十六話
すみません遅れました!!
俺は何も出来ないまま立ち尽くすだけだった。
先生が死ぬ瞬間が妹が死ぬ瞬間に似ていたのだ。
妹も俺をかばって銃で打たれて死んだ。
俺達のお父さんは既に他界していて、お母さんは高い給料を貰うために遠くへ行っていた。
だから俺達は月に一度銀行にお母さんからお送られる生活費を取りに行っていた。
事件が起きたのはいつも通りに銀行に行ってた時だった。
突然銃声が鳴り響いて振り向くとそこには銀行強盗が居て、俺が射たれそうになったら妹がかばってくれた。警察が来たのはたったの三十秒後だった。
時々、その夢を見る。だけど、妹を死なせたくないってどんなに思っても俺は動けずに妹が死ぬところを見ることしか出来なかった。俺はいまだにこの悪夢を見てしまうのではないかを心の奥底で恐れている。
だが、たぶん俺はローズ社に行けば妹を生き返させるために人を殺すだろう。その人にも家族が居るかもしれない。そしたら俺と同じ夢を見る人も出てくるだろう。
手を伸ばしたら届きそうで、だけど届く前に消えてしまう,そんな夢を。
大事な家族を生き返させるために他の人の家族を殺すということになる。それは自分の家族のために誰かを殺すってことだろうか。
俺は妹を復活させたいが、本当にその為に誰かを殺しても良いのだろうか?それでも妹は喜んでくれるのだろうか?
やっぱり断るべきだろうか。だが、そうしたら妹は生き返らない。
俺はどうしたいか?そんなの決まってる。妹にありがとう、そしてごめんねと伝えたい。
俺を守るためにお前の命が消えちゃってごめんね、と。
妹を助けたい。だけど、その為に誰かを傷つけて良いのだろうか?
だけど、いつまでたってもそこで悩んでいたら駄目だ。
無限ループの中に入ってる。抜け出さなければ答えがでない。
自分にとって一番大切なもの。ほかの無駄な物を消し去らなければ抜け出せない。
そう考えると答えは一つしかない。
妹を生き返らせる。
俺はもうこれ以上悩んだりはしたくない。
妹を助けるためだったら何でもしてやる。例え他人を傷つけてもだ。
刃羅は言ってた俺が分隊長だって。なら、ここで練習してみようではないか。
「お前ら!!なにめそめそしてるんだ!!これは戦いだ!!戦争なんだ!!」
だから俺は指揮を取ることにした。このクラスのリーダーとして。




