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人生は遊戯のように生きよ  作者: 不知火 数多


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11/23

弾丸見抜き

カクヨムでも投稿をしています。

クロノが前に立っているのを見た時、非常に安堵した。

 あのまま、電圧を上げられてしまっていたら、私は、間違いなく感電死してしまっていただろう。捕虜として捕まってしまったのは自分の落ち度であるが、とても、苦渋に満ちた時間だった。

 そうこうしているうちにクロノが、挨拶をしてルールが空中に提示された。

 一、ゲームには、22口径の弾丸と、ピストルを使うものとする。

 二、クロノが前に立ち、ピストルを撃ち、撃たれたピストルと体との距離を競う。

 三、チャンスは一度きりとする。

 四、ランキングは、ルールと同様に空中に提示される。

 五、ピストルの撃つ距離は、一律で、10mとする。

 六、ゲームは一人ずつ他のものに見えない場所で、行う。

 七、途中棄権は認めないものとする。

 八、ランクの上昇、もしくは、同ランクに挑戦する権利を得るのは、ランキング1位のみとする。


 弾丸の速度は、凄まじく、毎秒およそ1400〜1800フィート。毎秒に換算すると、一秒間に430〜550mの計算となる。

 つまり、かなり早い段階で避けなければ、着弾は、免れない。だが、それは、このゲームが、弾丸を避けるという前提があっての話だ。

 私の予測が正しければ、私は、確実に1位を取ることができる。

 他の者たちは、ルール内容を見て、顔を暗くしている。まあ無理もないだろう。今までのゲームと比べて、突破方法が無いように見えるからだ。

 一人目の結果が出た。結果は、2m。これで、1位は、確実にないだろう。

 二人目、三人目と、続いていくが、結果は振るわず、似たり寄ったりだ。

 十二人目の参加者になり、結果が出ると、40cmだった。かなりいい方だろう。ゲームから帰ってきた男は、随分自信ありげだった。

 とんとん拍子でゲームは、進んでいき、とうとう私の番になった。

 クロノの前に立つ。私の仮説に確証がないため、冷や汗が、額に滲み出て、地面に垂れる。

 弾丸が、ピストルから放たれた。目を閉じそうになるが、頑張ってそのまま見開き続けた。そうしなければ、成功しないような気がしたから。ピストルが目と鼻の先に迫ってくる。

 そして、私の真ん前まで、来て地面に落ちた。

 ピストルが来た瞬間、不安と、焦燥とが押し寄せ、自分の説が間違っていたのではないかとどれほど疑ったことか。

 だが、成功した。私の真ん前で止まり、その瞬間、視界が黒くなったので、歓喜が押し寄せた。

 クロノがパチパチパチと乾いた拍手をして、私を讃えてくれる。

「お見事です。このゲームのトリックを見破るとは。流石、レイに認められた唯一の男」

 認められたというのは、どういう意味だろうか。だが、それについて詳細には話してくれないようで、それ以降、言葉は続くことはなかった。なので、こちらから話す。

「まず、疑問に思ったのは、ルールの二。弾丸と体との距離を測るというが、なぜこのルールの中に避けるという言葉がないのか。そして、二つ目、ルール七。他の人に見えない場所でするというのは、得心がいかなかった。このゲームならば、他の人に見えるところで、やっても別に構わないからだ。そこで、一つ、私は、仮説を立てた。もし、これが、出来るだけ、遅く弾丸を避けるのではなく、弾丸をギリギリまできても避けないゲームなのではないか。つまり、弾丸を恐れない不屈の精神を試していると。ただ、情報があまりにも少なかった。だから、最後に、この仮説を実行したのは、勘。ただそれだけだ」

「勘——ですか。あなたは、相当なギャンブラーですね。あなたならそのうち、またレイとの対戦ができるでしょう。あなたが、勝ち登ってくることを祈っています」

 クロノがそう締め括った。

私が、参加者の待機しているところに戻ってくる途中、一人の男が突っかかってきた。

「おい、あんた、不正しているんだろ! 0なんて、あり得る訳がない」

ランキングを見ると、1位に私の名前と、0という記録がキラキラと輝いていた。

「不正など、していませんよ」

「嘘をつくな! 絶対にやっている!」

なおも突っかかってくる参加者が煩わしいと思っていると、クロノが指をパチンとしたのを合図に、男は消えた。

「醜い。ゲームを楽しまないものは、私のゲームに参加する資格は、ありません」

額に青筋を立てながら、クロノが現れた。今までで、一番の憤慨のしようだ。

だが、すぐに戻り、「ゲームを再開しましょう」と言って戻っていった。

 それ以降も、ゲームは、続いたが、私の一位という記録は、揺るがず、そのまま一位を獲ることができた。

私の心臓のあたりから、火の玉が出て、色が橙から、イエローに変化した。ルーズが前に言っていたが、ランクが変わったのだろう。

 そして、意識は混濁し始めたが、なぜか、気持ち悪い気持ちが失せていきつつあった。

 

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