アッチモコッチモタイヘン
「わぁ、すごいアラーム鳴ってるね。大丈夫?」
「あ”あ”!? 江戸にいっぱっ……!!? ちょ、早すぎんでしょうが!?」
「なぁ!? 操作効かねぇぞ!?」
モニター室にて。創の様子を見ていたらビックリドッキリ緊急事態。
創の世界南下、江戸に何者かが侵入し襲撃を受けている。
その状況が確認できた直後、何故かモニターに画面が表示されなくなったり、
創の位置が分からなくなったり、もう、てんやわんや。
「よし、これでっ……ぐっ、また……!?」
現状、ロゼがシステムを修復中。
さっきから直してはおかしくなったりを繰り返しているのだが。
ネオもロゼに加担し、システムを修復しようと頑張っていたのだが、
そもそもシステムを修復するための入力装置が言う事を聞かなくなってしまった。
「悪いがネオ、フォウとフィーヴェを呼んできてくれ!!」
「おう、分かった! イ”デッ!?」
「ロゼ~、たぶんだけど私たち、閉じ込められているです。」
「みたいだねぇ! 思いっきり扉にぶつかってるし!」
ネオはよろよろとしながらその場に倒れる。
神堕 聖は倒れた彼女の頭を撫で、心配そうな顔をする。
そしてロゼは台パン。彼女が使っている入力装置も言う事を聞かなくなる。
椅子から立ち上がり、パラメータビジョンを展開しようとする。が、ダメ。
もう一度展開しようと思っても何も起きない。
彼女は焦って手をわちゃわちゃさせて、
マインドに話しかけようと、急に安らかな顔をして胸に手を当てた。
「……ろ、ロゼ? どうしたんだ?」
ネオは頭を抱えながら起き上がり、彼女の方を見る。
『どうしたんだ』という返事はジェスチャーで返ってきていた。
手を当ててないほうの腕を伸ばし、手のひらを見せて『待って』と。
それを見たネオは彼女がしようとしていることを察し、
こちら側に話しかけてくるのをじっくりと待ち始めた。
ロゼの眉間にしわが寄っていた。
今起きている状況はよくないが、それはここだけではないのだろう。
そもそもアラームが鳴っているのに人が来ないのはおかしい。
モニター室の壁かけ時計を見る限り、もうお昼。
ここに配属されたメンバーは一体どこへ行ってしまったのだろうか。
「……あぁ、くそったれが。知らない間にやりたい放題……。」
マインドから何を聞いているのだろうか、
彼女は頭を掻きむしり、モニターの前あたりまで歩いていく。
そして、何も映っていない画面を見ながら今起きていることについて話し始めた。
「えーっとですねぇ、まず第一に。異端世界秩序はヒビキに乗っ取られました。」
「は?」
「わぁ、すごいですねヒビキちゃん。」
苦笑いをしながら神堕 聖はそう言う。
「乗っ取られ……っ!? いやいやいやいや!?
おかしいでしょ!? あの子が!? こんなところを!?? 」
「……マインドちゃんの調査によれば、だけどね。
あとこっちに来てくれ。隠し通路を開通させる。
ひとまずは脱出が先だ。通路にいる時色々話すからな。」
そう言いながらロゼは二人を手招きする。
神堕 聖はとことこと彼女の元に近づき、
ネオも今の状況に錯乱しながらも彼女の元へ。
「隠し通路ってなんだロゼ!? 非常口じゃねぇのか!?」
「ノーコメントでーす。だって私が作ったわけじゃないんだもーん。」
「は、はぁ!? どゆことだ!?」
「なーんかよくわかんないけど、助手にいろいろ聞かされてたんだよ。
隠し通路をいたる所にたくさん仕掛けておきましたってね。わけわかんないね。
とまぁその一つがこのモニターの裏に……、ああ、聖ちゃん、そっちの角持って。」
「了解、です!」
そう言って彼女らはモニターの画面を上に持ち上げ、壁から取り外す。
すると、そのモニターの後ろに……あれ、後ろに……?
「……通路、ドコ?」
モニターの後ろの壁は壁でしかない。
鍵穴すらなければ隙間のありもしない、ただの壁。
「ロゼ、助手さんが言ってたカクシツウロのモニターってこれで合ってますか?」
「……あ、ああ。合ってる……。モニターの裏ってそういうことか……」
そういいながらロゼはモニターの裏を見て苦笑い。
神堕 聖も同様にモニターの裏を見る。そして口をカパーと開けた。
二人は顔を見合わせ、モニターをひっくり返し、地面にそれを置く。
「……え、なんで障子?」
そう、障子。モニターの裏に何故か障子がある。
不自然すぎる。モニターは別に木造でも何でもない。
ちょっと厚みがあるが、表は普通に近未来なモニター。なのに裏は、障子。
まさかコンナノが隠し通路なのか。そう思いながら、
ネオは座り込み、恐る恐るその障子の紙の部分をなでる。
……別に高級ではない。よくある障子のようだ。
いや違う、そうじゃない。通路だからこれ。
ネオはその障子を開けようとするが全く動かない。
前や後ろ、左右に動かそうとしてもダメ。ただの障子のようだ。
「なぁロゼ、なんで障子なn___」
不意にロゼと神堕 聖がネオの背中を押してきた。
彼女はモニターのふちを手につけ、体全身を突っ込ませまいと何とか耐える。
まぁ、頭は障子に突っ込んでしまったのだが。
「ええー? せっかく障子なんですから全部突っ込んでくださいよ~」
「なんのための障子だと思ってやがるネオ。」
「あっ、ネオって言う語尾いいですね。『です』から変えよかな?」
「いいんじゃないかな? ネオも最近ネオネオ言わなくなってきたし。」
やり切った感を出し、何故かだべり始めた彼女ら。
「……なんだここ。」
ネオは障子の先の景色を見て……茫然とする。
「どしたぁネオ。
いつの間に最強コンビ組んでやがったんだぁとか突っ込まないのか?」
「いやいや、もうすでにツッコんじゃってますから。」
「そうだな。現在進行中で突っ込んでたわ。」
「お前らなぁ!? こんな状況でふざけてんじゃねぇよ!!」
もはや緊急事態に無関心になっている彼女らに、ツッコんだ。
そうすると彼女らはジトーっとネオを睨み、二人は顔を見合わせる。
そして、今一度この状況がどうなっているのかを冷静に考える。
「……そうじゃん、こんなことしてる場合じゃない!?」
「なんで私たち、変になってたんです!?」
錯乱状態。真面目におかしくなっていたのか、それともわざとなのか。
「大丈夫かお前らぁ!?
とりあえず早くこっちに来てくれ!? 変なのがある!?」
ネオの言葉を聞いた二人はこっくりと頷き、
二人は彼女が体を突っ込ませまいと踏ん張っている腕の脇辺りに、飛び込んだ。
その時ロゼがネオの服を引っ張り、無理やり障子の中に突っ込ませた。
「……んあ? なんだここ。」
障子の先は和風建築の巨大倉庫らしき場所。
武器や魔法アイテム、鎧やスーツが置いてあったりする。
そして、その倉庫の奥に、謎の白いロボットがたたずんでいた。
「……え? ガンダ……いや違うか。」




