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人生は遊戯のように生きよ  作者: 不知火 数多


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スコアジャンケン

カクヨムでも投稿をしています。

気がつくと、目を惹く男が大衆の前に立っていた。その男が自己紹介を始める。

「はじめましての方もいるかもしれないので、ここで自己紹介をしようと思います。わたしは、このゲームの主催者で、ゲームをジャッジするクロノと申します」

 とお辞儀するように丁寧に頭を下げた。

「さて、早速ですが、今回やってもらうゲームはスコアジャンケンといいます。では、ゲームの説明をしましょう。あちらをご覧ください」

 ルーズの仕草と同じで、空中を指さした。

一、じゃんけんを六回行うものとする

二、六回以降は、点数の多い上位七名が、最後の一人を決める

三、勝った場合のすべての得点は、パーで勝った場合は、三点。グーで勝った場合は、二点。チョキで勝った場合は、一点とする。

四、負けた場合のすべての得点はグーで負けた場合が、三点。チョキで負けた場合が、二点。パーで負けた場合が、ゼロ点とする。

五、アイコの場合のすべての場合は、パーが、二点。グーが三点。チョキがゼロ点とする。

六、じゃんけんの掛け声は、最初はグーで始めるものとする。

七、反則がわかった場合、そのものの負けとする。

八、順位表は、空中に出てくるので、自分で確認せよ。

 ジャンケンは通常、明確な必勝法がある。それは、洞察力を鍛えること。手が動くとわかった瞬間に、チョキを出せば、相手は、パーか、チョキを出すのでアイコ、もしくは、勝ちとなる。

 ただ、今回のスコアジャンケンは、負けた場合もアイコの場合も多くの点数が入る。つまり、ただ、勝つだけではだめなのだ。

 このゲームの最高点は、十八点。最低点は、六点。より十八点に近い七名で最終的に争うことになる。

 一人が声を上げた。

「みんな、チョキを出そう。とりあえずアイコにして、次で対抗策を考えるべきだ!」

 だが、誰も耳をかさない。誰か一人でもチョキ以外のものを出してしまえば、その時点で、この作戦は、意味がなくなる。愚策もいいところだ。

 さて、私も作戦をそろそろ練らなくては。少しの思考のあと、なんとなく勝ち筋は、見えたので、大人しくゲーム開始の時を待った。

 クロノが「それではゲーム開始です」と言ったので、私は、作戦を実行することにした。

「私は、グーを出します。だから、あなたは、パーを出してください」

 目の前の相手は、動揺しているようだ。ここで取る行動は、おそらく二つに絞られる可能性が高い。なぜなら、アイコの場合は、同じ点数が相手にも入ってしまうから。

 とすると、できるだけ相手から点数を広げるため確実に三点をとる必要がある。

 三点をとるには私の言葉を信じてパーを出すか、違うものを出すか。

「最初はグー。ジャンケンポン」

 私は、パーを出した。相手はチョキを。ここは確実に点数を重ねるべきだろう。チョキを出した場合は、確実に点数が入るので、チョキを出してしまったのだろう。

 私は、ただ呆けて待っていたのではない。対戦相手になりそうな相手がどんな話をしているか、どんな格好をしているか、参加者同士で話し合っているのか。そういったことを加味した上で、ギャンブラーなのか、保守的なのか判断することにした。

 今対戦したのは、保守的だと判断したため私はパーを出して勝ったのだ。あのハッタリは、ただ、相手の心を揺さぶるという意味合いがあっただけだ。

 そのあとも点数を重ねていき、残り二回戦になったときに取引きを持ちかけた。

「なあ、今最下位なんだ。チョキでアイコにしないか?」

 相手はもちろん承諾した。自分にも点数が三点も入るのだ。私は予告通りチョキを出した。

 次も同じことを続けていき、私は、上位三位に入った。

 私が嘘をついていたことを知った取引きを持ちかけた相手は歯ぎしりをして悔しそうにしていた。

 上位にくるやつらは、掴みどころのない性格をしているやつが多いという印象を受けた。

 でも、変わらず同じようにして、私は一位を取ることができた。

 クロノが、ゲーム終了の挨拶をした。

「では、これにて、ゲーム終了です。皆様、次のゲームでまたお会いしましょう。それでは」

 わたしの意識は揺れた。そういえば、アカデミーに行けなかったなぁと少し悔いが残った。

 

 


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