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人生は遊戯のように生きよ  作者: 不知火 数多


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二回目の人間としての生まれ変わり

カクヨムでも投稿をしています。

目覚めると、見覚えのある草原に来ていた。ルーズが、優雅に座っている。

「良かったわね。人間に転生できて。もう、人間に転生しないんじゃないかとすら思っていたけれど」

「そうだな。人間に生まれ変わることができないと、恐れがあったかもしれない。ところで、ルーズ。質問なんだが、他の人間ともこうやって、会話しているんだろう。だったら、ここにいるのは本当のルーズなのか?」

「ここにいるのも、それ以外の場所にいるのも本当のわたし。でも、どれも本当のわたしではないかもしれない。だって、それぞれが自我を持ってしまっているから」

「難儀な話だな。ところで、クロノというのを始めて見たんだが、あれは、どうにもいけ好かない」

「そう言わないでちょうだい。少なくとも今はわたしの旦那なのだから」

「だったら、あなたを導く貴公子になろうか?なんでも叶えられるという願いを使って」

「からかいは、止してちょうだい。次の人生も頑張って」

 意識が混濁する。もう何度もこの感覚に陥り、慣れてきてしまった。


 目覚めると、誰かにふっ飛ばされていた。

「ったく。使えねぇガキだな。この程度の仕事もできないとは」

 頬に傷のある見るからに悪そうな男が、こちらを見下ろしてくる。

 ほっぺたに触れると、赤く腫れているのがわかる。前回とは違い、生まれてすぐに意識があるわけではないことがわかった。

 この状況を整理すると、私は、この男に雇われていて、私はこの男に無能扱いされていると。そういうことか。なんだか、とても腹がたった。

「なんだ? その反抗的な目つきは。テメェが、仕事をまともにこなせねぇのが悪いんだろ。俺は何も悪くねぇ」

 と悪態をついて去っていった。

 私は、ボロボロの服を強く握り、怒りを堪えた。

 今までの記憶を辿ると、私はどうやら、捨て子のようで、家も金も職も何も中もがなかったようだ。

 雪が降ってきた。どうやら、今は、冬のようで、私は、寒さを凌ぐためにどうすればいいのかを考えた。

 周りを見るが、ほとんどの人間は、暖かい家へと引っ込んでいく。私は運悪く施設の職員にも今まで見つかってこなかったようで、だから、子供にも関わらず、こんなところにいるのだ。

 行く宛がないため、私は、道に座り込んだ。途方に暮れるしかなかった。

 次第に空が暗くなり、雪が積もっていく。

 最悪、死んで、生まれ変わるのもいいだろう。そうすれば、リセットすることができる。

 もうなにもかも諦めたように、ぐったりしていると、誰かが近づいてきた。近くの電灯がチカッチカッと明滅して、その姿を照らす。

 それは、小さい女の子のようだった。

「どうぞ」と言って、パンを渡し、声をかける間もないまま、走り去っていった。

 渡されたパンを見て、食べてみると、とてもおいしかった。今まで見捨てられてきた自分が親切にされたのが嬉しかったからかもしれない。

 服にシトシトと、水滴がついた。雪まみれになっているはずなのに、その跡は、なぜか、くっきりと残った。

 何日も何日も、その女の子は、食べ物をせっせっと持ってきた。

 その女の子は、次第に背が伸びて、顔面が頼もしくなってきた。

 私は、その女の子の持ってきた食べ物と、女の子の成長を見るのが、唯一の楽しみだった。

 仕事場の男からは、毎日無能だの、使えないだの罵られたが、なぜか、それすらも私にとって些細な日常になっていった。私は、私を貶すような言葉と、暴力をとても嫌悪していたはずなのに。

 花が咲き、雨が降り、花が枯れと一年があっという間に過ぎていった。

 ある日を境に、女の子は、来なくなった。又聞きした話だが、女の子は看護学校に通うため、寮生活を始めたそうだ。

 私には、再び憂鬱な日々が戻ってきた。女の子のこない日常は、とても長く感じて、辛かった。私は、あの子を好きになってしまったのかもしれない。私が、あの子を好きになる資格など、ないはずなのにと自己嫌悪した。

 ある日、以前と似た感覚に襲われた。

 頭に声が響いたのだ。

――それでは、ゲームを開始します――と。

 手を見ると、参加者が二千人を超えていた。


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