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人生は遊戯のように生きよ  作者: 不知火 数多


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12/24

料理家に転生

カクヨムでも投稿をしています。

いつものように目覚めると、ルーズが、空中を歩いていた。足を前に出すたびに、水面のように空気が振動する。

「ルーズ、教えてもらえないだろうと思うけど、ゲームを始めた目的は何だい?」

「残念ながらまだ教える段階ではないの。レイに勝ったらいくらでも教えてあげるわ」

やはり、このまま転生し続けて、ゲームで勝利するしか方法はないか。

「ところで、さっきは、空中に歩いていたけど、人間ではないのか?」

「そういったことも、レイに勝ったら教えてあげるわ」

つまり、人ならざる力を行使できるのは、ゲームを始めた目的となんらかのリンクがあるということだろう。

そのあとは、雑談をして、いつも通り転生していった。

 目を開けると、私の前には、行列ができていた。ズキっという痛みと共に、いろいろ思い出した。

 小さい頃、母親の影響で、料理にハマり、父は、反対したが、我を貫き、修行を経て、今こうやって、自分の店を出していると。

 常連客と思われる出っ歯の男が話しかけてくる。

「大将、気持ち悪いのかい? まあ無理もない。ほとんど休まず、俺たちに美味い料理を作ってくれるんだからな。休みたい時は、遠慮なく休んでくれ」

気遣いが随分とできるいい奴のようだ。記憶を辿りに、私は、料理の準備をした。ゾロゾロと店に人が入ってくる。

 野菜の切り方、肉の処理の仕方、米の炊き方。記憶が戻る前の私は、細かいところまで拘るようであったそうだ。

しっかりと、記憶を辿りに切ったり、炒めたりしているはずなのに。記憶にあるのとなにか味が違う。

 塩を振ってみたり、醤油を足してみたり、いろいろ試行錯誤をして、ようやくなんとか、近づいた。

 注文を言うのを待っている客たちにゴーサインを出して、注文を取り、料理を始めた。

料理は、頭だけでなく、体力も相当使うということを今更思い知った。

 常連客の一人が、

「あれ、今日ちょっと味が違うね。塩がいつもより効いているというか。まあ、これもこれで、ありだな」

常連客だけあって、細かな味の変化に気づいてしまうのか。やはり、なにかが違ったのだろう。料理では、少しのミスが累積してしまうと、食べれるような状態のものには、ならないこともある。だから、調味料の量、焼き加減、時間すべてに気を配らなければならない。

 という記憶が出てきた。これまでの人生で料理はまともにしてこなかったので、正直自分の記憶のはずなのに、自分の記憶ではないようなそんなギャップがあった。

 そのあとも、注文を受けては、作り続けということを続けていき、閉店時間になったので、店の戸締りをして家に帰った。

 そういう生活を一ヶ月間ほど続けていたある日、客の一人からボソッと提案があった。

「なぁ、ここの店ってデザートないよな。他のご飯は、めちゃくちゃ美味いからさ。最後に、最高の締めがあったらいいな」と。

 確かに、メニューには、デザートは、一つも載っていない。記憶にも、デザートを作ったようなものはない。もし、作るとするのならば、私がなにも頼らずに私自身の力だけで作らなければいけないだろう。だが、それも面白いかもしれない。

 結局店の戸締りをしたあと、早速作ってみることにした。

 まず、テーマを決めよう。テーマは——。

その時、ルーズが頭の中に浮かんだ。あの美しい美貌と身のこなし。美味しいデザートのモデルにはピッタリだ。

 無我夢中に、お菓子作りに取り組み、チョココーティングのあるルーズが楽器を弾いている姿のお菓子ができた。中には、イチゴや、ブドウのムースが層になって入っている。

 我ながらいい出来だなと思いながら、誰かに試食してもらおうと、お菓子を持った時声が聞こえた。

 ——これから、ゲームを開始します。

 なぜか、その声が、いつもと違って、怒っているような気がした。ルーズの姿をしているお菓子のせいだろうか。

 名残惜しい気持ちを押し殺しながら、意識が遠のいていった。

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