はたぶんその時、恋に落ちたのだろう。
「落ち着いた?火紅呪さん。」
氷の馬から降りた椎名が手を差し伸べてくれる。
「うん··ありがと。」
椎名は周りを見て、恭吾くんの死体を見ると、少しため息をついた。
「遅かったか···」
「ううん。着てくれただけでも充分だよ。」
事実、椎名が来なかったらリーダーとして活躍できる人は誰一人居んかっただろう。
「みんな心を落ち着かせることができたみたいだよ。」
「よし!!皆、聞いてくれ!!」
椎名が教卓の上に立って皆の意識を自分に向ける。
「敵は少ない、必ず勝てるはずだ!!魔法は使えないだろうから、銃の使い方を教えてやる!!一人一丁持て!!」
そうして約五分間銃のリロード、照準の見方、銃の構えかたを全員に教えた。
(初恋···かぁ)
椎名が他の人に教えてる間私はそんなことを考えてた。
朝、会ったときは凄くビクビクしてて面白いな~とか思っていたけど、今はその真逆。誰が見てもしっかりしていて、凄く頼りになる人に見える。
(これが本当の姿なのかな···?)
この状況で魔法が使えるほど、冷静と言うことは高校生としては凄いと思う。いや、高校生としてではなくても、凄いと思う。
魔法と言うものは精神力、分かりやすく言えばSAN値を消費する。だから、魔法を使いすぎると精神が崩壊し、発狂することもある。
神谷くんや、先生、クラスメイト達の死体を見ても氷の馬は消えなかった。つまり、全く動揺しなかったという事になる。
(初恋····かぁ)
もう一度心の中で呟く。




