総集編(32話~42話)AI漫画一気読み
第32話 坂本龍馬は御前試合に出る
第33話 坂本龍馬は攘夷に目覚める
第34話 坂本龍馬と武市半平太は琢磨を助ける策を練る
第35話 坂本龍馬は琢磨を逃がす
第36話 坂本龍馬は北辰一刀流目録を授かる
第37話 坂本龍馬は土佐に帰る
第38話 桂小五郎は討幕を決意する
第39話 坂本龍馬は道場を開く
第40話 坂本龍馬はヤンデレを説得する
第41話 坂本龍馬は桜田門外の変の噂を聞く
第42話 坂本龍馬は上士とケンカする
江戸へ戻った坂本龍馬は、小千葉道場で剣を磨いていた。
佐那の指導と、彼女に憧れる門人たちの熱烈すぎる打ち込みのおかげで、相手の動きを読む力も育っていく。
安政四年三月、土佐藩の御前試合では、桂小五郎から二本を奪った。結果は二対三の敗戦。
それでも、以前は手も足も出なかった相手へ届いた喜びが、悔しさの向こうに残った。
武市半平太は士学館の塾頭となり、各藩の志士との交流を広げていた。龍馬も会合へ顔を出し、攘夷がただ外国人を追い払う話ではないと知る。
異国の技術や政治を学び、日本が従わされぬよう備える考えもある。
河田小龍から教わった船や商売の話にも、役立つ場所はありそうだった。
もっとも、桂が会ったという万次郎に紹介してほしいと頼んでも、その話だけはなかなか進まなかった。
そんな龍馬へ、土佐の身分社会が重くのしかかる。従兄弟の山本琢磨が、拾った金時計を質に入れたのである。琢磨に非はある。
だが藩は体面を守るため事件を隠し、内々に切腹させようとしていた。
龍馬と武市は十七両を集めて助命を働きかけたが、交渉は失敗する。
残る手は脱藩だった。金を使い果たした龍馬は、嘆願へ向かう仲間の刀を預かり、無断で質屋へ持ち込んだ。武士の魂も、三日くらいなくては死なない。
そんな無茶で三十両を作り、武市とともに琢磨を逃がした。刀は後で請け戻したが、人一人を救う難しさと、命を左右する藩の都合は忘れられなかった。
秋、武市は土佐へ戻り、共に国元を動かそうと誘った。龍馬は約束できず、江戸に残った。
剣を極め、佐那と暮らし、道場を支える。そんな人生を、自分の道にしようとしていたのである。
安政五年正月、龍馬は千葉定吉から長刀兵法の目録を授かった。
先に得た剣術の目録とは別で、免許皆伝にはまだ届いていない。それでも修行の成果は確かだった。
ところが、朝廷の許しを得ぬ通商条約の調印や、金銀の交換比率が招く金流出の懸念を聞くうち、道場だけを見てはいられなくなる。
迷う龍馬へ、佐那は土佐への帰国を勧めた。見放したのではない。安心できる暮らしへ逃げ込まず、自分で納得できる道を探してほしかったのである。
何年でも待つという覚悟に、龍馬は必ず戻ると約束した。剣術と長刀の二つの目録を携え、九月、土佐へ帰り着く。
一方、桂も時代の変化に向き合っていた。吉田松陰は幕府を批判し、老中襲撃の計画まで抱く。
無謀を危ぶむ桂の願いも届かず、松陰は取り調べで計画を語り、安政六年十月、処刑された。
墓前に立った桂は、師と同じように急ぎ、簡単に死ぬ道を選ばなかった。
人を集め、藩を動かし、他藩とも結ぶ。幕府を残すことを絶対の答えとせず、自分のやり方で進むと決めた。
土佐の龍馬は、兄の権平へ佐那との将来を相談し、武市たちと国元の様子を探った。
水戸の住谷寅之介に藩の意向を問われても、自分が代表して答えられる話ではないと慎重に応じる。
日根野道場では小栗流の免許皆伝を得て、自分の道場も開いた。だが門人は甥の高松太郎だけ。一月ほどで募集をやめ、人を集める難しさを思い知った。
帰国してからも、仲間と竹刀を合わせ、酒代を押しつけ合う日々は続いた。天下を論じる男たちも、勘定になれば細かくなる。
龍馬はそんな付き合いを楽しみながら、武市の辛抱強い働きかけには感心していた。
同じ志を口にしていても、得意なことも考える手順も違う。自分には何ができるのか。その問いは、剣の腕が上がっても、答えにならなかった。
武市から頼まれた次の仕事は、平井加尾に京での奉公を勧めることだった。かつての縁談は終わっても、加尾の想いは残っている。
龍馬は佐那との約束を明かせず、帰ったら将来を話そうと期待を持たせてしまった。
加尾は京へ向かい、役立つ便りを届ける。周囲が喜ぶほど、龍馬には先延ばしにした問題が重く残った。
桜田門外で井伊直弼が討たれ、世の動きは激しさを増す。だが龍馬の役割は定まらない。
文久元年三月、上士に弟を斬られた池田寅之進が仇を討つと、龍馬は今度こそ仲間を死なせまいと立ち上がった。
上士たちと対峙し、仲裁に入った武市さえ脅す龍馬を、以蔵が押さえた。
その最中、寅之進が宇賀喜久馬を斬り、自害したとの報せが届く。二人を守るための騒ぎの間に、その二人は命を失っていた。
刀を抜くだけでは守れない。遺された家まで断絶する処分を聞いた龍馬は、身分の壁と自分の力のなさを噛みしめ、別の動き方を探し始めた。




